50代女性ゴルファーのクラブセッティング、「結局なにが正解なの?」と思ったことはありませんか。
ネットで調べると「おすすめはこれ!」という記事ばかり出てきますが、実際のコースや競技会場を見てみると、びっくりするほど人それぞれです。
この記事では、ホームコースの研修会や月例競技、各種競技に出てきた中で実際に見聞きしたクラブセッティングの”リアル”をお伝えします。「おすすめ」ではなく「実態」として読んでいただけたらうれしいです。
ゼクシオが圧倒的に多い、という現実
50代女性ゴルファーのバッグを覗くと、やっぱりゼクシオ(XXIO)が圧倒的に多いです。競技会場でも、研修会でも、練習場でも。
選ばれる理由はシンプルで、力がなくても飛ばせる設計になっていること。ヘッドの重心位置やシャフトの軽さが絶妙で、振りやすさと飛距離のバランスが多くの女性ゴルファーに合っているのだと思います。
面白いのは、男性と比べて買い替えサイクルが長い傾向があること。「ゼクシオの○代目からずっと使ってます」という方は少なくありません。男性ゴルファーは新モデルが出るたびに試打に行く方も多いですが、女性の場合は「今のクラブで困っていないから」と、何世代もそのまま使い続けるパターンがよく見られます。逆に言えば、ゼクシオは世代が変わっても大きな失敗が少ないクラブとも言えます。
ちなみに、ゼクシオのフレックス表記は他社と感覚が少し違います。ゼクシオのAシャフトは他社のLに近い柔らかさに感じる方が多いので、他社から乗り換える場合はフレックス選びに注意が必要です。「前のクラブがAだったから」とそのままAを選ぶと、思ったより柔らかくてタイミングが合わないということが起こり得ます。
もちろん、ゼクシオだけが選択肢ではありません。テーラーメイドやキャロウェイ、PINGなど、レディースモデルに力を入れているメーカーは増えています。ただ、「迷ったらゼクシオ」というのは、50代女性ゴルファーの世界では今も変わらない現実です。
スコア帯別に見るクラブ構成の実態
同じ50代女性でも、スコアによってバッグの中身はかなり違います。ここでは、実際に見てきた構成をスコア帯別に紹介します。
初心者〜スコア100以上
今のレディースアイアンセットは、最初から7番アイアンまでしか入っていないのが主流です。6番はセットにあっても最初は使わない・使えないのが普通。
クラブ構成はシンプルで、ハイブリッド(UT)が2本前後入っているのが基本形です。具体的には、ドライバー、フェアウェイウッド(3Wか5W)、UT2本、7番〜PW・SW、パターという構成が多いです。本数にすると10〜11本程度。14本フルに入れている初心者はほとんどいません。
この段階では、クラブの種類を増やすよりも今あるクラブを確実に打てるようにするほうが大事です。使いこなせないクラブがバッグに入っていても、コースで迷うだけですから。
これからゴルフを始める方や、買い替えを考えている方には、大手メーカーのレディースクラブセットが安心です。ドライバーからパターまで一通り揃っていて、バッグ付きのものも多いので、最初の1セットとしてはコスパも良い選択です。
もう少しこだわりたい方には、PINGのG Le3シリーズも選択肢に入ります。フィッティング文化が根付いているブランドで、自分に合ったスペックを細かく選べるのが魅力です。
スコア90〜100台(中級者)
上達してくると「6番アイアンに挑戦できるかな」と考え始める時期です。実際に打ってみて、ちゃんと上がる・距離が出るなら加える。難しければ、U6やU5を足してカバーするという選択をする方が多いです。
このあたりから、レディースクラブでは軽すぎ・柔らかすぎを感じ始める方も出てきます。スイングが安定してきてヘッドスピードが上がると、シャフトが負けてしまう感覚が出るんです。「もう少ししっかりしたクラブが欲しい」と思い始めたら、それは上達のサインでもあります。
さらに上達して90を切り始めると、フェアウェイウッドも5Wに加えて7Wや9Wを入れる方が増えてきます。UTとFWの組み合わせで120〜150ヤードの距離を打ち分けたいという意識が芽生えてくる段階です。
スコア80台〜競技層
競技に出るような方のバッグを見ると、U7・U8まで入っているケースが競技会場ではかなり多く見られます。アイアンは8番や9番からで、それより上の番手はすべてUTという構成も珍しくありません。
