
ヤマハのクラブを使っている人、これから買おうとしていた人にとって、2026年6月末で国内販売店向けの出荷が終わったことは、新モデルの供給が止まり、修理とスペアパーツの窓口、フィッティングの受け皿、中古相場の水準まで順に動くという話だ[1]。ではなぜ44年続いた事業が終わるのかを企業の側から見ると、ゴルフ事業そのものの失敗ではなく、本業を別に持つ会社が事業ポートフォリオを組み替えた結果だった。
2026年2月4日、ヤマハがゴルフ用品事業の終了を発表した。1982年の参入から約44年で、発表文が挙げた理由は経営資源の最適配分と事業ポートフォリオの見直しだ[1]。
同じことは他のブランドでも繰り返されてきた。持ち主を1つずつ辿ると、買い手の本業がゴルフだった例がほとんど見つからない。スキー用品、シューズ、たばこ、飲料、ボウリング機器、タイヤ、楽器、釣具、産業機器、そして投資ファンド。ゴルフブランドは常に、別の本業を持つ会社がかたわらで抱える事業だった。だから本業の都合で切り離され、持ち主が変わり、そのたびに値札が下がる。
前回はテーラーメイド売却争いが波乱、あなたのクラブブランドは誰の手にで進行中の売却プロセスを追った。今回はその背景の構造を、半世紀を超える資本移動の記録から確認する。
ゴルフブランドを買ってきたのは、何を本業にする会社か
買い手の顔ぶれを並べる。資本を握った会社と本業の対応は次のとおり。
| 買い手 | 本業 | 取得したゴルフブランド | 時期 |
|---|---|---|---|
| サロモン | スキー用品 | テーラーメイド | 1984年 |
| アディダス | シューズ・アパレル | テーラーメイド(サロモンごと取得) | 1997年 |
| アメリカン・ブランズ | たばこ由来のコングロマリット | アキュシュネット(タイトリスト)/コブラ | 1976年/1996年 |
| AMF | ボウリング機器・産業機械 | ベン・ホーガン | 1960年 |
| ブランズウィック | ボウリング機器 | マグレガー | 1950〜60年代(資料間で相違) |
| ペプシコ | 飲料 | ウイルソン | 1970年 |
| コスモワールド(熊取谷稔) | パチンコ機の製造販売 | ベン・ホーガン | 1988年 |
| ブラック・アンド・デッカー | 電動工具 | トゥルーテンパー(シャフト) | 1998年の再編まで保有 |
| イートン | 産業機器(油圧・電装品) | ゴルフプライド(グリップ) | 取得時期は未確認 |
| 住友ゴム工業・ブリヂストン・横浜ゴム | タイヤ | ダンロップ・スリクソン・ゼクシオ/ブリヂストン/PRGR | 1935年〜1983年 |
| ヤマハ | 楽器 | ヤマハのゴルフ用品 | 1982年 |
| ダイワ精工(現グローブライド) | 釣具 | ONOFF | 2002年 |
| フィラ・コリア連合 | ファッション | アキュシュネット | 2011年 |
| アンタ・スポーツ主導の連合 | スポーツ用品(中国) | ウイルソン(アメアスポーツ経由) | 2019年 |
| ペリー・エリス | アパレル | ベン・ホーガン(商標) | 2012年 |
| KPS/Centroid Investment Partners | 投資ファンド | テーラーメイド | 2017年/2021年 |
たばこ由来の会社が2度出てくる。アメリカン・ブランズは旧アメリカン・タバコを母体とするコングロマリットで、1976年にアキュシュネット、1996年にコブラを傘下に収めた[2][5]。
そのアキュシュネット自身、出発点はゴルフ会社ではない。1910年創業のAcushnet Process Companyはラテックス加工のゴム会社で、湯たんぽや水泳帽を作っており、ボール製造はゴム加工技術の応用として始まった[5]。
ウイルソンの経路はさらに極端だ。1913年に食肉会社が腱や皮革といった副産物を使うために設立したAshland Manufacturing Companyが源流で、1967年にリング・テムコ・ヴォート、1970年にペプシコ、1985年にウェスレイ・キャピタル、1989年にフィンランドのアメアグループ、2019年にアンタ・スポーツ主導のコンソーシアムへ渡った[6]。食肉から中国資本まで6人の持ち主がいて、ゴルフを本業とする会社は1社もない。
日本勢の母体もタイヤと楽器と釣具だ。住友ゴム工業は英国ダンロップの日本法人が出発点で1963年に現社名になり[7]、ブリヂストンが1935年に国産第1号のゴルフボールを出したのもゴム・化学技術の応用だった[8]。横浜ゴムのPRGRは1983年にタイヤブランドADVANの開発チームが立ち上げ[9]、グローブライド(旧ダイワ精工)のONOFFは2002年、釣具メーカーがゴルフ事業を立て直すために作った[10]。
部品層も同じで、グリップのゴルフプライドは油圧・電装品のイートンの一事業だ[11][12]。
買い手が本業を別に持つと、ブランドは業種をまたいで移動を続ける。持ち主を順に並べると、まったく違う業界の手を渡り歩いてきたことがわかる。

1988年にベン・ホーガンを買ったのも本業が別の会社だった。買い手はパチンコ機の製造販売を中核とする日本のコスモワールドグループで、オーナーの熊取谷稔(英語報道ではMinoru Isutani)が約5,500万ドルで取得し[13]、1990年にはペブルビーチも8億4,100万ドルで買って18か月ほどで手放している[14]。
