組織行動とリーダーシップ Day6|HCLテクノロジーズの「従業員第一、顧客第二」──リーダーは組織の設計者になる

組織行動とリーダーシップ Day6|HCLテクノロジーズの「従業員第一、顧客第二」──リーダーは組織の設計者になる

本記事は「MBAで学んだ組織行動とリーダーシップ」シリーズのDay6です。

この記事でわかること

  • HCLテクノロジーズが2005年に抱えていた課題と、「従業員第一、顧客第二(EFCS)」という戦略の中身
  • 逆ピラミッド組織とバリューゾーン、U&I・SSD・360度評価・トラスト・ペイの4施策のねらい
  • 施策を「相互信頼の風土」につなげる3つの鍵(透明性・力の流動化・エンパワーメント)
  • リンダ・ヒルの「集合天才」と、イノベーションを導くリーダーが両立させる6つの二項対立
  • 逆転のリーダーシップの限界と、ITサービスの運用現場に当てはめたときの問い

「従業員第一、顧客第二」は顧客を後回しにする話なのか

最終回のケースは、インドのIT企業HCLテクノロジーズです。2005年、子会社HCLコムネットを立ち上げて成功させたヴィニート・ナイアーが、創業者シヴ・ナダールの説得を受けてトップに就任しました。従業員は約4万人。それまでの5回より、ずっと大きな組織の変革です。

ナイアーが掲げたのは「従業員第一、顧客第二(Employees First, Customers Second=EFCS)」でした。言葉だけを見ると、顧客を軽く扱うように聞こえます。サービス業で顧客を二番目に置くと宣言する経営者は、普通はいません。

ところがケースを読むと、これは顧客を後回しにする話ではありませんでした。ナイアー自身、従業員第一は無料のランチや無料のバスのことではなく、優先事項を明確にして従業員の能力開発に投資し、潜在能力を発揮させて利益を上げることだと述べています。

Day6の問いは、この逆説が何を意味し、4万人の組織でどう実行されたか。そして、リーダーの役割がどう変わるのか、です。


2005年のHCLと、逆ピラミッド組織という答え

課題は「戦略と組織のずれ」だった

インド・ノイダにあるHCLテクノロジーズのキャンパスの社屋
写真:HCLテクノロジーズのノイダのキャンパス(インド)。撮影 Mohit Agarwal/CC BY-SA 3.0(Wikimedia Commons)

HCLは1970年代に創設され、1980年代にはインドで最も成功したハードウェア会社でした。ところが1990年代以降、ソフトウェアとサービスへの移行で競合に後れを取ります。ナイアーが引き継いだ2005年時点の課題は、講義では次の4つに整理されました。

表に出ていた課題背景
業界5位の低い成長率成長分野への投資不足
離職率30%(業界平均を大きく上回る)やりがいのない事業領域
顧客からの相次ぐ解約セールスとデリバリーの課題
200社以上の顧客から収益の7%という非効率1件ごとのプロジェクトが小さい

ケースによれば、就任初日に取引先2社が契約を解約し、5日目にもう1社が解約しています。

講義ではこれを7Sで分析しました。目指すのは「総合ITサービス」と「価格の透明性」なのに、戦略はハードウェア中心のまま、組織は機能ごとの縦割り、評価は不透明な年功、社風はトップダウンで「負けても気にしない」。あらゆる要素が新しい方向とずれていました。

狙ったのは「次の800社」

ナイアーの戦略は、IBMのような大手が押さえる世界の最大手200社を任せ、その次の800社と大口・長期・複雑な契約を結ぶというものでした。競合が手を出しにくい成功報酬型の契約も用意します。

この戦略を実行するには、優秀でエンゲージメントの高い若手が大勢必要になります。講義では、当時の新入社員であるY世代の特徴として、学習意欲が高い、権威になびかない、出世欲が薄い、コミュニティを重視する、定期的なフィードバックを期待する、といった点が挙げられました。サービス事業は従業員と顧客の接点で価値が決まるのに、HCLにはエンゲージメントの低い社員が多かった。EFCSはここから出てきた戦略です。

