英国の公営コースに40m四方の小型練習場GolfPod、10打席で30球5ポンド

英国イングランド南東部ハートフォードシャー州のRickmansworth Golf Course(リックマンズワース・ゴルフコース)に、小型の練習場GolfPod(ゴルフポッド)ができた[1]。地元自治体のスリーリバーズ地区議会のコースで、レジャー施設の運営会社Everyone Active(エブリワン・アクティブ)が議会の委託で運営している[1]。練習場は、クラブハウスの向かいの、以前パー3コースとフットゴルフに使っていた区画の一部に建てられた[1]。

打席は屋根と照明の付いた10打席で、全打席にToptracer(トップトレーサー)の弾道計測が付く[1]。Toptracerは、打った球の軌道を追って飛距離などを画面に出す仕組みで、38か国の1,450を超える練習場で使われている[2]。敷地は約40m四方に収まり、建設は着工から開業まで標準で約7週間とされる[1]。

料金は30球5ポンド(約1,050円。1ポンド=210円換算)からだ[1]。このコースでは、予約もアプリも使わずに、弾道計測付きの打席で30球から打てる[1]。RickmansworthはGolfPodにとって3つ目の拠点で、建設費は公表されていない[1][3]。

夕暮れ、木立と柵の向こうに、白いアーチ状の屋根が連なる細長い打席棟が見える。各打席の内側が青く光り、右奥に照明の付いた鉄塔が立つ
Rickmansworth Golf Courseに開いたGolfPodの打席棟。クラブハウスの向かい、以前のパー3とフットゴルフの区画の一部に建てられた(画像:The Golf Business)

GolfPod Rickmansworthの打席と料金はどうなっているのか

GolfPod Rickmansworthは、屋根付きの10打席から人工芝の外野へ打つ練習場だ[1]。屋根と照明があるので、天候にかかわらず、夜まで打てる[1]。Toptracerは飛距離、ボール初速、打ち出し角、方向を測り、家族やジュニア、初心者向けのゲームやバーチャルゴルフも用意されている[1]。

夕暮れのGolfPod。GolfPodの看板と球の販売機を備えた黒い小屋の奥に、照明のついた屋根付きの打席が弧を描いて並び、高い鉄塔とネットが打席の外を囲んでいる
GolfPodの屋根付き打席と、球の販売機を備えた小屋。打席の外側は鉄塔とネットで囲まれている。どの拠点の写真かは、公式サイトに書かれていない(画像:GolfPod公式サイトより)

運営は、ほぼ人手を介さない形だ。球は自動で出てきて自動で回収され、支払いは非接触決済で、予約もアプリも要らない[1]。クラブはクラブハウスで借りられ、年齢や腕前を問わないレッスンの仕組みも始める予定だという[1]。

人工芝の上に置かれた灰色のロボット。上面にECHOのロゴと「GolfPod CRANHAM」の表示がある
GolfPodの公式サイトが球の自動回収を説明する項目に載せる、1号拠点Cranhamの表示が入ったロボット。公式サイトは、回収・洗浄・供給をRange Servantの機械で自動化していると説明する(画像:GolfPod公式サイトより)
球数料金円換算1球あたり
30球5ポンド約1,050円約35円
60球9ポンド約1,890円約32円
100球13ポンド約2,730円約27円

出典: The Golf Business[1]。円換算と1球あたりは筆者計算(1ポンド=210円)。

まとめて買う割引もある。40ポンド(約8,400円)を払うと50ポンド分打てるチャージがある[1]。

GolfPodによると、開業の週は嵐で、開業週末も雨だったが、来場者の反応はよかった[1]。Everyone Activeが出した開業日の動画は、数日で1万7,000回以上再生された[1]。

GolfPodのマネージング・ディレクター、Mike Stone(マイク・ストーン)氏は、Everyone Activeと組んだ2つ目の拠点だと述べた[1]。1つ目は、エセックス州のBasildon Sporting Village(バジルドン・スポーティング・ビレッジ)だ[1][6]。

スポーツ施設をどう建て、どう運営するかを主題にしたスポーツビジネス叢書の一冊だ。議会のゴルフコースの一角に練習場を置き、運営を民間に任せるGolfPodの形を考える土台になる。

40m四方の小型練習場はどう作られているのか

GolfPodは、ふつうの練習場より狭い区画に、打席と外野をまとめて収める形だ。1号拠点の発表は、40m×40mの敷地に収まると説明した[2][4]。40m四方は1,600㎡で、東京ドーム(46,755㎡)の約30分の1にあたる(筆者計算)。