本業ではない事業をどこに位置づけ、どの順番で切るのかという判断を、多角化の理論から整理できる一冊。
なぜ本業でない事業は真っ先に切られるのか
アディダスの判断を2回に分けて見ると、切られる理由が見えてくる。
1回目は2005年。アディダスはサロモン部門をフィンランドのアメアスポーツへ約4億8,500万ユーロで売却し、10月19日に完了した[15]。同じくサロモン経由で得たテーラーメイドは売却対象から外している。ウィンタースポーツ用品が不振だったのに対し、テーラーメイドはドライバーで世界一の地位にあった。同年8月のリーボック買収(約38億ドル)と合わせ、シューズ・アパレルと好調なゴルフに資源を寄せる再編だった。
2回目は2016年から2017年にかけて。2016年5月4日、アディダスはテーラーメイド・アダムスゴルフ・アシュワースの売却方針を表明し[16]、2017年5月10日に米投資ファンドのKPS Capital Partnersへの売却を発表した。総額は4億2,500万ドルで、約半分が現金、残りは担保付き手形と条件付き対価。10月2日付で完了している[17]。直前の売上は2012年の13億4,400万ユーロを頂点に、2013年12億8,500万ユーロ、2014年9億1,300万ユーロ、2015年9億200万ユーロと3年続けて落ちていた[18]。
アディダスのゴルフ評価が12年で180度変わったわけではない。用具事業を売った後もアディダスゴルフのシューズ・アパレルは続いている。手放したのはクラブとボールという、シューズ会社にとって技術も流通も共有しにくい部分だ。集中したい先が変わり、共有度の低い事業から順に外れた。
同じ2016年、ナイキも同じ線を引いた。8月3日にクラブ・ボール・バッグの用具事業からの撤退を発表し、フットウェアとアパレルは継続すると表明している[19]。ナイキゴルフ部門の2016会計年度の売上は7億600万ドルで、2011年以来の低水準だった。大手2社が、そろって「ゴルフはシューズとアパレルだけ」という線引きに落ち着いた。
ヤマハの2026年の判断も同じ線の延長にある。1982年に世界初のカーボンコンポジット中空ヘッドで参入した事業は、楽器で培った素材技術の応用先だった。44年後の終了理由として説明されたのは中長期の成長見通しと経営資源の配分で、ゴルフ事業単体の巧拙ではない[1]。
本業でない事業は、本業が資源を必要としたときに真っ先に外れる。端から順に切るのが定石で、ゴルフ用品はどの会社でも端に置かれてきた。

切り離された後も、資産の値札は動き続ける。テーラーメイドの場合は上がった。アディダスが4億2,500万ドルで手放したブランドは4年後の2021年、KPSから韓国の投資ファンドCentroid Investment Partners(セントロイド)へ渡る。取引額は非開示で報道ベースは約17億ドル[20]、2025年に始まった売却プロセス[21]の目標額は約5兆ウォン、35億ドル超と報じられている[22]。

伸びない市場で企業が連続してM&Aを重ねる論理を、買い手の意思決定の手順まで落として解説している。
持ち主が変わるたびに値札は下がる
テーラーメイドは例外の側にいる。買われた額と売られた額を並べると、多くのブランドは減る。
コブラ。アメリカン・ブランズが1996年に7億1,500万ドルで取得した[2]。14年後の2010年4月、後身のフォーチュン・ブランズはPUMAへ8,890万ドルで売却したと四半期報告書に記載している[3]。PUMA側は取引条件を開示していない[4]。四半期報告書の数字で見れば、取得額の1割強にとどまる。
マグレガー。1998年8月に投資会社ザ・パークサイド・グループが約4,200万ドルで買収したと報じられたブランドは、2009年5月に経営破綻の状態でゴルフスミス・インターナショナルへ175万ドルで移った[22][23]。11年で40分の1以下だ。
ジャックウルフスキン。キャロウェイが2019年1月に4億1,800万ユーロ(約4億7,600万ドル)で取得したドイツのアウトドアブランドは、2025年5月にアンタ・スポーツへ2億9,000万ドルで売られた[24][25]。
トップフライトとベン・ホーガン。キャロウェイが2003年に破綻したTop-Flite Golf Companyの資産を取得した際の買収支出は1億6,032万ドル[26]。9年後の2012年、ベン・ホーガンの商標をペリー・エリスへ700万ドル、トップフライトをディックス・スポーティング・グッズへ2,000万ドルで手放し、2ブランド合計の正味手取りは2,690万ドルだった[26][27]。
1ドル=155円換算で、コブラの7億1,500万ドルは約1,108億円、8,890万ドルは約138億円だ。

減り方には共通の理由が3つある。第一に、移るのは商標と在庫と特許で、開発と製造と流通の実務は移らない。ベン・ホーガンが到達点で、商標を持つのはアパレル会社のペリー・エリス、クラブを作るのはライセンス先の別会社という状態が続く[13]。名前と中身が分かれたブランドに、払った額は正当化しにくい。