バリューゾーンは顧客と従業員の間にある

EFCSの土台にあるのが、リンダ・ヒルが「逆転のリーダーシップ」として整理した逆ピラミッド組織です。

従来のピラミッド組織とHCLの逆ピラミッド組織を左右に並べた図。従来型は経営層が頂点で指示が上から下へ流れる。HCLの逆ピラミッドは顧客が最上部、その下に顧客と従業員の間のバリューゾーンがあり、従業員・サポート部門・経営層の順に下へ並び、経営層とサポート部門が従業員を支援する。SSD、360度評価、U&Iの施策を注記している
図1:従来のピラミッドとHCLの逆ピラミッド

顧客にとって価値が生まれる場所(バリューゾーン)は、会社の中ではなく、顧客と従業員の間にある。だから経営層とサポート部門は、そこにいる従業員を徹底的に支援する側に回る、という考え方です。

4つの施策

ナイアーはこの考え方を、次の施策で組織に組み込みました。

施策内容ねらい
U&I誰でも経営陣に質問でき、質問と回答は全員が閲覧できる不満や批判にも真摯に答え、「経営は声を聞く」「組織の嫌なところを認める」と伝える。管掌部署が自分から改善を始め、経営も現状を把握できた
SSD従業員が間接部門に対してチケットを発行する(月3万件)顧客と従業員の関係を、従業員と間接部門の関係にも当てはめる。KPIは解決速度から、部署ごとのチケット発行件数へ移った
360度評価①結果を公開 ②誰でも評価者になれる ③人事考課ではなく成長支援CEOが自分の結果から開示し、役員やマネジャーが続いた。上司の評価権限を弱め、弱さを開示し受け入れる文化をつくる
トラスト・ペイ変動給の分を含めて全額を支給する(経営幹部・セールスは対象外)「まず信頼する」というメッセージ。競合からの人材獲得にもつながった

トラスト・ペイには補足があります。講義では、HCLは「優しいだけの会社」ではないと強調されました。新しい技術とスキルを取り込むため、ある程度の新陳代謝は残す意向で、マネジャーの仕事ぶりは360度評価で透明にされていました。


施策は新しくない。相互信頼につながる経路をIT現場に当てはめる

3つの鍵と相互信頼の風土

講義のまとめで繰り返されたのは、「逆転のリーダーシップ」の施策そのものに目新しさはない、という指摘でした。質問箱もチケットシステムも360度評価も、多くの会社にあります。違いは、それらが相互信頼の風土につながる経路を持っていたかどうかです。

ナイアーの組織イノベーションのモデルを左から右へ流れる経路で示した図。U&Iと財務情報の公開は透明性、SSDと360度評価は力の流動化、トラスト・ペイはエンパワーメントにつながり、3つが相互信頼の風土を生み、従業員エンゲージメントの向上、イノベーションの常態化へ進む。下段にトップダウンで示したEFCSのビジョンと新施策の立ち上げが土台として置かれている
図2:施策から相互信頼、イノベーションへの経路

ナイアーが相互信頼の鍵と考えたのは、次の4点です。

  1. ビジョン:価値中心主義と「タンビ」(誇りと情熱と結果重視を表すブランド・アイデンティティ)で優先事項を明確にする
  2. さらけだす:U&Iや財務情報の公開で、経営の透明性を高める
  3. 力の流動化:SSDと360度評価で、旧来のアカウンタビリティを逆転させる
  4. エンパワーメントの加速:トラスト・ペイで、現場のジュニアエンジニアを信じて任せる

ここで押さえておきたいのは、これが単なるボトムアップではないことです。EFCSのビジョン、組織と施策の立ち上げ、トップ自身によるコミュニケーションは、強いトップダウンで進められました。ケースでは、ナイアーは85人いた直属の部下を12人に減らし、組織を5つの事業部門に再編しています。トップが大きな方向性を決め、多くの従業員が自発的に価値を出す「場」をつくる。講義ではこれを「強力なトップダウンと強力なボトムアップの融合」と呼んでいました。

