
韓国空軍が運営するゴルフ場で、民間人2人が予約マクロ(予約画面への入力を自動で繰り返すプログラム)を使い、1日に約1,400回と約1,600回の異常なアクセスを試みていたことが分かった[1]。韓国のテレビ局YTNが2026年10月19日に報じたもので、空軍のゴルフ場で民間人のマクロ使用が見つかったのは初めてだという[1]。アクセスは報道の前月の9月8日(YTNの表記は「先月8日」)の1日に集中した[1]。
空軍ゴルフ場は韓国軍が将兵のために持つ施設で、正式には体力鍛錬場と呼ばれ、料金を払えば民間人も使える[1][4]。YTNによると全国14か所にあり、平日の9ホールで5万〜8万ウォン(約5,900〜9,500円。1ウォン=約0.118円換算)と、ほかのゴルフ場の半分ほどの料金で回れる[1]。
数字の元は、国会国防委員会の金炳周(キム・ビョンジュ)議員が国政監査(国会が毎年秋に政府機関を調べる手続き)に合わせて出した分析だ[1][2]。直近3年の利用者約185万人のうち、民間人が114万人を超え、現役の軍人は13%にとどまった[1][2]。
空軍はサイトに異常な予約行為を禁じる告知を出し、実際の予約につながった場合は民間の警察に捜査を依頼する方針だ[1]。
韓国の空軍ゴルフ場で予約マクロは何回アクセスしたのか
YTNによると、民間人2人は9月8日の1日だけで、それぞれ約1,400回と約1,600回の異常なアクセスを試みた[1]。空軍のゴルフ場で民間人によるマクロの使用が見つかったのは、これが初めてだという[1]。YTNはこの行為を違法なマクロと呼んでいる[1]。
2人が実際に予約を取れたかどうかは、報道には書かれていない[1]。YTNの記述は予約を試みたという表現にとどまる。空軍の方針も、実際の予約につながった場合に警察へ捜査を依頼するという条件付きで、記事の時点で捜査依頼が済んだとは報じられていない[1]。

受付の時刻や予約の方式は、報道では明らかにされていない。予約サイトでは、ふつう人が画面を開いて空き枠を選ぶ。マクロはこの操作を機械で繰り返すため、受付開始の瞬間に人より速く枠を押さえられる。
金議員は、予約システムを高度化してマクロを根本から防ぐ対策が必要だと述べた[1]。あわせて、将兵が優先して予約できる仕組みづくりを求めている[1]。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発覚した利用者 | 民間人2人[1] |
| 異常アクセスの回数 | 9月8日の1日に約1,400回と約1,600回[1] |
| 予約の成否 | 公開されていない |
| 空軍の対応 | 禁止の告知。実際の予約につながれば警察に捜査を依頼する方針[1] |
| 国会の指摘 | 予約システムの高度化と将兵の優先予約[1] |
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空軍ゴルフ場の料金は民間ゴルフ場の半額なのか
YTNは、空軍ゴルフ場の料金が平日の9ホールで5万〜8万ウォン台と、ほかのゴルフ場の半分ほどだと伝えた[1]。ニュースサイトのニュースィアン(Newsian)は施設別に報じている[2]。光州・泗川・水原・城南など9ホールの13か所は平日5万〜6万ウォン(約5,900〜7,100円)、18ホールの瑞山(ソサン)は平日9万ウォン(約1万600円)前後だ[2]。

民間の料金と比べるため、韓国レジャー産業研究所の数字を使う。18ホール以上の大衆型ゴルフ場(会員制でない一般向けのゴルフ場)195か所の2026年1月の平日料金は、最高額の平均で10万2,000ウォン(約1万2,100円)だった[3]。同研究所は、1月が繁忙期の10月より平日で6万7,000ウォン安いとしている[3]。

