
英国の民間企業バーヒル・グループ(Burhill Group Limited、略称BGL)が2026年9月29日、ゴルフ部門の2025年の業績を発表した[1][2]。BGLはイングランド各地で12のゴルフクラブとゴルフセンターを運営する会社で、2025年は延べ72万9611ラウンドと過去最多を記録した[1]。ラウンド数は施設でプレーされた回数を指す。
施設段階の利益(venue EBITDA=利払い・税・償却前の施設単位の利益)は1270万ポンド(約26.4億円。1ポンド=208円換算、2026年10月2日の欧州中央銀行の参照レート相当)で、前年から11%増えた[1]。同じ発表で、BGLは屋内レジャー施設群の見直しを終えたことも明らかにした[1]。
英国の施設の話なので、日本のゴルファーが行くコースのプレー料金や予約が変わるわけではない。手がかりになるのは練習場で、BGLは打球計測器トラックマンを入れた練習場で打球場のボール収入を10%伸ばしており、練習場を収益の柱に育てる動きの一例になる[1][3]。
ビジネスの視点では、会費・グリーンフィー(ビジターのプレー料金)・練習場の3つの収入がそろって伸びた点が見どころだ。本稿では収入の内訳から複数施設を運営する会社の稼ぎ方を読み、ゴルフ以外の事業を見直す判断と日本の大手との違いを整理する。
英国のBGLとはどんな会社で、2025年のゴルフ部門はどれだけ伸びたのか
BGLは、ゴルフ場と練習場を中心にイングランドで12施設を運営する民間のレジャー企業だ[1]。1907年に開業したバーヒル・ゴルフクラブ(サリー州)が出発点で、1982年にホーブリッジ・ゴルフセンターを取得して施設を増やしてきた[3]。

2026年9月時点のゴルフ部門は、アビー・ヒル、オールドウィックベリー・パーク、バーチウッド・パーク、バーヒル、ゴルフプレックス、ホーブリッジ、ラムズデール・パーク、レッドボーン、シドカップ・ファミリー・ゴルフ、ザ・シュロップシャー、ソーンベリー、ウィカム・ハイツの12施設だ[1]。公式サイトによると、このうち10のゴルフクラブに計22コースがあり、18ホールの本コースから短いコースまでそろう[3]。
2025年の主な数字は、どれも前年を上回った[1]。施設段階の利益は11%増の1270万ポンド、ラウンド数は9%増の72万9611回、会員数は7%増の9715人で、ラウンド数と会員数は過去最多だ[1]。

CEO(最高経営責任者)のサイモン・トンプソン氏は、過去最高のプレー量と施設段階の利益の11%増がクラブの強さを示すとコメントしている[1][2]。会社の規模は、2023年のグループ売上高が6090万ポンド(約126.7億円)で、前年比11.3%増だった[4]。2025年のグループ全体の売上高は、今回の発表では公表されていない[1]。2026年には、レジャーと接客の分野で35年以上の経験を持つスティーブン・ブラウン氏がグループCOO(最高執行責任者)に就いた[1][2]。
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BGLのゴルフ部門は年会費・グリーンフィー・練習場のどれで稼いでいるのか
3つの収入のうち最も大きいのは年会費収入で、2025年は909万ポンド(約18.9億円)と過去最高だった[1]。グリーンフィー収入は682万ポンド(約14.2億円)、打球場のボール収入は548万ポンド(約11.4億円)だ[1]。

3つを足すと2139万ポンドで、年会費が約42%、グリーンフィーが約32%、ボール収入が約26%を占める(筆者計算)。発表はこの3項目しか示しておらず、飲食やフィットネスを含む部門の総売上高は公表されていない[1]。
| 収入項目 | 2025年 | 円換算 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 年会費収入 | 909万ポンド | 約18.9億円 | 9%増 |
| グリーンフィー収入 | 682万ポンド | 約14.2億円 | 14%増 |
| 打球場ボール収入 | 548万ポンド | 約11.4億円 | 10%増 |
年会費は前払いで入るため、天候に左右されにくい収入だ。会員9715人で割ると1人あたり約936ポンド(約19.5万円)になるが、会員の種類や施設ごとの料金は発表に含まれていない(筆者計算)[1]。

伸び率ではグリーンフィーが14%増と最も高く、ラウンド数の9%増を上回った[1]。ラウンド数には会員のプレーも含まれるため、この差から1回あたりの料金の上昇幅は読み取れない。
練習場について、BGLは各施設の練習場をトラックマンなどの最新機器と飲食を組み合わせた娯楽型の空間に変えてきたと説明している[5]。ボール収入が548万ポンドとグリーンフィーの8割に達するのは、プレーしない人も呼び込む練習場の役割が大きいからだ、というのが筆者の見立てだ。
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BGLはなぜ屋内レジャー事業を見直し、ゴルフに経営資源を寄せるのか
BGLは今回の発表で、屋内レジャー施設群の全体の見直しを終えたと述べた[1]。見直しの目的は、事業を長く続けられる形に整え、成長の見込みが最も強い機会に資本と経営資源を集中させることだという[1][2]。
BGLのゴルフ以外のレジャー事業には、2023年時点で19拠点のアドベンチャー・レジャー部門と、5拠点のニンジャ・レジャーがあった[4]。今回の発表は、屋内レジャーの拠点数や見直しの具体的な中身を明らかにしていない[1]。
投資の規模では、2023年にゴルフとレジャーの両事業へ計1030万ポンド(約21.4億円)を投じていた[4]。毎年の投資をどちらの事業に振り向けるかは、複数の事業を持つ会社にとって大きな判断になる。