ITサービスの運用現場に当てはめると

ITサービスの運用や常駐のチームを率い、顧客企業とのあいだに立つマネージャーの立場に置き換えると、4つの施策はそれぞれ確かめる問いになります。

  • バリューゾーン:常駐先で毎日顧客と接しているのはメンバーで、マネージャーではありません。バリューゾーンはメンバーと顧客の間にあります。そう置くと、「今週、自分の時間のうちメンバーの困りごとを取り除くために使ったのはどれだけか」を確かめる問いになります
  • SSD:メンバーが自社の間接部門に出す依頼(アカウント申請、勤怠、経費、研修の手配など)は、顧客から見えないところで時間を取ります。SSDのKPIが解決速度から発行件数に移ったのは、そもそも依頼が要らない状態を目指したからです。現場からの依頼を「早く処理できているか」だけでなく、「なぜ依頼が発生しているか」まで確かめる視点になります
  • U&I:個別に受けた質問に個別に答えて終わると、同じ疑問を持つ他のメンバーには届きません。質問と回答を全員が閲覧できる形にしているかは、チーム規模でも確かめられます
  • 360度評価:講義では「360度評価を提案したら、どのような反論がくるか」という問いが出ました。HCLでは、昇給の発表直後だったこともあり、ナイアーは育成のためで人事考課ではないと強調し、自分の評価を先に公開しています。評価への不安に先回りして答え、自分から先にさらす、という順番が鍵でした
  • トラスト・ペイ:報酬制度は現場のマネージャーが変えられるものではありません。それでも「条件を満たしたら信頼する」を「先に信頼して任せる」に切り替える考え方は、作業の承認手順や報告の頻度を見直す場面に当てはめられます

振り返り課題に書いたHCLの学び

提出物に書いていたこと

Day6の最後に、全6回の振り返り課題を提出しました。全体の振り返りはまとめ記事に書いたので、ここではHCLとナイアーに触れた部分に絞ります。

「学びを深めるための方向性」として挙げた4つのうち、2つがHCLに関わるものでした。

ディズニーやHCLの事例から、強力なチームと従業員のエンゲージメントが極めて重要であることがわかったため、チーム内のコミュニケーションを強化し、メンバーの意見を尊重する文化を育てていく。

ナイアーの例のように、組織変革の必要性を理解し、積極的に変革を推進することが重要である。革新的なアイデアを奨励し、組織の成長につなげる努力を継続する。

学びの整理の部分には、全ての成功例に共通する要素は「コミュニケーション」であり、組織内で人を動かすには対話を重ね、透明性を持たせ、オープンな姿勢を保つことが必要だ、とも書いていました。

Day6振り返り課題でHCLとナイアーに触れた3つの方向性と、HCLで対応していた仕組み、自分の立場で確かめることを3列で並べた表形式の図。コミュニケーションと意見の尊重はU&Iに、組織変革の推進は鏡よ鏡・若き精鋭チーム・ブループリント会議・ダイレクションズに、透明なコミュニケーションによる信頼は公開型360度評価に対応する
図3:振り返り課題に書いた方向性と、HCLの仕組み

読み返して気付いたこと

いま読み返すと、書いてあるのは方向性で、それをどの仕組みで実現するかは書いていません。「メンバーの意見を尊重する文化を育てていく」と書きましたが、HCLではそれがU&Iという仕組みになっていました。質問と回答が全員に見え、批判にも経営陣が答え、管掌部署が自分から改善を始める。尊重しているかどうかが、誰の目にも分かる形になっていたわけです。