大衆型の10月の平日料金は、1月の額に差額を足すと約16万9,000ウォン(約2万円)になる。2025年10月の最高額の平均(済州を除く)にあたり、これは筆者の計算で、同研究所が出した数字ではない[3]。瑞山の9万ウォンはこの約53%(筆者計算)にあたり、半分ほどという表現と合う。
瑞山は14か所のうち唯一の18ホールで、民間の大衆型と同じ条件で比べられる[2]。一方、1月の閑散期と比べると、瑞山の料金は大衆型の約9割だ。半額という比較は、どの月のどのゴルフ場と比べるかで変わり、9ホールの料金は18ホールと単純には比べられない。
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空軍ゴルフ場の利用者の6割が民間人なのは何が問題か
ニュースィアンが伝えた金議員の分析では、直近3年の民間人の利用者は114万8,887人で、全体の61.9%を占めた[2]。現役の将兵は24万6,354人で13.3%にとどまる[2]。YTNは利用者全体を約185万人としている[1]。民間人の数は現役の約4.7倍にあたる(筆者計算)。

残りの約25%の内訳は報じられていない。
金議員は、空軍が利用者を目的別に分けて管理しておらず、民間人の利用が軍の福利厚生に役立っているかを確かめにくいと指摘した[2]。ゴルフ場の純収益は2025年に前年より35億ウォン(約4億1,400万円)減り、23.8%落ち込んだ[2]。維持費は増えたとされるが、金額は出ていない[2]。
ニュースィアンは、民間人の利用が多いことと、マクロによる不正予約は分けて見るべきだとも書いている[2]。114万人の民間人がみなマクロを使ったわけではない。問題は、安い料金を目当てに予約が集まる中で、本来の対象である将兵に枠が回りにくい点にある。
軍のゴルフ場が民間に開かれている事情は、以前から報じられてきた。2018年の報道によると、全国の軍ゴルフ場は32か所で、空軍がそのうち14か所を持っていた[4]。当時の料金は、現役や軍の家族が18ホール2万ウォン台、民間人が平日4万〜7万ウォン台で、民間の公共ゴルフ場のおよそ半分だった[4]。

韓国のゴルフ場で、プレー料金にあたるグリーンフィーの値下がりが数字に表れてきた。韓国の経済紙ソウル経済新聞(Seoul Economic Daily)は2026年10月2日、韓国のゴルフ予約サイト「XGOLF(エックスゴルフ)」のデータを[…]
安い公的ゴルフ場の予約枠はどう配ればよいのか
金議員の提案は三つある。マクロの遮断、民間人の料金の引き上げ、9ホール施設での現役と軍の家族の優先予約だ[2]。いずれも、相場より安い枠を誰に先に渡すかという配分の問題に関わる。

