18ホールを12ホールにして1ホールは練習エリアへ、スウェーデンのクラブが打席に投資する

スウェーデンの首都ストックホルムの南にあるゴルフ場Fors Golf(フォシュ・ゴルフ)が、2027年シーズンから18ホールを12ホールに減らす[1]。いまの14番ホールは練習エリアに変わる[1]。並行して、TrackMan(トラックマン、レーダーなどで弾道を測るデンマーク発の機器)を全打席に付けた新しいレンジとスタジオを、2027年春までに整える[1][2]。

南部スコーネ地方のLandskrona GK(ランズクルーナ・ゴルフクラブ)も、国の相続基金から280万クローナ強(約4,500万円。1クローナ=16円換算)の助成を受け、屋根付きのTrackMan打席20などの建設を始めた[3]。スウェーデンのゴルフ専門誌Svensk Golfが、2026年10月6日と8日にこの2件を続けて報じた[1][3]。

ゴルフをする側から見ると、これは練習とシミュレーターの環境の話だ。弾道データが出る打席で、冬も含めて練習やラウンドができる場所を、コースを持つクラブ自身が用意し始めている。

ビジネスの側では、限られた土地と資金のうち、どれだけを季節を問わず使える打席に振り向けるかの判断として読める。以下では2つのクラブの計画を整理し、北欧と北米の寒冷地の動き、日本の雪国の状況と比べる。

Fors Golfはなぜ18ホールを12ホールに減らすのか

クラブは12ホール化を、施設全体の長期的な開発の一段階と位置付けている[1]。将来は新しいルートで18ホールに戻すことを目指しており、最初の設計案を公表したが、完成時期は示していない[1]。

Fors Golfはストックホルム中心部から約20分の場所にある[5]。林業と農業を営む一家の会社が1997年に簡素なレンジを開いたのが始まりで、2001年に最初の9ホール、2007年秋に残りの9ホールを開いた[6]。

12ホールのコースは、既存のホールを新しい順番でつなぎ直してつくる[1][4]。14番ホールは練習エリアに転用する[4]。クラブは、ホール数が減っても自然なプレーの流れになるよう設計したと説明している[1]。

18ホールのコースを既存ホールのつなぎ直しで12ホールにし、14番ホールを練習エリアにする。同時に全打席TrackMan付きの新レンジとスタジオを整え、将来は新しい18ホールを目指す流れ
Fors Golfの2027年に向けた計画

練習施設は約600m南へ移る[7]。新しいレンジ、カスタムフィッティング用のスタジオ、レンジハウスを2027年シーズンの開幕に合わせて使えるようにする計画だ[7]。いまのレンジは10月15日で閉じ、そこから工事に入る[1][2]。

現在のレンジは44打席で、うち22打席にTrackManが付いている[8]。新しいレンジでは全打席にTrackMan Rangeを付ける[1][2]。スタジオに入るTrackMan 4は、レーダーとカメラでクラブとボールの40以上の項目を測り、500以上のコースを仮想でラウンドできる[1][2]。

夕暮れの芝生の奥に、木の柱と屋根で区切られた打席が横一列に並ぶFors Golfの新しいレンジハウスの完成イメージ
Fors Golfが公式サイトに掲載している新しいレンジハウスの完成イメージ。屋根の下に打席とモニターが並ぶ(画像:Fors Golf公式サイトより)

2027年の会員数は、コースの予約の取りやすさを保つため上限を設ける[9]。2026年の最上位の会員権は年5,495クローナ(約8.8万円)だった[9]。2027年の料金は、記事執筆時点では公表されていない[9]。

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ランズクルーナのゴルフクラブは相続基金の助成で何をつくるのか

Landskrona GKがつくるのは、天候に左右されず12か月使える練習施設だ[3]。屋根付きでTrackMan付きの打席が20、その上の屋上テラスにさらに20打席を設ける[3]。

ほかに、2つに仕切れる広いスタジオ、クラブの修理工房、冬の半年に使うシミュレーターゴルフの設備も入る[3]。工事は10月5日に始まり、当初はレンジを完全に閉鎖している[12]。

クラブはスウェーデン南部スコーネ地方の北西部にあり、2つのコースを持つ[10]。クラブハウスにはスウェーデン・ゴルフ博物館もある[10]。いまのレンジは27打席で、うち20打席にTrackManの画面が付いている[11]。

助成元のAllmänna arvsfonden(相続基金)は、非営利の事業に資金を出すスウェーデンの国の基金だ[13]。配偶者もいとこより近い親族もおらず、ほかの人に遺言を残さずに亡くなった人の遺産を受け取る[13]。今回の280万クローナ強は、屋根の部分とバリアフリーの建物に充てる[3]。屋内の設備とそれ以外の整備は、クラブが自分で費用を負担する[3]。

相続基金の助成280万クローナ強は屋根の部分とバリアフリーの建物に、クラブの自己負担は屋内設備とその他の整備に充てる資金の分担
Landskrona GKの練習施設の資金の分担

