【MBA体験記】Pythonで挫折した私が、ノーコードツールでAI予測モデルを作って「熱狂」するまで

2025年、ビジネススクール(MBA)で受講した中で、「最も学びが深く、最も楽しかった」クラスについて書きたいと思います。

科目は「AI & データサイエンス」。

正直に告白すると、私はこれまで「AIはなんとなく分かったつもり」になっていました。さらに言えば、過去にプログラミング学習で少し苦い思いをしたこともあり、「自分にはハードルが高い」と心のどこかで線を引いていたのです。

しかし、このクラスを通じて、その認識は180度覆りました。
「データがあれば、未来は計算できる」
その事実に感動し、夢中で手を動かした数ヶ月間の記録と、私を救ってくれた「あるツール」についてお話しします。

なぜ「Python」では腹落ちしなかったのか?

東大GCI講座での挫折経験

実は今年度、東大のグローバル消費インテリジェンス寄付講座(GCI)にも再チャレンジしています。昨年度は完了できず、悔しい思いをしました。

🎓
東大GCI(グローバル消費インテリジェンス寄付講座)とは?

東京大学工学系研究科に設置された、データサイエンス教育プログラムです。
Pythonの基礎から機械学習、深層学習までを体系的に学べる講座として、学生・社会人を問わず非常に人気があります。

  • 特徴:実践的なデータ分析スキルの習得を重視
  • 難易度:初心者も歓迎だが、完走には高い学習意欲が必要


公式サイトを見る

その原因は、最初の壁である「Python学習」でした。

コマンド1つ1つは説明を読めばわかるのですが、「ライブラリ」がなんなのかピンとこない。
「Numpy」「Pandas」って何のためにやるんだろうか、、
「これを覚えることに何の意味があるの?」
「業務のどこで使うの?」

目的(データ分析)に辿り着く前に、手段(コーディング)の複雑さに溺れてしまい、学習が無機質で無意味なものに感じられてしまったのです。

救世主分析ツールとの出会い

プログラミング不要で「データサイエンティスト」の視点を持つ

そんな私が今回のMBAクラスで出会ったのが、機械学習を行い分析を行ってくれるノーコードツールでした。

これは、複雑なコードを書くことなく、マウス操作だけで高度なデータ分析やAIモデル構築ができるツールです(UIが直感的で、Excelの延長で使えるのに機能は本格的!)。

これを使った瞬間、これまでバラバラだった知識が繋がり始めました。
「あ、あのPythonのコードは、このグラフを描くためのものだったのか!」
手段と目的が初めて結びついた瞬間です。実際に手を動かしながらデータを操作することで、以前は挫折したライブラリの意味まで立体的に理解できるようになりました。

実際に「予測モデル」を作って震えた話

「起きるか起きないか」を計算する

クラスの前半では、AIの基本である「予測モデル」を作成しました。
実際にやったことは主に2つ。

  • 1. 分類(Classification):物事が「起きる」か「起きない」かを分ける
  • 2. 確率計算:それが「どのくらいの確率で」起こるかを計算する

自分の手元のデータを流し込み、実行ボタンを押すだけ。それだけで、「この顧客は成約する確率が80%」といった予測が弾き出されます。

「データさえあれば、予測の仕組みは自分で作れるんだ」
この事実に、シンプルに感動しました。名物レポート課題では、この感動をぶつけ、高得点をいただくことができました。

AI Demo Day:生成AIで自分だけのアプリ開発

「Sora2」から「Dify」まで。最新ツールを浴びるように使う

クラスの後半は、生成AIの活用です。最後は「AI Demo Day」として、自作のAIアプリを発表しました。

ここで強烈に印象に残った、先生からの言葉をいただきました。授業内容にかかわると思うのでここでは明記しませんが、自分の考えを変えるきっかけになりました。
これまでの私は、「新しいツールは標準化されてから使えばいい(リリース直後はバグも多いし非効率)」というスタンスでした。しかし、進化の速いAIの世界では、それでは遅いのです。

  • Sora2
  • Comet
  • Suno
  • Dify
  • VisionAgent
  • Supabase

今まで聞いたこともなかったサービスを、とにかく片っ端から触ってみる。皆が作ったアプリに刺激を受け、自分でも見よう見まねで作ってみる。
「まず作ってみる」「動かして理解する」。この姿勢が身についたことは、このクラスで得た最大の資産の一つかもしれません。

大量のデータ処理には「環境」も大事

今回、複数のツールを同時に立ち上げて作業するため、デスクトップ環境も見直しました。「形から入る」のもモチベーション維持には重要です(笑)。

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50代の「食わず嫌い」が治った後の変化

職場での「AI研修」が物足りなくなる現象

受講後、自分の中で明らかに「基準」が変わりました。
ちょうど同時期に、職場で管理職向けのAI研修があったのですが、正直なところ「もっと深い話ができるのに…」と感じてしまうほど、予測AIの活用法やモデルへの理解が深まっていました。

組織を変えるための次のステップ

今は、この学びを自分だけで終わらせず、組織にどう還元するかを考えています。

  1. 業務基盤の刷新:勘と経験に頼る業務を、データに基づく予測モデルへ。
  2. 仲間づくり:一人では限界がある。共通言語(AIリテラシー)を持つ仲間を増やす。

「50代だから」「文系だから」と食わず嫌いをしていたかつての私に言いたいです。
「AIは、触ってみたもん勝ちだし、めちゃくちゃ楽しいよ」と。

AI・データサイエンスを「仕事」に繋げるためのおすすめ4選

ツールを使うだけでなく、「どうビジネスに実装するか」「AIの本質とは何か」を深く理解するために役立つ書籍を紹介します。MBAのクラスや実務での気づきを補完してくれる良書たちです。

仕事ではじめる機械学習

「作ったモデルをどうシステムに組み込むか?」
モデル作成後の「運用」や「システム設計」に焦点を当てた一冊です。AIを単なる実験で終わらせず、実際のビジネスフローに実装したい実務家にとってのバイブル。エンジニアとの共通言語を持ちたいPMやコンサルタントにもおすすめです。

いちばんやさしい機械学習プロジェクトの教本

「AIプロジェクトのマネジメント」に特化
技術的な数式よりも、「企画」「要件定義」「評価指標の設定」など、ビジネスサイドが知っておくべきプロジェクトの進め方が網羅されています。私たちのようなコンサルタントや管理職が、最初に手に取るべき実用書です。

データサイエンティスト養成読本 機械学習入門編

業界の全体像を俯瞰するムック本
多数の現役データサイエンティストが執筆しており、手法のカタログとしても有用です。「機械学習で何ができるのか」を広く浅く把握したり、辞書的に手元に置いておいたりするのに便利。東大GCIのような講座の副読本としても役立ちます。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

「AIは何ができて、何ができないのか」
ベストセラーですが、AIを学んだ後に読み返すと深く刺さります。AIは計算機であり、意味を理解しているわけではない。だからこそ人間には「読解力」が必要になる。AI時代の教育や人間の役割について、深く考えさせられる教養書です。

まとめ

もし、ビジネススクールやデータサイエンスの学習を迷っている方がいれば、ぜひ一歩踏み出してみてください。特に「プログラミングで挫折した経験」がある方こそ、最新のノーコードツールに触れてみてほしいです。

世界が、変わって見えますよ。

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