中田敦彦YouTube大学、本要約チャンネルなどのYouTubeチャンネルや、ビジネス関係のサイトで多く紹介されており、売れ筋の人気書籍である、『ゼロから”イチ”を生み出せる!がんばらない働き方』を読みました。2019年1月出版の本です。
この本を通して、著者が勧めているGoogle式の働き方と、日本企業の働き方を比べて、いったい何が違うのか?を考えてみました。
結果、人に仕事を任せるために、捨てるために、読んでおくと有用であるという結論になりました。
本書の概要・ポイントや、結論に至った考察を書いておりますので、ぜひご覧ください。
『がんばらない働き方』の著者 ピョートル・フェリクス・グジバチさんについて
情報が少なく断片的なのですが、インターネットに書かれている情報によると、ピョートルさんとはこういった人です。
- 1975年生まれ、ポーランド出身
- 言語学者として2000年に来日
- モルガン・スタンレーを経て、Google Japanで人事部長を経験
- 人材育成、組織開発、リーダーシップ開発などの分野で活躍
- 現在はプロノイア・グループというコンサルティング会社の社長
- 講演活動や著作物多数
本の中身のポイントを言い表している紹介はこちらです。
グーグルはなぜ仕事が速いのか? 元グーグル人材育成統括部長で日本に18年滞在している著者が、特別なITスキルや専門知識がなくても実践できる、世界最先端の働き方を公開する。
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『がんばらない働き方』に書かれていること
ネタバレしない程度にポイントのみリストアップしました。主に1-3章に書かれている内容です。
- 「がんばらない働き方」=楽すること ではない。他人に言われるがままに、無駄なことを、時間や労力をかけて行って疲弊するのを辞めて、本来行うべきことを頑張って楽しんでやろう、と言ってます。
- 「しないこと」をリストアップ。to doをこなして満足しない。持ち帰って検討をしない。会議の後に資料を作らない。メールチェックしない。意味のない会議への出席をやめて、前向きな根回しや、情報のインプット、意見収集を行う。
生産性の低さで有名になってしまった日本人ですが、
日本人が忙しいのは、不要な仕事までがんばってしまっているから。そのせいで疲れてしまい、大きなアウトプットを出しにくくなっている、ということです。
本書より抜粋
と表現されています。
対して、
- Googleの生産性の高さはなぜ実現できるのか?
- Googleの有能な人の仕事の仕方は?
- 著者が考えるがんばらない働き方とは?
が、わかりやすい表現で書かれています。
『がんばらない働き方』を読んで私的考察 | 緊急度×重要度 は時代遅れ?勉強不足?
私の仕事の優先度設定は時代遅れだったのか、はたまた、勉強不足だったのか?
仕事の優先度付けの方法というと「緊急性 × 重要度」のマトリックスで考えるのはビジネスの定石だと思っていました。
- 急ぎで重要
- 急がないが重要
- 急ぎで重要ではない
- 急がず重要ではない
の4つであり、先にやるべきなのは「重要」が付いているものということです。
ここでポイントなのは、「重要度」は大抵、会社にとっての重要度であるということ。自分自身のキャリアにおける重要度でないわけです。
本書で紹介されているのは、「インパクトの大小」と「学びの大きさの大小」でマトリックス化する考え方です。
- 「インパクトの大小」は仕事が成功したら会社や自身にとって評価・儲け・メリットになるか
- 「学びの大きさの大小」は自身の身になるか・自身のキャリアにおいて有用か
ということと解釈しました。
そして
- インパクトも学びも小さい仕事は、極力減らす・やめる
- その時間を、インパクトも学びも大きい仕事に回す
- インパクトは大きいが、学びは小さい仕事は、それを経験したい他の人に回す
という整理となるとのこと。
この2軸はいずれも自身にとってどうなのか?が基準になっています。一方で最初に書いた重要度と緊急度は、いずれも会社にとってどうなのか?の基準だと思います。
人は会社に仕えるために人生を生きているのではないし、会社も自分の人生の面倒を見てくれるわけではありません。
よって、会社都合の基準でタスクをマトリックス化しても結局それらの大量なタスクはいつかやらないといけないのには変わりなく、一度決めた締め切りを変えるのが苦手な日本人としては、優先度付けにより順番を変えても、結局全部やらないといけないことには変わりません。
しかし、インパクトと学びの大小で、やること・やらないこと、人に任せることを設定するのであれば、自分の仕事のキャリアアップのために必要なこと、やるべき仕事がなんなのかを優先して、自分の仕事時間を使えることになります。
もちろん、「やらないといけないことになっている仕事」は誰かがやらないといけないので、それをやらなくて良いように処理する労力は一時的に発生します。それでも、その先の効果を考えると、とても重要な整理の手法だと思いました。
「インパクトは大きいが、学びは小さい仕事」というのは、自分でやっていてとてもつまらないです。担当を変えず固定化すると、マンネリ化して結果的にクオリティが下がることもあります。会社の組織としては、出来る人にやらせたい、有能な人に確実にやらせたい、ということで、そういう人を固定してしまうこともよくあります。
そういった仕事を誰かに任せるときに、ついつい、「この仕事は面白くない。でも、自分が面倒だからといって振るのは申し訳ないので、自分でやっておこう・・・」と思ってしまっていました。
しかしこのロジックを知ることで、仕事を自分で抱えているほうが他の人の学びのチャンスを奪っているということで、むしろ胸を張って引き継ぎ先を探すべきということを論理武装できるようになりました。
私個人としては、この整理がついたことが非常に重要なことでした。
まとめ 『がんばらない働き方』は役に立つのか?
私自身としては、本書は、人に仕事を任せるために、捨てるために、読んでおくと有用であるという結論となりました。
残りの会社で働く人生は折り返しが過ぎて、定年延長しても残り15年程度となってきています。この期間を有効に使って、会社を退職したら人生が終わってしまうということがないよう、自分のキャリアをよく考えて日々時間を使おうと思いました。
ここまでお読みくださり、どうもありがとうございました。
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