「シングル=アイアンを使いこなす」というイメージがあるかもしれませんが、実態は全然違います。アイアン5番から入れている方はかなりの少数派です。
プロの世界でも青木瀬令奈選手がUT多用のセッティングで活躍していて、それを見て「プロでもUTでいいんだ」と追随した競技シニア女性は多いと感じます。UTのほうがボールが上がりやすく、ミスヒットにも強い。見栄を張ってアイアンを入れるより、スコアにつながるクラブを選ぶのが競技層の合理的な判断です。
競技に出る女性こそゼクシオ、というのは意外に思われるかもしれませんが事実です。「競技=上級者向けブランド」ではなく、自分のスイングに合ったクラブでスコアを出すのが競技の現場です。
ただし、競技層になるとレディースモデルではなくメンズのRシャフトを使う方も多く見られます。レディースでは軽すぎ・柔らかすぎでタイミングが合わなくなった方が、メンズのRに移行するパターンです。特にキャロウェイのメンズRは競技女性に人気があります。ゼクシオもレディースからメンズに移行しやすいブランドで、打感や振り心地がそのままなので違和感が少ないのがメリットです。
UTとアイアンの関係 ── 「始めた時期」で出発点が違う
「ロングアイアンからUTに移行する」という話をよく聞きますが、これは昔からゴルフをやっている人に限った話です。
以前のアイアンセットには5番・6番が含まれていました。セットとして売られていたので、昔始めた方は当然それを持っています。年齢を重ねて打ちにくくなったからUTに替える、という流れは確かにあります。
一方、最近始めた方はそもそもUTがデフォルトです。7番(または6番)からのアイアンセットでスタートして、最初からUTが2〜3本バッグに入っている。上達してきたら6番アイアンに挑戦するか、さらにU6・U5を足すかを考える。出発点も進む方向も逆なんです。
この違いを理解しておくと、ゴルフ仲間との会話でも「あの人はなんでアイアン5番を持っているんだろう」「なんでUT4本も入れてるんだろう」という疑問が解消されます。どちらが正しいという話ではなく、ゴルフを始めた時期でバッグの成り立ちが違うだけです。
いつ始めたかでバッグの出発点がまるで違うので、「UTに移行すべき」「アイアンを使うべき」という一般論はあまり意味がありません。自分のスイングと相談して、コースで結果が出るほうを選ぶのが一番です。
シャフト選びの実態
フレックスはHSだけでは決まらない
「ヘッドスピードが○○だからAシャフト」という話をよく見かけますが、HSだけでフレックスを決めるのは粗すぎます。
スイングのテンポ、切り返しのタイミング、シャフトのしなりを使う打ち方かどうかで、合うフレックスは変わります。HSが同じでもAが合う人もいればLで十分な人もいる。しかもフレックスに業界統一規格はなく、メーカーによってバラバラです。ゼクシオのRとキャロウェイのR、テーラーメイドのRは、それぞれ硬さが違います。
「ネットで調べたらAが合うはず」と決め打ちで買うのはリスクがあります。できれば試打をして、弾道と打感を確認してから選ぶのが安心です。
競技上位層のシャフト事情
SやSRシャフトを使っている方は、体の大きい方に偏っている印象です。身長165cm以上でスイングもしっかりしている方に多い。普通〜小柄な方は「いろいろ工夫している」というのが正直な実態で、AとRを番手によって使い分けたり、ドライバーだけRで残りはAにしたりと、人それぞれです。
「競技に出るならせめてSR」という声を聞くこともありますが、実際はそうとも限りません。自分に合ったフレックスで振り切れるクラブが一番スコアにつながります。
アイアン・ウェッジの軽量スチールという選択肢
アイアンやウェッジのシャフト選びで、意外と知られていないのが軽量スチールの存在です。N.S.PRO ZELOS 7だけでなく、ZELOS 6シリーズも多く使われています。
カーボンシャフトの軽さと打ちやすさは魅力ですが、アイアンやウェッジでは「打感がぼやける」「方向性が安定しない」と感じる方もいます。かといって通常のスチールでは重くて振り切れない。軽量スチールはまさにその中間を埋める選択肢です。
特にウェッジはアプローチの距離感や打感が重要なので、ドライバーやFWはカーボンでもウェッジだけ軽量スチールにしている方もいます。非力だけどスチールの打感や方向安定性が好きという方は、カーボンかスチールかの二択ではなく、軽量スチールという第三の道があることを知っておくと、クラブ選びの幅が広がります。