第二に、持ち主が変わるたびに製品サイクルが途切れる。用具は毎年の新製品で棚を確保する商売だが、資本の移動期は投資判断が止まりやすい。テーラーメイドが2012年に約7,000万ドルで買ったアダムスゴルフは後回しと評され、新製品はTight Liesシリーズが出る2020年まで5年空いた[28]。
第三に、転売のたびに買収負債が積み増される。シャフトのトゥルーテンパーは1998年にブラック・アンド・デッカーの傘下から総額2億1,780万ドルの資本再編で切り出され、2004年に別のファンドへ転売された。2008年の需要減で1億5,600万ドルののれんを一括減損し、翌2009年3月にはリボルビングローンの元本2,000万ドルが払えず債務不履行に陥った[12]。先に効くのは事業の実力ではなく、積み上がった負債だ。
では、なぜテーラーメイドだけは4年で4倍になったのか。KPSは製造業の再生を手がけるファンドで、独立企業としての立て直しに集中した。ナイキが用具から抜けた直後という時期も味方し、2017年にタイガー・ウッズとローリー・マキロイのクラブ契約を確保している[17][20]。そこにコロナ禍の需要が重なった。
値上がりの条件は「持ち主の本業がゴルフだったこと」ではない。KPSにとってもテーラーメイドは数ある投資先の1つだ。違ったのは、誰かの一事業部ではなく独立した会社として運営された点にある。本業のかたわらに置かれる限り、投資判断は本業の都合に従属する。
タイトリスト、テーラーメイド、ウイルソン、コブラ。日本のゴルファーが店頭で手に取る主要ブランドは、いずれも持ち主がアジアの企業や投資ファンドに替わっている。誰が持っているかで、次のモデルに開発費がどれだけ入るのか、日本での価格やモデルサイ[…]
日本のブランドは持ち主が変わらないのに、なぜ畳まれるのか
日本でも同じことは起きている。ヤマハは持ち主が変わらないまま44年で事業を終えた[1]。本間ゴルフは2005年の民事再生を経て2010年に中国資本の傘下に入り、2016年に香港へ上場した[33]。マルマンは2017年に韓国のオーケストラ・プライベート・エクイティが株式32%を取得し、2018年にマジェスティ ゴルフへ社名を変えて2020年1月に上場廃止となった[34][40]。
持ち主が動かないブランドもある。ミズノは東証上場の独立系で、1933年の日本初のゴルフクラブ以来、他社に買われた記録は確認できない[39]。ブリヂストンのゴルフ用品は完全子会社、PRGRは横浜ゴム、ONOFFはグローブライドの一事業だ[8][9][10]。上場した素材・機械メーカーの傘下にある主要ブランドに限れば転売された例は確認できず、外資に渡った2社はどちらも親会社を持たなかった。
| 資本の形 | 該当ブランド | この20年で起きたこと |
|---|---|---|
| 素材・楽器・釣具メーカーの一事業 | ヤマハ・ブリヂストン・PRGR・ONOFF | 持ち主は不変。ヤマハは2026年に事業終了 |
| 独立系の上場企業 | ミズノ | 持ち主は不変 |
| 親会社を持たない独立系 | 本間ゴルフ・マジェスティ(旧マルマン) | 中国資本・韓国資本の傘下へ |
違いは資本の器にある。海外は投資ファンドが独立した会社としてブランドを売買し、持ち主は数年で入れ替わる。日本は親会社の一事業部なので売却は起きにくい代わりに、事業ごと畳める。安定の中身が違う。

ビジネスの側では、日本の用具事業の存続は単体の損益ではなく親会社のポートフォリオでの順位で決まる。ゴルファーの側では、持ち主が急に変わる心配は小さい半面、供給は売却ではなく終了という形で止まる。
米テキサス州オースティンに拠点を置くゴルフ用品メーカー、ニュートン・ゴルフ(Newton Golf Company, Inc.、ナスダック[Nasdaq、米国の新興企業向け株式市場]上場、ティッカーNWTG)が2026年、大きな話題を呼ん[…]
一度も売られていないピンは、何が違うのか
主要ブランドで一度も外部資本に売られていないのはピンだけだ。1959年、ゼネラル・エレクトリックのエンジニアだったカーステン・ソルハイムが自宅ガレージでパター「PING 1A」を作り、1967年にKarsten Manufacturing Corporationを設立した[29]。1995年に息子のジョン・A・ソルハイムが経営を継ぎ、2022年4月には孫のジョン・K・ソルハイムが3人目のCEOに就いた[29][30]。非公開のまま同族で保有され、資本が外に出た記録はない。ゴルフを本業とする会社が持つ数少ない例だ。
現在の資本を国籍で並べる。アキュシュネットは2011年に韓国のフィラ・コリアと未来アセット系のグループへ12億2,500万ドルで売られ、2016年のNYSE上場を経て、2025年4月時点でミスト・ホールディングス系が50.8%を保有する[35][36]。ウイルソンの親会社アメアスポーツは2019年にアンタ・スポーツ主導の連合が取得し[37]、コブラの親会社PUMAの株式29.06%も2026年1月にアンタ・スポーツが取得契約を結んだ[38]。
| ブランド | 現在の資本 | 国籍 |
|---|---|---|
| ダンロップ・スリクソン・ゼクシオ・クリーブランド | 住友ゴム工業 | 日本 |
| ブリヂストンのゴルフ用品 | ブリヂストン | 日本 |
| ミズノ | 東証上場の独立系 | 日本 |
| PRGR | 横浜ゴム | 日本 |
