
米国のゴルフ場で、女性プレーヤーの数がこの5年で大きく伸びている。業界調査機関である全米ゴルフ財団(NGF、National Golf Foundation。米国のゴルフ産業向けに参加人口や市場動向を調査する非営利団体)が2026年6月に公表したレポートによると、2020年から2025年にかけて実際にコースでプレーする女性ゴルファーは45%増加し、810万人を超えて過去最多となった。同期間にコースゴルファー全体が純増した人数のうち、女性・少女が占めた割合は52%に達し、業界成長の主役が女性へ移りつつある実態が浮かび上がった。
ゴルフをする側にとっては、コースや練習場の客層が変わり、レディースティーの利用機会やレッスン需要が増え、ギアやアパレルの女性向けラインアップが広がる動きとして表れてくる。IT・ビジネス側の視点では、縮小しがちな成熟市場の中でどのセグメントが実際に伸びているかを見極め、マーケティングや商品開発の優先順位を組み直す材料になる。本稿ではNGFのデータをもとに、女性ゴルファー急増の実態と背景、日本との違いを整理する。
米国の女性ゴルファーはどれだけ増えたのか
NGFの調査は、実際にゴルフコースでプレーする「オンコースゴルファー」を対象に、性別・年齢別の推計人口を毎年算出している。
2020年から2025年の6年間で、米国のオンコース女性ゴルファーは45%増加し、純増250万人を記録した[1]。総数は810万人超に達し、これはNGFが集計を始めて以来の最多水準である[1]。ゴルファー全体に占める女性の比率も28%まで上昇し、2012年の20%から8ポイント伸びた[1]。

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女性はコース人口純増の何%を占めたのか
「純増」とは、新規参入者数から離脱者数を差し引いた実質的な増減を指す。
同じ2020〜2025年で、男性ゴルファーは12%増、純増230万人だった[1]。女性の純増250万人は男性の純増を上回り、期間中のコースゴルファー純増全体の52%を女性・少女が占めた計算になる[1]。伸び率・純増数・シェアのいずれで見ても、女性が業界成長の主エンジンになっていることが分かる。
| 区分 | 伸び率(2020-2025年) | 純増数 | 純増全体に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 女性・少女 | +45% | 250万人 | 52% |
| 男性 | +12% | 230万人 | 48% |

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成長を牽引した要因は何か
NGFは、パンデミック以降に広がったオフコース形態のゴルフ体験と、ジュニア層での女子参加拡大を主な要因に挙げている[2][3]。
ジュニアゴルファーに占める女子の比率は2024年に35%に達し、2000年の15%から大きく伸びた。人数では女子ジュニアが128万4000人に上る[2]。女子限定プログラムを備えたジュニア育成の枠組みは、そうでない枠組みに比べて定着率が50%高いとの分析もある[2]。LPGA・USGAが運営する女子育成プログラムは1989年の開始以来、延べ100万人超の少女が参加してきた[2]。
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定着率の課題はどこにあるか
参入者数の伸びに対し、初心者から定着ゴルファーへの転換率には性別で差が残る。
NGFの分析によると、女性は男性に比べて離脱率が高く、初心者から継続的なプレーヤーへの転換率は男性の半分未満にとどまる[3]。オフコース形態の普及は参入障壁を下げた一方、コースでの定着にはウェルカムな環境づくりや、女性向けの用具・レッスン・アパレルの充実が引き続き課題になるとNGFは指摘する[3]。
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日本の女性ゴルファーは増えているのか
日本では、米国のような女性ゴルファーの急増は確認できない。笹川スポーツ財団の推計によると、国内のゴルフ人口(コース・練習場)は2000年の1,332万人から2024年には912万人へと3割超減少し、女性も195万人から159万人へ減った[4]。ただし女性は2018年以降、男性は2020年以降にそれぞれ増加傾向へ転じており、全体に占める女性比率は2000年の約15%から2024年の約17%へ緩やかに上昇している[4]。JGA(日本ゴルフ協会)は「Women’s Golf Now」など女性向け普及施策を進めているが、公表されている参加者数の伸び幅は米国のような二桁台の純増には及ばない[5]。
| 区分 | 2000年 | 2022年 | 2024年 |
|---|---|---|---|
| ゴルフ人口全体 | 1,332万人 | 856万人 | 912万人 |
| 女性ゴルファー | 195万人 | 144万人 | 159万人 |
| 女性比率 | 約15% | 約17% | 約17% |
ビジネス面では、日本の女性需要は「急拡大」ではなく「縮小市場の中での相対的な下支え役」として捉えるのが実態に近い。ゴルファー個人としては、レディース向け企画やレッスンの選択肢は増えているものの、米国ほどの客層変化を体感する場面はまだ限定的とみてよい。
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よくある質問(FAQ)
NGFとはどのような組織か
全米ゴルフ財団(National Golf Foundation)は、米国のゴルフ産業向けに参加人口や市場動向を調査・分析する業界団体である。
女性ゴルファー急増の主因は何か
パンデミック以降に広がったオフコース形態のゴルフ体験と、女子ジュニア層の拡大が主因とNGFは分析している[2][3]。
この傾向は今後も続くのか
NGFは、初心者から定着ゴルファーへの転換率における男女差が残る限り、成長の持続にはコース側の受け入れ環境整備が鍵になるとしている[3]。
まとめ
米国では2020〜2025年の5年間で女性オンコースゴルファーが45%増え、コース人口純増の52%を女性・少女が占めるまでになった。伸び率・純増数のいずれで見ても、業界成長の主役は男性から女性へと移りつつある。ゴルファーとしては、レディースティーやレッスン、ギアの選択肢が今後さらに広がる可能性を意識しておきたい。ビジネス側では、縮小市場の中でも伸びているセグメントを正しく特定し、そこに合わせた商品・サービス設計を進める視点が欠かせない。日本は米国ほどの急拡大局面にはないが、女性比率が緩やかに上昇している方向性は共通している。
出典
[1] The Record Rise of Female Golf, National Golf Foundation, 2026-06 https://www.ngf.org/short-game/the-record-rise-of-female-golf/[2] The number of women golfers is at an all-time high. And these three figures point to even more growth, Golf Digest, 2026 https://www.golfdigest.com/story/women-play-golf-womens-golf-day-national-golf-foundation
[3] Female Golfers Fuel Cultural Shift, National Golf Foundation, 2026 https://www.ngf.org/short-game/female-golfers-fuel-cultural-shift/
[4] データでみる日本のスポーツ:国内のゴルフ人口は912万人・男性732万人・女性159万人, 笹川スポーツ財団, 2026 https://www.ssf.or.jp/thinktank/sports_life/data/golf.html
[5] R&Aゴルフ振興委員会 発行の活動レポートにJGAゴルフ振興推進本部の女性ゴルフ振興「Women’s Golf Now」が掲載, JGA日本ゴルフ協会, 2025-04-24 https://www.jga.or.jp/news/2025_0424_1700/




