
オーストラリアでゴルフの競技ラウンドが増え続けている。同国のゴルフ専門誌Australian Golf Digest(オーストラリアン・ゴルフ・ダイジェスト)は2026年9月24日、統括団体Golf Australia(ゴルフ・オーストラリア。以下GA)から独自に入手したデータを報じた[1]。登録された競技ラウンドは2010年の938万回から2025年には1,191万回になり、15年で約253万回、27%増えた[1]。いちばん多かったのは2023年の1,198万回だ[1]。
ここで言う競技ラウンドは、Golf Australiaに登録された競技のラウンドだ[1]。2017年の業界報告では、GolfLink(豪州のハンディキャップ管理システム)に登録されたハンディキャップ対象のラウンドと説明されている[2]。ただし同じ報告は2016年を1,485万回としており、今回の系列(2019年で1,050万回)とは規模が合わない[1][2]。集計の範囲が同じかは確認できないため、この定義は2017年時点の説明として扱う。登録されないラウンドは、どちらの数にも入らない。
15年の増加約253万回のうち、4分の3ほどは東部の3州が占め、女性の増加は20万回弱にとどまる(いずれも筆者計算)。以下、年ごとの推移、州別の内訳、女性のラウンドの順に確かめ、最後に日本のゴルフ場利用者数と比べる。
豪州の競技ラウンド数は2010年からどう推移したのか
豪州の競技ラウンド数は、2010年代に緩やかに増え、コロナ禍で一段上がった。2014年に初めて1,000万回を超え、2019年は1,050万回、2020年は1,069万回、2021年は1,102万回だった[1]。

2022年は1,030万回に下がったが、2023年に1,198万回まで戻して最多になった[1]。2024年は1,192万回、2025年は1,191万回で、高い水準のまま横ばいだ[1]。同誌は、パンデミック期に何が起きたにせよ、プレーの基準線が一段上がったように見えると書いている[1]。
コロナ禍の伸びは若い層で目立った。同誌の2021年の記事によると、2020年12月〜2021年2月の夏のハンディキャップ対象ラウンドは289万回で、前年夏の258万回から12%増えた[4]。年齢別では20〜24歳が54.5%増、25〜29歳が49.8%増だった[4]。2020年10月末までに4万2,000人が新たにクラブ会員になったとも書いている[4]。
2026年は1〜6月で873万回だが、暦年1年分とは比べられないと同誌は断っている[1]。数字の系列にも注意がいる。同誌の2021年の記事は2020年を1,106万回としており、今回の1,069万回とは合わない[4]。本稿は2026年の記事の数値で比べる。
英国の民間企業バーヒル・グループ(Burhill Group Limited、略称BGL)が2026年9月29日、ゴルフ部門の2025年の業績を発表した[1][2]。BGLはイングランド各地で12のゴルフクラブとゴルフセンターを運営する会[…]
豪州のどの州で競技ラウンドが伸びたのか
増えたラウンドの多くは、人口の多い東部の3州から来ている。2025年の州別は、ニューサウスウェールズ州(NSW。州都シドニー)が400万回で最も多い[1]。ビクトリア州(州都メルボルン)が329万回、クイーンズランド州(州都ブリスベン)が202万回で続く[1]。

伸び方は州によって大きく違う。
| 州 | 2010年 | 2025年 | 増加数 | 増加率 |
|---|---|---|---|---|
| ニューサウスウェールズ州 | 359万回 | 400万回 | 約41万回 | 約11% |
| ビクトリア州 | 225万回 | 329万回 | 約104万回 | 約46% |
| クイーンズランド州 | 153万回 | 202万回 | 約49万回 | 約32% |
| 西オーストラリア州 | — | 110万回 | — | — |
| 南オーストラリア州 | — | 85.8万回 | — | — |
※「—」は本稿で確認していない項目。増加数と増加率は記事の数値からの筆者計算。
ビクトリア州は100万回以上増え、同誌は主要州の中で特に大きな伸びだと評している[1]。州ごとの人口やゴルフ場数の変化は記事にないため、伸びの理由までは分からない。3州の増加を足すと約194万回で、全国の増加約253万回の4分の3ほどを占める。最大のNSWは量では首位だが、伸び率は3州で最も低い。
2025年の5州の合計は約1,127万回で、全国の95%ほどになる。残りはタスマニア州、首都特別地域、北部準州の分だが、記事に州ごとの値はない。
米国の大手銀行バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)と、子ども向けにゴルフ代を補助する米国の非営利団体ユース・オン・コース(Youth on Course)は2026年9月24日、共同プログラム「Golf with Us[…]
女性の競技ラウンドは豪州で増えたのか
女性の競技ラウンドは増えたが、全体の伸びには届いていない。2010年の181万回から、2025年は200万回弱になった[1]。増加率は1割ほどで、全体の27%を下回る。
短い期間では、女性の伸びが目立った時期もある。2020〜21年の夏には、NSWとクイーンズランド州で女性のラウンドが前年夏より25%多かった[4]。ただ15年で見ると、女性の増加は全体の増加約253万回のうち20万回弱にとどまる。
| 項目 | 2010年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 全体の競技ラウンド[1] | 938万回 | 1,191万回 |
| 女性の競技ラウンド[1] | 181万回 | 200万回弱 |
| 女性の比率(筆者計算) | 約19% | 17%弱 |
競技ラウンドの多くは男性によるものだと同誌は書くが、男性の回数そのものは載せていない[1]。2018年のGolfLINKのデータでも、ラウンドの82%が男性、18%が女性だった[3]。