| ONOFF | グローブライド | 日本 |
| テーラーメイド | セントロイド(売却プロセス中) | 韓国 |
| タイトリスト・フットジョイ | ミスト・ホールディングス系が50.8%、NYSE上場 | 韓国 |
| マジェスティ | Majesty Golf Korea | 韓国 |
| ウイルソン | アメアスポーツ(アンタ・スポーツが過半) | 中国 |
| 本間ゴルフ | 劉建国氏が筆頭株主、香港上場 | 中国 |
| キャロウェイ | NYSE上場で株主は分散 | 米国 |
| PXG | 創業者ボブ・パーソンズ(非公開) | 米国 |
| ピン | ソルハイム家(非公開) | 米国 |
| コブラ | PUMA(アンタ・スポーツが29.06%を取得予定) | ドイツ |

ゴルファーの側で見ておく点は3つある。持ち主の本業がゴルフかどうか、持ち主が変わってから何年経っているか、修理とパーツ供給の見通し。投資ファンドは数年単位で出口を探すため、保有期間が延びるほど売却の話が出やすい。テーラーメイドはKPSが4年、セントロイドが2021年から5年目だ[17][20]。商標だけの存在になったブランドは、旧モデルのサポートが途切れやすい。
ただし「ゴルフが本業なら安泰」とも言い切れない。創業者ボブ・パーソンズが持つPXGは2025年前半から売り出しの状態にあり、複数の韓国系ファンドが関心を示したと報じられた(2026年8月時点で成立の報道はない)[31][32]。
このシリーズはあと2本続く。売買の主導権を決める契約条項と、アジア資本が30年でゴルフ用品を買い集めた経路を順に扱う。
本記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます。 MBAの基礎科目「マーケティング・経営戦略基礎」で扱ったケースを、講義で使ったフレームワークに沿って解説します。 この科目は何を扱うのか 本連載は、MBAの基[…]
まとめ
ゴルフ用品ブランドは、ほぼ例外なく本業が別にある会社に買われてきた。スキー用品、シューズ、たばこ、飲料、ボウリング機器、タイヤ、楽器、釣具、産業機器、投資ファンド。買い手の本業を並べるだけで、この事業が単独では成立しにくいと分かる。
本業ではないから、本業の都合で切られる。切られるたびに開発と流通が途切れ、次の買い手が払う額は下がる。コブラは7億1,500万ドルが8,890万ドルに、マグレガーは4,200万ドルが175万ドルになった。アディダスがテーラーメイドを手放したのも、ゴルフの評価が下がったからではなく集中したい先が変わったからだ。
例外はピン1社で、3代63年の同族経営のまま資本が外に出ていない。日本の主要ブランドは持ち主が動かない代わりに、ヤマハのように親会社の判断で事業ごと畳まれる。
クラブを選ぶ側は、気に入ったブランドが誰の何番目の事業なのかを一度調べておくと、モデルチェンジの間隔と、旧モデルの修理・パーツ供給がどこまで続くかを見積もれる。ビジネスの側は、事業の存続を単体の損益で測らず、親会社のポートフォリオで何番目に置かれているかを判断材料にできる。
よくある質問(FAQ)
Q. 持ち主が変わると、クラブの性能や保証はどうなるのか。
A. 売却の発表直後に仕様や保証が変わることは通常ない。影響が出るのは次のモデルサイクル以降で、開発投資と契約選手の陣容が新しいオーナーの方針で決まる。旧モデルの修理・パーツ供給は、ブランドが商標だけの存在になった場合に途切れやすい。
Q. なぜゴルフ用品ブランドは単独で成立しにくいのか。
A. 主要ブランドの持ち主を辿ると、スキー用品、シューズ、たばこ、飲料、ボウリング機器、タイヤ、楽器、釣具、産業機器と、本業が別にある会社ばかりが並ぶ。ゴルフ専業のまま大きくなった会社は少なく、素材技術や流通を他事業と共有できる相手に買われてきた経緯がある。
Q. 使っているブランドの持ち主が誰かは、どこで確認できるのか。
A. 上場企業なら有価証券報告書や公式サイトの会社概要に親会社と持株比率が載る。非上場ブランドは売買のたびにプレスリリースが出るため、ブランド名と買収・売却で検索すると経緯を追える。
出典
[1] ヤマハ株式会社「ゴルフ用品事業の終了について」https://www.yamaha.com/ja/news_release/2026/26020402/[2] American Brands, Inc. Form 10-Q(コブラ取得、総額約7億1,500万ドル)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/789073/000089383896000053/0000893838-96-000053.txt
[3] Fortune Brands, Inc. Form 10-Q(コブラをPUMAへ8,890万ドルで売却)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/789073/000119312510181335/d10q.htm
[4] PUMA「PUMA acquires equipment brand Cobra Golf」https://about.puma.com/en/newsroom/news/puma-acquires-equipment-brand-cobra-golf
