米ゴルフ人口4810万人で過去最高、女性・ジュニアが支える成長

米国で2025年にゴルフをプレーした人は4,810万人に達し、過去最高を更新した。全米ゴルフ財団(NGF、ゴルフ産業のデータを継続調査する米国の非営利団体)が公表した数字だ。2019年比で41%の増加であり、コロナ禍後の一時的な反動ではなく、6年連続で参加者が積み上がった結果である。

ゴルフをする側にとっては、練習場やコースの予約が今後さらに取りにくくなる可能性を意味する。米国では公共コースの供給拡大が参加者増のペースに追いついておらず、混雑は既に現場の課題になっている。新規参入者が増えれば、クラブやウェアといったギア市場の需要基盤も広がる。

ITやビジネスの視点では、参加人口データは消費市場の需要規模を測るシグナルとして読める。ゴルフに限らず、体験型消費やレジャー産業の拡大局面を把握する指標として応用できる。

本稿では、4,810万人という数字の内訳と、それを支える層を分析し、日本の参加人口動向と対比する。

米ゴルフ参加者4,810万人はどんな内訳で成り立っているのか

NGFの調査による2025年の米ゴルフ参加者(6歳以上)は4,810万人で、過去最高を記録した[1][2][3]。

内訳はオンコース(実際のゴルフコースでのプレー)が2,910万人、オフコース(練習場やシミュレーター、トップゴルフのようなエンタメ施設)のみの参加者が1,900万人だった[1][2]。オンコース参加は8年連続で増加しており、直近1年の純増は約100万人に上る[2]。

米ゴルファー4,810万人はオンコースが約6割を占める

ただしオンコース参加の史上最多は2003年の3,060万人であり、2025年の2,910万人はまだこの水準に届いていない[2]。今回の「過去最高」は、オンコースとオフコースを合わせた参加者総数での更新である点に注意が要る。

区分2025年備考
参加者合計4,810万人2019年比+41%
オンコース2,910万人8年連続増、史上最多(2003年3,060万人)は未達
オフコース専用1,900万人練習場・シミュレーター等

データを軸にゴルフを分析する視点を学べる一冊で、参加人口のような数字をどう読むかの土台になる。

参加者拡大を支えているのはどの層か

拡大の担い手として際立つのがジュニア(18歳未満)と女性である[1][2][3]。

ジュニアのオンコース参加者は約400万人に達し、2004年以来最多の水準となった[1][2]。女性はオンコースゴルファーの28%を占め、過去最高水準に並んだ[1][3]。女性は初心者の35%、ジュニアの35%、オフコース専用参加者の43%を占めており、参加者層の多様化が幅広い年代・属性で進んでいることが読み取れる[3]。

こうした層の拡大は、単発のブームではなく参加者の裾野そのものが広がっていることを示す。ジュニアと女性の比率が高まるほど、将来の主要顧客層が厚みを増す構造になる。

ビジネスの観点では、新規参入者の属性が変わることは、クラブメーカーやアパレルブランドが想定する主要顧客像の見直しを迫る材料になる。従来の中高年男性中心の設計から、体格や体力の異なる層に向けた製品ラインへの投資判断も、こうした人口動態データを裏付けに進めやすくなる。

日本の余暇・スポーツ参加人口の実態データをまとめた白書で、本稿の日本比較部分の裏付け元でもある。

ゴルフ場や練習場の現場では何が起きているか

参加者増加は、コースや練習場の稼働状況にも表れている[2][3]。

2025年のラウンド数は過去5回のうち4回で年間最多を更新し、2015〜2019年のコロナ前平均を21%上回る水準で推移した[2]。オンコース参加が8年連続で増える一方、新設コースのペースは限られており、既存施設への負荷が高まっている[2]。

オンコース参加は8年連続増でも2003年の最多水準に届かない

米国のような公共コース中心の市場でも予約の取りにくさが課題になっている点は、日本のゴルファーにとっても示唆的だ。海外旅行や海外コースでのプレーを検討する読者は、混雑を前提にスケジュールを組む必要がある。