ただし、敷地の数字は資料によって違う。2号拠点のBasildonについては、30m×30mに全体が収まるとする記事がある[6]。

2025年3月の計画段階の記事は、Basildonを長さ40m、幅30mとしていた[5]。外野は全体をネットで囲み、球が外へ出ないようにする[5]。Basildonは既存の駐車場のそばに計画され、ほぼ自動で動くため現地の管理はほとんど要らないと説明されていた[5]。

上空から見たGolfPodバジルドン。駐車場とレジャー施設の建物にはさまれた区画に、屋根付きの打席が一列に並び、その先にネットで囲まれた人工芝の外野と3つの円形の的がある
上空から見たGolfPodバジルドン。駐車場と建物にはさまれた区画に、打席の屋根とネットで囲った人工芝の外野が収まっている(画像:GolfPod公式サイトより)

費用の分担には二つの型がある。GolfPodの公式サイトのトップページは、GolfPodが資金を出して建設と運営を担い、会場の設備投資をゼロにする型を掲げる[3]。一方で、売上を分け合う提携の型の説明ページは、双方が設備投資と計画の費用を出し、日々の運営は会場が担うとしている[8]。Rickmansworthがどちらの型か、建設費がいくらかは公表されていない[1]。

会場はコースの一角などの土地を出し、GolfPodが資金を出して建設と運営を担い、Toptracerが全打席の弾道計測を担う。練習場の売上は会場と分け合う
GolfPodの小型練習場で、会場とGolfPodとToptracerが担う役割

Rickmansworthの計画は2025年3月の時点で承認が勧告されていた[5]。運営するEveryone Activeは、練習場がゴルフコースの運営の安定に大きく役立つと説明していた[5]。

計画では、子ども向けにBullseye(ブルズアイ)やMagic Pond(マジックポンド)といったゲームも挙がっていた[5]。標準の工期どおりなら、着工から2か月足らずで開業する[1]。

完成予想のCG。白いアーチの屋根の下に、GolfPodとTOPTRACER RANGEのロゴが入った打席が一列に並び、打席の前にはネットで囲まれた外野が広がる
2025年3月、RickmansworthとBasildonの計画を伝えた記事に載ったGolfPodの完成予想図(画像:The Golf Business)

サービス・マーケティングの定番テキストの翻訳版で、サービスの品質と生産性の関係を論じる章がある。球の供給と回収を自動にし、予約もアプリも求めない練習場の設計を読むときに役立つ。

GolfPodは英国でどこまで広がっているのか

GolfPodは2026年に1号拠点を開き、10月末までに英国で3拠点になった[1]。1号は2026年3月9日に開いた、アップミンスターのCranham Golf Course(クランハム・ゴルフコース)だ[2][4]。2号は4月のBasildon、3号が10月のRickmansworthになる[1][6]。

2025年3月にRickmansworthとBasildonの計画が進み、2026年3月にCranham、4月にBasildon、10月にRickmansworthが開業した。4拠点目は2026年中に着工し、2027年初めに開業予定
GolfPodの英国での拠点の開業と計画

10月末の時点では、年初の計画の数に届いていない。1号拠点の開業時、GolfPodは2026年中に英国で少なくとも5拠点、欧州でさらに1拠点を開くとしていた[2][4]。10月末の時点で開業は3拠点で、4拠点目の開業は2027年初めの予定だ[1]。

運営の形も拠点ごとに違う。Basildonは予約アプリSweetspotで14日前から打席を予約する形で、GolfPodは予約できる無人の練習場として初だと説明した[6]。Rickmansworthは、予約もアプリも要らない形を取った[1]。

Toptracerの幹部Scott Blevins(スコット・ブレビンズ)氏は、組み立て式で繰り返し作れる形式がゴルファーを増やす器になると述べている[4]。

白いアーチの屋根の下に、GolfPodのロゴ入りの紺色の仕切りで分けた打席が並ぶ。打席の前は人工芝で、左奥に鉄塔とネットが見える
GolfPodの公式サイトに載る、1号拠点Cranhamの屋根付き打席(画像:GolfPod公式サイトより)