グループ全体の施設段階の利益は1580万ポンド(約32.9億円)だった[1][2]。ゴルフ部門の1270万ポンドを引くと、ゴルフ以外は約310万ポンドで、グループの利益の約8割をゴルフが生んでいる計算になる(筆者計算)。
BGLは資本をゴルフに寄せるとは明言していない。ただ、2026年2月には英国バークシャー州ブラックネルのゴルフ施設ゴルフプレックスを買収した[5]。25打席の練習場にアドベンチャーゴルフやパデルコートを備えた、ゴルファー以外も呼べる施設だ[5]。
利益の8割を生む部門に追加投資し、屋内レジャーは選別する。発表文と買収の流れからは、そうした資本配分の方向が読み取れる、というのが筆者の見立てだ。
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日本の大手ゴルフ場運営会社の収入は会費とプレー料金のどちらが大きいのか
日本の大手では、会費よりもプレー料金の収入がはるかに大きい。PGMとアコーディア・ゴルフを傘下に持つ平和(東証プライム)の場合、2026年4〜6月のゴルフ事業の売上高は、ゴルフプレー売上が565.4億円、会員関連売上が38.5億円、練習場関連売上が16.1億円だった[6]。
3項目に占める割合は、プレー売上が約91%、会員関連が約6%、練習場が約3%になる(筆者計算)。BGLは年会費が約42%と最も大きく、収入の組み立てが日英で逆になっている。
平和のゴルフ場は2026年3月末で321コース、2025年4月〜2026年3月の来場者数は2170万3030人だった[6]。同期のゴルフ事業の売上高は2306億2400万円、営業利益は455億9900万円だ[6]。
| 比較項目 | BGL(英国) | 平和(PGM+アコーディア・ゴルフ) |
|---|---|---|
| 施設数 | 12施設(うちゴルフクラブ10、計22コース)[1][3] | 321コース(2026年3月末)[6] |
| 年間の利用 | 72万9611ラウンド(2025年)[1] | 来場者2170万3030人(2025年度)[6] |
| 最大の収入項目 | 年会費(3項目の約42%) | ゴルフプレー売上(3項目の約91%、2026年4〜6月) |
| 練習場の比重 | 3項目の約26% | 3項目の約3% |
| 利益の指標 | 施設段階の利益1270万ポンド[1] | ゴルフ事業の営業利益455.9億円(2025年度)[6] |
ラウンド数と来場者数は数え方が異なり、BGLの年会費収入と平和の会員関連売上も同じ定義とは限らない。
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まとめ
BGLのゴルフ部門は2025年、ラウンド数と会員数がともに過去最多となり、施設段階の利益は11%増の1270万ポンドだった。年会費・グリーンフィー・練習場の3つの収入がそろって伸び、グループの利益の約8割をゴルフが生んでいる。
練習場のボール収入がグリーンフィーの8割に達する英国の例を知ると、練習場が単なる練習の場ではなく、コース運営会社の稼ぎ頭の一つになりうることが見えてくる。投資判断の材料としては、会費が最大の収入になるBGLと、プレー料金が9割を占める平和とで、天候や景気への強さがどう違うかを比べる視点が使える。
BGLは屋内レジャーの見直しを終え、成長の見込みが強い事業に資本を集める方針を打ち出した。2026年以降の数字で、ゴルフへの投資がどこまで利益を伸ばすかが次の確認点になる。
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よくある質問(FAQ)
Q. BGLはどこの会社か。
A. 英国のバーヒル・グループという民間企業で、イングランドで12のゴルフクラブとゴルフセンターを運営している[1]。
Q. 施設段階の利益とは何か。
A. 利払い・税・減価償却の前の、施設単位で見た利益のことだ。BGLのゴルフ部門は2025年に1270万ポンド(約26.4億円)で、前年から11%増えた[1]。
Q. 日本のゴルフ場のプレー料金に関係あるのか。
A. 直接の関係はない。日本の大手の平和はプレー売上が収入の大半を占めており、会費が最大の収入になるBGLとは稼ぎ方が異なる[6]。
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出典
- BGL golf division reveals record financial results, Golf Business News, 2026-09-29. https://golfbusinessnews.com/news/corporate/bgl-golf-division-reveals-record-financial-results/
- Burhill Group reports record revenues and rounds played, The Golf Business, 2026-09-29. https://thegolfbusiness.co.uk/2026/09/burhill-group-reports-record-revenues-and-rounds-played/
- Golf Division, BGL公式サイト. https://bglcompany.co.uk/golf/
- BGL follow record-breaking 2023 financial performance with best ever half year revenues through 2024, Golf Retailing, 2024. https://www.golfretailing.com/news/bgl-follow-record-breaking-2023-financial-performance-with-best-ever-half-year-revenues-through-2024/
- BGL expands golf portfolio with GolfPlex acquisition, Golf Business News, 2026-02-20. https://golfbusinessnews.com/news/property/bgl-expands-golf-portfolio-with-golfplex-acquisition/
- 2027年3月期 第1四半期決算 説明資料, 株式会社平和, 2026-08-07. https://www.heiwa-hd.co.jp/common/pdf/ir/library/presentations/12516161841399999999_991a4aa7-9d16-4b84-9ee8-87f870d6f204.pdf