先着順の予約では、料金が相場より安いほど受付開始の瞬間に申し込みが集まる。そこで勝つのは早く押した人で、マクロはその速さを機械で手に入れる手段になる。マクロを遮断しても、料金差が残るかぎり先着の競争そのものは続く、というのが筆者の見立てだ。
YTNが伝えた料金差は、民間の半分ほどだった[1]。18ホールで比べると、瑞山と大衆型の10月の差は約7万9,000ウォン(約9,300円)になる(筆者計算)[2][3]。マクロを使った2人の目的は報じられていないが、機械で押さえられた枠の分だけ、将兵や手で申し込む人の枠が減る。
料金の引き上げは、民間人にとっての割安さを小さくし、予約の集中を和らげる方向に働く。ただ、純収益が1年で23.8%減った中で、利用者を減らす策が収支にどう響くかは報道からは読めない[2]。
優先予約は、将兵向けの施設という本来の目的に枠を戻す方法だ。13か所の9ホール施設は規模が限られるため、優先の対象をどこまで広げるかで民間人に残る枠が変わる[2]。現役の利用は直近3年で24万6,354人と全体の13.3%で、この比率がどこまで上がるかが効果を測る目安になる[2]。
三つの策のどれを組み合わせるかは、報道の時点で空軍から発表されていない。マクロの遮断は予約システムの改修という費用を伴い、料金と優先順位の変更は民間人の反発を招きうる。どれも一つだけでは足りず、組み合わせが要るというのが筆者の見立てだ。
2026年5月、Googleは予約という行為を変える機能を静かに発表した[1]。 「Search Agents(サーチエージェント)」と呼ぶAIエージェントが、ゴルフ場のティータイムを探し、空き枠を評価し、設定した決済上限の範囲で予約を完[…]
日本のゴルフ場予約で自動予約ツールは禁止されているのか
楽天GORAの規約は第13条で、同一日程での複数ゴルフ場の予約、大量予約、仮押さえなど、明らかに利用の意思がないと判断されうる申し込みを禁止行為に挙げる[5]。該当すると判断された場合、利用を断ったり、完了済みの予約を取り消したりできる[5]。営利目的の利用も、事前の契約と承認がない限り認めていない[5]。ただし、自動ツールを名指しした条項はなく、ゴルフ場の予約マクロを摘発したという発表も確認できなかった。
警察庁は不正アクセスを、他人のIDやパスワードを使ってサービスを悪用したり、コンピュータに不正に侵入したりする犯罪と説明している[6]。刑法第234条の2は、業務に使うコンピュータに虚偽の情報や不正な指令を与えるなどして業務を妨げた者を、5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金とする[7]。予約マクロがこれらに当たるかについての公式の説明は確認できなかった。
| 比較軸 | 韓国(空軍ゴルフ場) | 日本(楽天GORA・法律) |
|---|---|---|
| 運営者による禁止 | 異常な予約行為を禁じる告知[1] | 大量予約・仮押さえを規約で禁止[5] |
| 違反したときの措置 | 実際の予約につながれば警察へ捜査依頼の方針[1] | 利用の拒絶、予約の取り消し[5] |
| 自動ツールの名指し | 予約マクロとして報道[1] | 規約に名指しの条項はない[5] |
| 関係する法律の説明 | — | 不正アクセスの説明[6]、刑法第234条の2[7] |
※「—」は本稿で確認していない項目、「非公表」は公開されていない項目。
韓国の民間シンクタンクである韓国レジャー産業研究所が、同国の会員制ゴルフ場の税負担をまとめた報告書を出した。ソウル経済新聞(韓国の経済紙)の英語版が2026年10月1日に伝えたところでは、会員制ゴルフ場が2025年に納めた税金は合計5,9[…]
よくある質問(FAQ)
韓国の空軍ゴルフ場は民間人でも使えるのか
使える。料金を払えば民間人も利用でき、直近3年の利用者の61.9%が民間人だった。
予約マクロを使うと韓国では警察に通報されるのか
空軍は、マクロなどの異常な予約行為が実際の予約につながった場合に、民間の警察へ捜査を依頼する方針だ。報道の時点で、捜査を依頼したとは伝えられていない。
日本のゴルフ予約サイトでも大量予約は禁止されているのか
楽天GORAは規約で大量予約や仮押さえを禁止行為に挙げ、該当すれば利用の拒絶や予約の取り消しができるとしている。
まとめ
韓国空軍が運営するゴルフ場で、民間人2人が予約マクロを使い、9月8日の1日に約1,400回と約1,600回の異常なアクセスを試みた。料金は平日9ホールで5万〜8万ウォン台と民間の半分ほどで、直近3年の利用者の61.9%を民間人が占め、現役の将兵は13.3%だった。
空軍は異常な予約行為を禁じる告知を出し、実際の予約につながった場合は警察に捜査を依頼する方針だ。2人が予約を取れたのか、捜査依頼に進むのかは、報道の時点では分かっていない。
次に見るべきは、金議員が求めた予約システムの改修、民間人料金の見直し、将兵の優先予約を、空軍がどこまで取り入れるかだ。その時期は、報道の時点では明らかになっていない。
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出典
- YTN「[단독] ‘하루 1,600회’ 예약 시도…공군 골프장 불법 매크로 첫 적발」(2026年10月19日) https://www.ytn.co.kr/_ln/0101_202610192252112687
- Newsian「[2026 국감] 공군 골프장 민간인 이용 61.9%…장병은 13.3% 그쳐, ‘매크로 예약’ 논란」(2026年10月20日) https://www.newsian.co.kr/news/articleView.html?idxno=97348
- ヘラルド経済(Herald Korea Daily)「골프장 새해 1월 그린피, 올 10월보다 6만∼7만원 싸다」(2025年12月23日) https://www.heraldk.com/article/2025122317320060234
- インサイト「전투력 향상한다며 혈세 ‘200억’ 들여 골프장 지은 국방부」(2018年5月18日) https://www.insight.co.kr/news/61536
- 楽天グループ「楽天GORA利用規約」(2026年5月15日改定) https://gora.golf.rakuten.co.jp/doc/info/rule/
- 警察庁「不正アクセス対策」 https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/countermeasures/unauthorized-access.html
- e-Gov法令検索「刑法(明治40年法律第45号)」第233条〜第234条の2 https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045