2つ目の「変革を推進する」も同じです。ケースと講義を並べると、ナイアーの進め方はコッターの8段階にそのまま重なっていました。

コッターの段階HCLでの取り組み
1. 危機意識を高める「鏡よ鏡」:25年順調だったHCLがこの5年はそうではない、という姿を従業員に映して見せた
2. 変革推進チームをつくる30歳未満の「若き精鋭」チーム
3. ビジョンと戦略をつくる従業員第一、顧客第二
4. ビジョンを周知するブループリント会議、ダイレクションズ(首脳陣が各事務所に出向く対話集会)
5. 従業員の自発を促す逆ピラミッド組織
6. 短期的な成果を出す大型案件の獲得、業績向上
7. さらに変革を進める17のイニシアティブ
8. 文化に定着させる定着

ケースの場面を自分の立場に置き換えるなら、ブループリント会議が当てはまります。上位100人のマネジャーが集まり、大胆な戦略と透明性・価値中心主義・EFCSという指針に全員が熱意を見せました。ところが翌日、ナイアーが戦略の「実行」と「変革」について話そうとした途端、マネジャーたちの顔色が変わった。多くの幹部は、自分たちがこの戦略を実行できるとは信じていなかったのです。

振り返り課題の「積極的に変革を推進する」は、推進する側の姿勢についての記述です。この場面に置き換えると、確かめるべきは推進する側の熱意より、周りが「実行できる」と信じているかどうかになります。

もう1つ、学びの整理には「素晴らしい組織は元々素晴らしいのではなく、自社で改善に努めた結果素晴らしい組織になっている」とも書いていました。例に挙げたのはキリンビール、ディズニー・アニメーション、ユニリーバでしたが、HCLも同じでした。講義の最後に紹介された「その後」では、マネジャーの事業プランを他の8,000人のマネジャーが評価する仕組み、360度評価に改善の提案を書けるようにしたフィードフォワード、個人の情熱や価値観を診断するサーベイと、運営方法を変え続けています。EFCSは完成形ではなく、変え続ける前提の仕組みでした。


集合天才と二項対立、そして逆転のリーダーシップの限界

リーダーは「組織の設計者」になる

ナイアーのリーダーシップは、一般に思い浮かべるリーダー像と違います。ビジョンは掲げましたが、それが自分の第一の役割だとは考えていませんでした。本人の言葉では、自社の価値を高めるイノベーションが生まれやすい環境を築く「組織の設計者」であることが役割です。

リーダーはあらゆる質問に答えようとしたり、あらゆる問題に解決策を示したりしようとする気持ちを抑えなくてはなりません。むしろ、自分のほうから尋ねるべきです。

これを理論にしたのが、リンダ・ヒルの「集合天才(Collective Genius)」です。創造的なグループは、メンバー一人ひとりの「天才の一片」を引き出し、1つにまとめている。リーダーの仕事は、舞台の上で活躍することではなく、舞台をどう設定するかにあります。

段階中身
舞台の設定①目的:何をするかではなく、メンバーは誰か、なぜ存在するかを明確にする ②価値の共有:大胆な野心、共同体への責任、協働、学習 ③取り組みのルール:交流の仕方と考え方
3つのケイパビリティ創造的摩擦:対話や議論からアイデアを生む/創造的敏捷性:素早く試し、見直し、調整する/創造的決断:異なる、ときに正反対のアイデアを組み合わせて統合する

講義では参考例として、ホンダのワイガヤ(3日間で個のぶつかり合いから相互理解、そこから創造へ進む)と、Googleで2つのチームに別々の案を追求させ、データで判定したうえで負けた側のメンバーも開発に合流させた例が紹介されました。摩擦を広げ、ルールで判定し、最後に統合する流れです。

6つの二項対立を両立させる

集合天才を実行するうえで難しいのが、二項対立の扱いです。

イノベーションを導くリーダーが両立させる6つの二項対立を、左右の端と中央の点で示した図。個人の肯定とグループの肯定、支援と対決、実験・学習の促進と業績、即興の奨励と制度、忍耐と切迫感、ボトムアップの奨励とトップダウンの介入。左側に偏るとアイデアが解決策にまとまらず対立と混乱に支配され、右側に偏るとメンバーの天才の一片を引き出せない
図4:イノベーションにおける6つの二項対立