ラウンド数は、プレーする人数と1人当たりの回数の掛け算で決まる。2018年の報告書では、ラウンドを記録したゴルファーは32万8,516人で、前年より0.65%減った一方、ラウンドは1.8%増えた[3]。1人当たりでは年に約32回で(筆者計算)、人数が減っても回数で伸びた年だった。
年齢の内訳は今回の記事にない。2018年の報告書では、ラウンドの63%が60歳以上のゴルファーによるもので、34歳以下は8%だった[3]。今回の増加がどの年齢層から来たかは、公開情報では確認できなかった。
導入 豪州(オーストラリア)発のゴルフ会員制プラットフォーム「Future Golf」が、2026年9月9日に米国へ上陸した。まずはカリフォルニア州から展開し、ネバダ・テキサス・アリゾナ・フロリダを加えた5州、60以上の加盟コースへと広げ[…]
日本のゴルフ場利用者数は豪州の競技ラウンドのように伸びたのか
日本のゴルフ場利用者数は、豪州ほどは伸びていない。日本ゴルフ場経営者協会(NGK)によると、2024年度の延べ利用者数は8,750万人だった[5]。コロナ禍前の2019年度の8,597万人より153万人多いが、2022年度の9,129万人からは2年続けて減った[5]。
利用者を受け入れる側は縮んでいる。2025年2月末のゴルフ場数は2,154で、2010年度以降の15年で273減った[5]。1ゴルフ場当たりの利用者数は4年続けて4万人を超え、2024年度は4万286人だった[5]。
数えている範囲も違う。日本の数字は、ゴルフ場利用税が都道府県に納められた時点の集計で、競技かどうかを問わず全利用者を数える[5]。日本で競技ラウンドだけを数えた全国統計は、本稿では見つからなかった。

| 比較軸 | 豪州(競技ラウンド) | 日本(延べ利用者数) |
|---|---|---|
| 数えるもの | ハンディキャップ用に登録されたラウンド[1][2] | 利用税の納入に基づく全利用者[5] |
| 最新値 | 1,191万回(2025年)[1] | 8,750万人(2024年度)[5] |
| コロナ禍前との比較 | 2019年比で約13%増[1] | 2019年度比で約1.8%増[5] |
| 直近の最多 | 2023年の1,198万回[1] | 2022年度の9,129万人[5] |
| 高齢層 | 60歳以上が63%(2018年)[3] | 70歳以上が22.9%(2024年度)[5] |
※豪州の2019年比と日本の2019年度比は筆者計算。
NGKは、課税利用者1人当たりの利用税額が4年続けて上がり646円になったと集計した[5]。これを、長く下がっていたプレー料金が4年続けて上がった結果だと協会は分析している[5]。
よくある質問(FAQ)
豪州の競技ラウンドとはどんなラウンドか
Golf Australiaに登録された競技のラウンドで、2017年の業界報告ではハンディキャップ対象として登録されたラウンドと説明されている。登録されないラウンドは数に入らないので、全ラウンド数とは違う。
豪州でいちばんラウンドが増えた州はどこか
増えた回数ではビクトリア州で、2010年の225万回から2025年の329万回へ100万回以上増えた。回数そのものが最も多いのはニューサウスウェールズ州の400万回だ。
日本のゴルフ場の利用者も増えているのか
2024年度は8,750万人で、2019年度よりは多いが、2022年度の9,129万人からは2年続けて減っている。
まとめ
豪州の競技ラウンドは2010年の938万回から2025年の1,191万回へ27%増え、2023年からは1,190万回台で横ばいだ。増加の4分の3ほどは東部3州が占め、中でもビクトリア州は46%伸びた。女性の競技ラウンドは1割ほどの増加にとどまり、比率はむしろ下がった。
日本の延べ利用者数は2022年度を山に減っており、豪州の高い水準での横ばいとは動き方が違う。日本では競技ラウンドだけを数えた全国統計が見当たらないため、同じ物差しで比べられるのは、今のところコロナ禍前との増減の向きまでだ。
この記事に関連するおすすめリスト
MBA 思考系 おすすめ書籍集計の範囲が違う統計を並べて読むときに役立つ、定量分析とデータの読み方の本です。Amazonでリストを見る
※Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。
出典
- Australian Golf Digest「Aussie golfers are playing more than ever」(2026年9月24日) https://www.australiangolfdigest.com.au/aussie-golfers-are-playing-more-than-ever/
- Golf Industry Central「Nation-wide surge in competition rounds recorded」(2017年4月24日) https://www.golfindustrycentral.com.au/golf-industry-news/nation-wide-surge-in-competition-rounds-recorded/
- Golf Australia「Competition Rounds Report January to December 2018(Prepared for Australian Golf Industry Council, Source: GolfLINK)」 https://archive.golf.org.au/wp-content/uploads/2020/11/00044380-source.pdf
- Australian Golf Digest「’We’re thriving again’: New data shows Australian golf has exploded in popularity」(2021年3月11日) https://www.australiangolfdigest.com.au/?p=73538
- 日本ゴルフ場経営者協会「『2024年度ゴルフ場利用者数』・『2025年2月末ゴルフ場数』について」(2025年11月) https://www.golf-ngk.or.jp/news/2025/riyouzei/2024comment.pdf