会場側の利点として、Golf Retailingの記事は、滞在時間の延長、再訪、会員の関わりの強化、飲食などの付帯消費を挙げる[2]。公式サイトは、PGAプロのレッスンの初回半額や、8人までの子どもの誕生会(79ポンド=約1万6,590円から)を案内している[3]。拠点ごとの利用者数や売上は、どの資料にも出ていない。

toptracer

米国テキサス州サンアントニオのゴルフ専門店Golf Galaxy(ゴルフギャラクシー)の店内に、4打席の屋内練習場ができた[1]。打席には、ボールの弾道を追跡して画面に表示するToptracer(トップトレーサー)の技術が入っている[1][…]

日本のゴルフ練習場の利用者と打席数はどう推移しているのか

経済産業省の特定サービス産業動態統計で調査対象になっているゴルフ練習場の利用者は、2024年に約2,175万人で、2022年の約2,439万人から約11%減った(減少率は筆者計算)[7]。この数字は調査対象の練習場を合計した値で、全国すべての練習場の合計ではない。同じ期間に、売上高は約363億円から約330億円に、稼働打席数は1万5,529打席から1万5,066打席に減った[7]。

比較軸日本の調査対象の練習場(2024年)[7]GolfPod Rickmansworth[1]
打席数稼働打席の合計15,06610
年間利用者約2,175万人非公表
料金・支出1人あたり売上約1,516円(筆者計算)30球5ポンド(約1,050円)から
敷地—約40m四方
予約—不要

※「—」は本稿で確認していない項目、「非公表」は公開されていない項目。

1人あたりの約1,516円は、2024年の売上高を利用者数で割った値だ。利用者の約41%は土日祝日に来ている(筆者計算)[7]。統計は打席の広さや敷地の面積を集計しておらず、GolfPodのような40m四方ほどの屋外練習場をゴルフ場の一角に建てた日本の公式発表は、本稿の調査では見つからなかった。

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よくある質問(FAQ)

GolfPodで打つのに予約は必要か

Rickmansworthでは予約もアプリも要らず、非接触決済で払えば打てる。2号拠点のBasildonは、アプリで14日前から予約する形だ。

GolfPodの料金は日本円でいくらか

30球5ポンドで約1,050円、100球13ポンドで約2,730円になる(1ポンド=210円換算)。

日本の練習場の利用者は増えているのか

経済産業省の統計で調査対象の練習場の利用者は、2022年の約2,439万人から2024年の約2,175万人に減った。

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まとめ

ハートフォードシャー州のRickmansworth Golf Courseに、10打席のGolfPodが開いた。全打席にToptracerが付き、30球5ポンド(約1,050円)から、予約もアプリもなしで打てる。敷地は約40m四方で、標準の工期は約7週間とされる。

GolfPodは資金と運営を自ら負い、会場とは売上を分け合う。2026年の英国での拠点は3つで、年初に示した少なくとも5拠点の計画には届いていない。建設費と各拠点の利用実績は公表されていない。

次の確認点は、年内に着工する4拠点目の場所と、2027年初めの開業が予定どおり進むかだ。Basildonの予約制とRickmansworthの予約不要のどちらを今後の標準にするかも、4拠点目の発表で分かる。

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出典

  1. The Golf Business「Compact driving range arrives at Rickmansworth Golf Course」(2026年10月30日) https://thegolfbusiness.co.uk/2026/10/compact-driving-range-arrives-at-rickmansworth-golf-course/
  2. Golf Retailing「UK-market first as GolfPod debuts compact range facility powered by Toptracer」(2026年3月9日) https://www.golfretailing.com/news/uk-market-first-as-golfpod-debuts-compact-range-facility-powered-by-toptracer/
  3. GolfPod公式サイト https://golfpod.co.uk/
  4. The Golf Business「World’s most compact driving range opens」(2026年3月9日) https://thegolfbusiness.co.uk/2026/03/worlds-most-compact-driving-range-opens/
  5. The Golf Business「Two ’30 metre’ driving ranges set to be built」(2025年3月14日) https://thegolfbusiness.co.uk/2025/03/two-golfpod-driving-ranges-set-to-be-built/
  6. Golf Business News「GolfPod installs second site at Basildon Sport & Leisure Club」(2026年4月17日) https://golfbusinessnews.com/news/practice-range-and-teaching/golfpod-installs-second-site-at-basildon-sport-leisure-club/
  7. 経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」長期データ(ゴルフ練習場、2025年3月19日公開、e-Stat) https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040248233&fileKind=0
  8. GolfPod公式サイト「Revenue Partnership」 https://golfpod.co.uk/revenue-partnership/

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