左側に偏るリーダーは、試すべきアイデアや選択肢をたくさん得られますが、それを解決策に変えられず、チームは対立と混乱に支配されます。右側に偏るリーダーは、メンバーの「天才」を引き出せず、使えるアイデアがほとんど出てきません。どちらかを選ぶのではなく、たえず高い水準で両立させることが求められます。

HCLに当てはめると、最後の「ボトムアップの奨励とトップダウンの介入」が、先に書いたトップダウンとボトムアップの融合そのものでした。講義のまとめでも、逆転のリーダーシップを実行する壁として、二項対立の両立、3つのケイパビリティ、そして「リーダーのコントロール願望を手放す」ことが挙げられています。

万能ではない

講義では、逆転のリーダーシップのリスクも整理されました。

  • EFCSを強力に推進した結果、ナイアーのトップダウンのスタイルに依存し、後継者が育たない
  • EFCSが定着すると、経営のコントロールが現場まで届きにくくなる
  • インド市場が成長していたから余裕があった可能性がある。環境の激変や成長の鈍化に耐えられるか、日本にそのまま持ち込んで成功するかは分からない

講義では、ナイアーの在任期間(2005〜13年)に収益が約6倍になったことも紹介されました。それでも、成果が出た条件を切り離して手法だけを持ち込むと、同じ結果にはならない。Day6は、この留保を付けて締めくくられました。


まとめ

  • HCLの課題は、総合ITサービスという新しい方向に対して、戦略・組織・評価・社風がずれていたことだった
  • 「従業員第一、顧客第二」は顧客軽視ではない。価値が生まれるのは顧客と従業員の間(バリューゾーン)で、経営とサポート部門はそこにいる従業員を支援する
  • U&I・SSD・360度評価・トラスト・ペイは、透明性・力の流動化・エンパワーメントを通じて相互信頼の風土につながっていた。施策そのものは新しくない
  • リーダーはビジョンを掲げるだけでなく、イノベーションが生まれる舞台を設定する「組織の設計者」になる。そのために6つの二項対立を両立させる
  • 振り返り課題に書いた方向性は、HCLでは仕組みになっていた。逆転のリーダーシップは万能ではなく、成長市場という条件や後継者の問題を意識して使う

講義では、「信頼の基盤は行動」という言葉と、レイ・ダリオが社員に向けた問いも紹介されました。「自分がどのくらい優れているか」と「どのくらい速いペースで学習しているか」、どちらをより心配しているか。運営方法を変え続けたHCLの姿は、後者の問いに対する1つの答えになっていると考えています。


よくある質問(FAQ)

Q1. 「従業員第一、顧客第二」は、顧客対応を後回しにするという意味ですか?
違います。サービス事業では、従業員と顧客の接点で価値が決まります。ナイアーは、従業員第一は無料のランチやバスのことではなく、優先事項を明確にして能力開発に投資し、従業員の力を発揮させて利益を上げることだと説明しています。

Q2. SSDとはどんな仕組みですか?
ヘルプデスクに似たチケット型のオンラインシステムです。従業員が人事・財務・IT・研修などの間接部門に対して問題を登録し、対応の経過を追えます。チケットを閉じられるのは発行した本人だけでした。月3万件が発行され、KPIは解決速度から部署ごとの発行件数へ移りました。

Q3. 360度評価の結果を公開すると、評価される側の負担が大きくなりませんか?
ケースでも、公開された幹部からは「辛い経験だった」という声が出ています。HCLは、人事考課ではなく成長支援のための評価だと位置づけ、CEOが自分の結果から先に公開しました。その後、改善や強みについての提案を書けるフィードフォワードへ発展させています。

Q4. 逆転のリーダーシップは日本の組織でも通用しますか?
講義でもリスクとして挙げられた論点です。インド市場の成長が支えになっていた可能性、トップへの依存で後継者が育ちにくいこと、定着すると経営のコントロールが現場に届きにくくなることがあります。手法をそのまま持ち込むのではなく、条件を確かめたうえで要素を選ぶ使い方が現実的です。


参考書籍


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