[5] FundingUniverse「Acushnet Company History」https://www.fundinguniverse.com/company-histories/acushnet-company-history/
[6] FundingUniverse「Wilson Sporting Goods Company History」https://www.fundinguniverse.com/company-histories/wilson-sporting-goods-company-history/
[7] Wikipedia「住友ゴム工業」https://ja.wikipedia.org/wiki/住友ゴム工業
[8] ブリヂストン「国産第1号ゴルフボールの誕生」https://www.bridgestone.co.jp/blog/2017101201.html
[9] PRGR「HISTORY」https://www.prgr-golf.com/history/
[10] ゴルフサプリ「ONOFFブランド誕生の経緯」https://golfsapuri.com/article/10008105
[11] Wikipedia「Eaton Corporation」https://en.wikipedia.org/wiki/Eaton_Corporation
[12] True Temper Sports, Inc. Form 10-K(1998年の資本再編、2008年ののれん減損、2009年の債務不履行)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1078547/000104746909003548/a2191461z10-k.htm
[13] Wikipedia「Ben Hogan Golf Company」https://en.wikipedia.org/wiki/Ben_Hogan_Golf_Company
[14] UPI「Pebble Beach golf course sold」https://www.upi.com/Archives/1992/02/20/Pebble-Beach-golf-course-sold/9750698562000/
[15] Amer Sports「Acquisition of Salomon is Concluded」https://www.globenewswire.com/news-release/2005/10/20/1858349/0/en/Amer-Sports-Acquisition-of-Salomon-is-Concluded.html
[16] Golf News Net「adidas selling TaylorMade, Adams, Ashworth golf units」https://thegolfnewsnet.com/golfnewsnetteam/2016/05/04/adidas-selling-taylormade-adams-ashworth-golf-units-18433/
[17] ESPN「Adidas sells golf businesses TaylorMade, Adams Golf, Ashworth for $425 million」https://www.espn.com/golf/story/_/id/19351857/adidas-sells-golf-businesses-taylormade-adams-golf-ashworth-425-million
[18] MyGolfSpy「Report: TaylorMade sales decline for the 3rd straight year」https://mygolfspy.com/news-opinion/report-taylormade-sales-decline-for-the-3rd-straight-year/
[19] ESPN「Nike announces exit from golf equipment business」https://www.espn.com/golf/story/_/id/17212815/nike-announces-exit-golf-equipment-business
[20] PR Newswire「KPS Capital Partners to Sell TaylorMade Golf Company, Inc. to Centroid Investment Partners」https://www.prnewswire.com/news-releases/kps-capital-partners-to-sell-taylormade-golf-company-inc-to-centroid-investment-partners-301288728.html
[21] KED Global「Centroid to divest control of TaylorMade as exit strategy, drops IPO plan」https://www.kedglobal.com/mergers-acquisitions/newsView/ked202505150005
