『眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法』は、タイトルだけ読むと睡眠についての本で、気持ちよくぐっすり眠るための解説がされているのだろうと思っていましたが、良い意味で期待を裏切られました。
ビジネスパーソンを主な読み手に設定して書かれていますが、全ての大人に有用な内容でもあり、学校教育の一部にしても良いと思えるほどの内容でした。
スマホ・SNSで生活が変わり、且つ、この2年はコロナ禍で更にこれまでとは違った生活を送っていますが、この本には、まさに現在送っているこの生活下において、起きている時間にパフォーマンスを高く発揮し、適度なストレスのもと、心・身体の病気にならずに人生を過ごすために必要なことがまとめられている一冊です。
『眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法』の著者 田中奏多さんは女性
読み終わってお名前を検索するまで、著者田中奏多さんが女性とは気づきませんでした。調理師になるか医師になるかを悩んで医師になったという、調理師免許も持つ異色の医師です。写真や経歴の情報が少ないことから、結構お若い方と思われます。本書以外の著作情報はありませんでした。
『眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法』のおすすめポイント3選
眠るためだけではなく起きている時の人生を良くする
よく寝るための、寝具など環境の解説や、食べ物・食べる時間の解説など単純な内容なのだろうと思っていました。
しかし実際には、全くそんなミクロな観点ではなく、睡眠の質が生活や人生、健康にもたらす影響をとても論理的・医学的に解説しており、何よりも目的は良い人生を送ることとして書かれているというところが、わざわざお金を出してこの本を買う意味があるのだろうと理解できました。
コロナ時代の生活様式で出てくる現象を解説している
うつ病やその要因、睡眠との関係について述べていますが、最近多い「コロナうつ」が何なのかについても書かれています。「うつ」の自覚はなくとも、コロナが始まってから以前よりも活用的ではないと思う人が、いったいなぜそうなってしまったのか?どう変えるのが良いのか?を理解することができ、大変有用な内容でした。
良い睡眠のための「脳の使い方」に言及している
前述の通り、寝るための技術的なことといえば寝具や食事時間が主に言われることですが、この本では「考え方・脳の使い方」というあまり語られない部分について書かれているのが良かったです。ビジネスパーソンでデスクワークをしている人も、家事が仕事である人も、少なくとも自分自身で仕事時間・休憩時間を決めたり、仕事のやり方を工夫することができる人にとっては、複数やらないといけないことがあったらどう片付けるか?休憩はどういうタイミングで取るか?脳を疲れさせないため何をするか?など、取り入れられることが多数書かれていたのが特徴的でした。
『眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法』を読んで私的考察
本筋ではありませんが、恐らくブログ記事や雑誌連載の寄せ集めではなく、一冊出版するためにしっかり書かれたものなのではないか?と思いました。寄せ集め系のノウハウ本は、全体的にまとまりがなく序盤に面白い部分が固まっている本が多いですが、本書は最初の解説から具体的なやり方、そして最後の締めの「最高の1日」まで、考え抜かれた構成になっていると思います。
この「最高の1日」では、本書で書かれていることを実行した具体的な1日の生活のタイムスケジュールが書かれています。忙しい人ならばこの最後の数ページだけを読んでもやるべきことは理解できるかもしれません。
ここまでお読みくださり、どうもありがとうございました。
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