『テレビは見てはいけない 脱・奴隷の生き方』は、2009年に書かれた本。
2009年といえば、前年2008年にリーマンショックがあった翌年。
アイドルの薬物逮捕やスキャンダルがあったり、芸能人の電撃結婚など、ニュースを見るためにテレビを見ていました。ネットニュースは見れていましたが基本はテキストだったので、映像を見るため、情報を入手するために、ネットは副次的なツールで、メインの手段としてはテレビを見ていた記憶があります。
iPhone3G, 3GSが販売されたのも2009年。Twitterのユーザーが急増して名前が知れ渡ったのも2009年でした。当時は誰もがiPhoneを買ったわけではなかったので、ガラケーがメインで、スマホが広がりだした2009年でした。
そんな2009年に出版された本書ですが、その後の日本の10年間をピタリと言い表しているエッセイ集となっています。
『テレビは見てはいけない』の著者 苫米地英人さんについて
有名高校・大学を出たあと、名だたる大企業へ就職するも、国内外の大学での研究、当時新しかったIT企業重役や研究所長、官公庁の研究委員を勤めるなど、産官学共に活躍してきた天才苫米地さん。
現在はYouTubeチャンネルもお持ちなので、その天才ぶりはいつでも誰でも見ることができます。
喋りや風貌が独特で圧倒され、怪しい??と思ってしまいますが、脳機能学者としての実績も本物であり、元オウム真理教信者や芸能人の洗脳を解いた、見た目の独特さを遥かに超えるすごい人です。
『テレビは見てはいけない』のおすすめポイント3選
本の中身のポイントを言い表している紹介はこちら。
「空気を読め」と画一的な価値観を強制してくる最強の洗脳装置を前に、知らぬ間に自分の心が書き換えられる原理とは。
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先見性
2009年という、なんだか日本でも新しいITツールが広がってきたタイミング。その当時は明確に気づいていなかったかもしれませんが、テレビが終焉のメディアになりつつあることを明確に買いています。
経営やスポンサー・編集の役割構造による危険性、市場の閉塞性など、、。
2021年の今、テレビはネットニュースのまとめやYouTubeでの流行を流す役割かのようになってしまいました。
苫米地氏の述べている内容は残念ながらテレビ業界の上の方には届いていないのかもしれません。
敵の成功を願うべき心理
ゴルファーとしては嬉しいタイガーウッズのエピソードがあります。
ゴルフに限らず個人スポーツをしていると、正直に言うと、仲間の好成績を素直に喜べない時があります。マラソンのベストタイム更新についても同じかもしれません。
高い自己イメージが自分の快適な状態とするべきこと、その考え方はどこからきているのか・使われているのかなど、自分自身の成長のために有用な考え方の紹介があるため、チームスポーツやチームでの仕事以外の、個人での活動がメインの人にとても良い内容だと思いました。
日本の行く先を考える
苫米地氏は本書の中で、日本の将来についていくつもの問題提起をしています。
しかし2009年から12年経った現在でも大して状況は変わっていません。
相変わらず、「空気を読む」ことを求めてコロナ禍の行動は大衆に監視されているし、英語力をつけて外国から直接情報を得ようという流れにはなっていないです。
本書で指摘されている内容を実行していくことで、まだまだ周囲に差をつけられるかもしれません。
『テレビは見てはいけない』を読んで私的考察
Amazonの書評を見ると、”自慢・実績が多い” ”中身がない” という評価も散見はされます。これについて、なぜそう思ってしまうか考えてみました。
”自慢・実績が多い”については、苫米地さんのキャラクターや実績の凄さを知っていれば、悪気なく自慢とも思わず書いているんだろうな・・・と考えられるので、YouTubeで苫米地さんを見ておくことで緩和できると思います。
”中身がない”については、個人的には纏まりがないとは感じたため、章構成の問題なのかもしれないと思いました。
- 第1章 テレビは見てはいけない
- 第2章 脱・奴隷の生き方
- 第3章 日本人はなぜお金にだまされやすいのか
という章立てになっているため、第1章・2章はタイトルの内容通りですが、第3章のみタイトルに期待して読むと違和感を感じます。特に注釈はなかったですが、雑誌のエッセイを一冊にまとめた?ようなイメージもありました。
正直第2章までにしておいて、後書きのページを充実させても良かったのではないか、、と感じました。
とはいえ、2章までの内容はタイトルの期待通りだったため個人的にはとても面白かったですし、若干古い本ですが内容は全く古くないため、前項に書いた通りおすすめしたいと思いました。
ここまでお読みくださり、どうもありがとうございました。
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