[22] Wikipedia「MacGregor Golf」https://en.wikipedia.org/wiki/MacGregor_Golf
[23] SGB Media「Golfsmith Acquires Rights To MacGregor Golf」https://sgbonline.com/golfsmith-acquires-rights-to-macgregor-golf/
[24] PR Newswire「Callaway Golf Company Completes Acquisition of Jack Wolfskin for $418 Million」https://www.prnewswire.com/news-releases/callaway-golf-company-completes-acquisition-of-jack-wolfskin-a-premium-outdoor-apparel-brand-for-418-million-300772897.html
[25] PR Newswire「Topgolf Callaway Brands Completes Sale of Jack Wolfskin to ANTA Sports」https://www.prnewswire.com/news-releases/topgolf-callaway-brands-completes-sale-of-jack-wolfskin-to-anta-sports-302470552.html
[26] Callaway Golf Company Form 10-K(トップフライト・ベン・ホーガン売却の正味手取り2,690万ドル)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/837465/000119312513098448/d447718d10k.htm
[27] Perry Ellis International Form 10-Q(ベン・ホーガン商標を700万ドルで取得)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/900349/000119312512261320/d337092d10q.htm
[28] Wikipedia「Adams Golf」https://en.wikipedia.org/wiki/Adams_Golf
[29] Wikipedia「Ping (golf)」https://en.wikipedia.org/wiki/Ping_(golf)
[30] Golf Business News「John K. Solheim named President of PING」https://golfbusinessnews.com/news/corporate/john-k-solheim-named-president-of-ping/
[31] KED Global「PXG up for sale, Korean PE firms show interest」https://www.kedglobal.com/private-equity/newsView/ked202509260002
[32] PXG「Bob Parsons, Founder」https://www.pxg.com/pages/bob-parsons-founder
[33] Wikipedia「本間ゴルフ」https://ja.wikipedia.org/wiki/本間ゴルフ
[34] Wikipedia「マジェスティ ゴルフ」https://ja.wikipedia.org/wiki/マジェスティ_ゴルフ
[35] Fortune Brands, Inc.「Fortune Brands Announces Agreement to Sell Acushnet」(SEC提出、売却額12億2,500万ドル)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/0000789073/000119312511202844/dex992.htm
[36] Acushnet Holdings Corp. 委任状説明書(Magnus Holdingsが50.8%を保有)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1672013/000167201325000014/golf-20250418.htm
[37] Wikipedia「Amer Sports」https://en.wikipedia.org/wiki/Amer_Sports
[38] ANTA Sports「Acquisition of 29.06% stake in PUMA SE」https://ir.anta.com/en/news_detail.php?id=159082
[39] ミズノ「ゴルフクラブの歴史」https://jpn.mizuno.com/golf/clubs/history/index
[40] Orchestra Private Equity「投資実績(マジェスティ ゴルフ)」https://orchestraprivateequity.com/news.jp.html