一方でオフコース専用の1,900万人は、練習場やシミュレーターがコース不足を補う受け皿として機能していることも示す。コースに出る前段階の需要を吸収する施設が増えるほど、オンコースへの流入圧力は分散されやすい。米国の混雑対策は、コース新設だけでなくオフコース施設の拡充と併せて進んでいる。

ゴルフテック/海外展開

ゴルフチャンネルを運営するVersant Media Group(米ケーブルテレビ大手。CNBCやGolf Channelを傘下に持つメディア持株会社)が2026年7月、ゴルフ・野球用シミュレーターを手がけるFull Swing(PGAツ[…]

日本のゴルフ人口はどれくらい減っているのか

日本のゴルフ参加人口は、米国とは逆の縮小局面にある。日本生産性本部「レジャー白書2025」によると、2024年のゴルフ(コース)参加人口は480万人で前年の530万人から9.4%減少し、練習場参加人口も450万人で前年から11.8%減った[4]。

米国との違いは、ゴルフ場数の頭打ちと人口動態にある。米国は公共コースを中心に参加者の裾野が広がる一方、日本は新設コースが限られ、主要顧客層の高年代への偏りが指摘されている[4]。

項目米国(2025年)日本(2024年)
参加人口の傾向4,810万人・6年連続拡大コース480万人・前年比-9.4%と縮小
ジュニア・若年層オンコース約400万人、2004年以来最多主要顧客層は高年代に偏る[4]

事業者にとっては、米国型の「オフコース経由での参加者拡大」がジュニア・若年層開拓の参考になる。ゴルファー個人にとっては、日本の需要縮小と米国の供給不足という逆の混雑事情を踏まえ、コース選びの前提を国内外で使い分ける視点が要る。

ゴルフテック/海外展開

中古ゴルフクラブの購入は長い間、「eBay(イーベイ)やメルカリで勘で選ぶ」か「専門店に持ち込んでフィッティング(自分の体格・スイングに合わせてクラブのスペックを最適化する作業)を受ける」かの二択しかなかった。米国カリフォルニア州サンディ[…]

よくある質問(FAQ)

Q1. 米国のゴルフ参加者4,810万人はどのように集計されているか。
A. 全米ゴルフ財団(NGF)が、実際にコースでプレーするオンコース参加者と、練習場やシミュレーターのみ利用するオフコース参加者を合算して算出している[1][2]。

Q2. 参加者拡大を牽引しているのはどの層か。
A. ジュニア(オンコース約400万人、2004年以来最多)と女性(オンコース参加者の28%)が牽引役として際立つ[1][3]。

Q3. オンコース参加は史上最多を更新したのか。
A. していない。2025年のオンコース参加者2,910万人は、史上最多だった2003年の3,060万人にまだ届いていない[2]。

破壊的イノベーション

ガーミンは「値上げ」せずに、どうやって1台あたりの単価を上げたのか 結論を先に言えば、ガーミンは既存モデルの定価を横並びで引き上げるのではなく、その上に「より高い上位ティア」を新設し、購入者の選好を上へずらすことで平均単価(ASP)を押し[…]

まとめ

米国のゴルフ参加者4,810万人という数字は、単なるコロナ後のリバウンドではなく、ジュニアと女性という新しい担い手が支える構造的な拡大だ。オンコース参加自体は史上最多にまだ届いておらず、伸びしろは残っている。ゴルファーにとっては、海外での混雑を前提にプレー計画を立てる材料になる。ビジネス面では、参加人口データが消費市場の拡大局面を読む先行指標になる。日本の縮小局面との対比は、若年層・女性を起点にした需要創出のヒントを示している。

出典

[1] Golf’s Growth Era – The Road to 50 Million Golfers, National Golf Foundation, 2026 https://www.ngf.org/short-game/golfs-growth-era-the-road-to-50-million-golfers/
[2] Golf Participation Is Booming, But Public Access Remains the Key, Athlon Sports, 2026 https://athlonsports.com/golf/golf-participation-growth-public-access-ngf
[3] National Golf Foundation reports continued participation growth in the US, Golf Business News, 2026 https://golfbusinessnews.com/news/management-topics/national-golf-foundation-reports-continued-participation-growth-in-the-us/
[4] レジャー白書2025, 公益財団法人日本生産性本部, 2026-07-15 https://www.jpc-net.jp/research/detail/007771.html