季節での使い分け
冬場は体が動きにくくなるので、季節でシャフトを使い分けるという方もいます。たとえば夏はRシャフト、冬はAシャフトに替えるといった具合です。
冬は厚着で可動域が狭くなり、気温が低いとボールも飛びにくい。そんな状況で夏と同じクラブを振ると、力んでスイングが崩れがちです。冬は少し柔らかめのシャフトに替えて楽に振るという判断は、こだわりというより合理的な選択だと思います。
フィッティングは有効、でも質にばらつきがある
フィッティングを受けること自体は有効です。自分のスイングデータを客観的に見られる機会はなかなかないですから。ただ、質のばらつきがあるのも事実です。
試打室で体が温まった状態で何球も振って「こっちが飛びますよ」と言われても、ラウンドでは1球しか打てません。疲れた後半でも、傾斜でも、プレッシャー下でも同じように振れるかどうかが本来の基準です。
中には、長くて硬めのクラブを何度も振らせて「ほら飛ぶでしょ」というフィッターもいます。試打室で気持ちよく飛ぶクラブと、コースで安定して使えるクラブは必ずしも同じではありません。
また、フィッティングの結果をそのまま鵜呑みにするのではなく、実際にコースで2〜3ラウンド使ってみてからの判断も大切です。試打室の10球と、コースでの1ラウンド分のショット数では、体にかかる負担が全然違います。
フィッティングは「最適解を教えてもらう場」ではなく、「選択肢を絞る参考にする場」くらいに考えておくと、過度な期待を持たずに済むと思います。
ボール選びにも実態がある
クラブにばかり目が行きがちですが、ボール選びもスコアや好みで全然違います。しかもボールは消耗品。クラブと違って気軽に試せるので、まだいろいろ試していない方はぜひ何種類か打ち比べてみてください。
競技層に多いボール
競技に出ている50代女性のボールを見ると、ブリヂストンが多いのが特徴的です。
飛距離重視の方はTOUR B JGR。飛び系ボールの定番で、「クラブは変えたくないけど、もう少し飛ばしたい」という方が最初に試すボールとしても人気です。
スピン性能とコントロールを求める競技志向の方にはTOUR B XやTOUR B XSが多い印象です。TOUR B Xは風に強い中弾道が出やすく、TOUR B XSはソフトな打感でグリーン周りのスピン性能が高い。どちらを選ぶかはプレースタイル次第ですが、ブリヂストンのTOUR Bシリーズでこの3種(JGR・X・XS)を使い分けている方が競技会場では多く見られます。
タイトリスト PRO V1も根強い人気。コース全体でのトータルバランスを求める方に選ばれていて、値段は高めですが「ボールだけはPRO V1」という方は競技層には少なくありません。
初心者〜中級者向けのボール
始めたばかりの方や100切りを目指す層は、いわゆるレディースボールを使っている方が多いです。ゼクシオのボールはピンクやパステルカラーがあって、視認性が良いのでコースで見つけやすいというメリットもあります。ラフに入ったときに目立つ色は、初心者にとっては思った以上にありがたい要素です。
もう少し飛距離を求めるならゼクシオ リバウンドドライブも人気です。ゼクシオクラブとの相性が良い設計になっていて、クラブもボールもゼクシオで揃えているという方は少なくありません。
ボール選びのコツは、飛距離とアプローチの打感のバランスで決めること。飛ぶボールはグリーン周りでスピンがかかりにくく、スピン系ボールは飛距離が少し落ちる傾向があります。自分のゴルフで何を優先するかで、合うボールは変わってきます。
まとめ ── 正解はない、だから面白い
50代女性ゴルファーのクラブセッティングに「これが正解」はありません。
- ゼクシオが多いのは事実だけど、それだけが選択肢ではない
- スコア帯やゴルフを始めた時期で、バッグの中身はまるで違う
- シャフトのフレックスはHSだけでは決まらない
- UTを多く入れることは恥ずかしいことではなく、合理的な判断
- ボール選びもクラブと同じくらい大事
結局は練習と研究の繰り返しです。自分のスイングを知り、コースで試し、また考える。クラブは道具。道具選びに正解がないからこそ、ゴルフは奥深くて面白いのだと思います。
この記事が、あなたのクラブセッティングを見直すきっかけになればうれしいです。
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