建物は地面の高さから入れるようにし、入口は車いすや電動車いすの利用者に合わせる[3]。クラブは、ジュニアと高齢のゴルファーの両方で通年の練習需要が増えていると説明している[3]。

支配人のパトリック・ブロルソン氏は、1年12か月にぎわうクラブにしたいと話す[3]。天候に関係なく会員が練習と交流を続けられ、新しいゴルファーを呼び込む力にもなるという[3]。

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スウェーデンのゴルフクラブはなぜコースより打席に投資するのか

2つの計画に共通するのは、季節に左右されにくい打席を、コースと並ぶ稼働の柱に育てる判断だと筆者は見ている。どちらのクラブも、全国的な流れだとは述べていない。

季節の制約は、両クラブの発表にも表れている。Fors Golfは10月18日でシーズンを終え、新しいティーをいつ開けるかは春の暖かさ次第だとしている[5][7]。スウェーデンのゴルフ場の仕事は大半が夏の半年に集中する[14]。

国内には2025年時点で約450のクラブがあり、会員は約59万人だった(スウェーデン・ゴルフ連盟の数字)[14]。ゴルフ場運営の利益率は高くない。2024年の営業利益率は中央値の企業で2.6%、上位4分の1の境目(第3四分位)は11%、下位4分の1の境目(第1四分位)はマイナス1.6%だった[14]。ただし同じ資料は、非営利の協会として運営される事業者を含む業種では、営業利益率を慎重に解釈するよう注記している[14]。

スウェーデンのゴルフ場運営の営業利益率は2024年、第1四分位がマイナス1.6%、中央値が2.6%、第3四分位が11%だった
ゴルフ場運営の営業利益率の分布(2024年)

ゴルフ専用でない施設でも同じ方向の動きがある。イェヴレ市の屋内スポーツ施設Top Arenaは、パデル(テニスに似たラケット競技)のコート3面を撤去し、TrackManのシミュレーター11台、レンジ打席4つ、11ホールのパッティンググリーンを入れた[15]。営業は毎日5時から24時までだ[15]。

ストレングネス市のゴルフクラブSträngnäs GKは、3つの9ホールのうち1つを手放し、跡地に350〜400戸の住宅を建てる案を検討している[16]。売却益で借入金を返し、新しい練習エリアや施設に投資する案も出ている[16]。ただし土地の用途を決める手続きに5〜7年かかり、売却はまだ先だ[16]。会員は10月12日の臨時総会で進め方を決める[16]。

施設減らすもの増やす練習施設状況
Fors Golf18→12ホール[1]全打席TrackMan付きの新レンジ、スタジオ[1]2027年春に完成予定[1]
Landskrona GK—屋根付き打席20、屋上テラス20、スタジオ[3]2026年10月着工[12]
Top Arena(イェヴレ)パデルのコート3面[15]シミュレーター11台、レンジ打席4[15]営業中[15]
Strängnäs GK27→18ホール(検討中)[16]練習エリアと施設(案)[16]臨時総会で審議[16]

※「—」は本稿で確認していない項目。

利益率が薄い中で、夏しか使えないホールを維持するより、冬も使える打席に資金を回すほうが会員と収入をつなぎ止めやすい。これは4例から読める筆者の見立てで、各クラブが収支の数字で説明しているわけではない。

スウェーデン

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スウェーデンのゴルフは1年のうち何か月動いているのか

スウェーデンのゴルフは、数字で見ると夏に大きく偏っている。スウェーデン・ゴルフ連盟が集計した2025年の予約ラウンドは950万6,400で、7月だけで186万1,040と年間の約2割を占めた[18]。5〜8月の4か月を合わせると約7割になる[18]。

反対に、12〜3月の4か月は合わせて23万5,798ラウンドで、年間の2.5%にとどまる[18]。この集計は、ゴルフ場の予約システムでスタート時刻を予約したラウンドが対象で、約360クラブ分の数字だ[18]。集計対象の368クラブの会員は、ホームコースで1人平均19.6ラウンドを回った[18]。

それでも会員は増えている。2000年以降では、2004年の55万4,293人から2013年の47万3,480人まで9年続けて減った[19]。2020年に1年で5万4,580人増え、2025年は58万8,069人と過去最多になった[19]。

スウェーデンのゴルフ有効会員数は2004年の55.4万人から2013年の47.3万人まで減り、2020年に5.5万人増え、2025年に過去最多の58.8万人になった推移の折れ線グラフ
スウェーデンのゴルフ会員数の推移(2000〜2025年)

会員は過去最多なのに、冬の4か月はラウンドがほとんど動かない。Fors Golfが2027年の会員数に上限を設けるのも、コースの予約の取りやすさを保つためだった[9]。夏のコースは混み、冬は会員がクラブに来る理由が減る。季節に左右されない打席への投資は、この両方への手当てとして読めるというのが筆者の見立てだ。

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スウェーデン以外の寒冷地でも同じ動きはあるのか

北欧、北米、スコットランドの寒い国・地域でも、ゴルフ団体の統計や方針には、短いラウンドと屋内のシミュレーターに向かう動きが出ている。ただし、ホール数そのものを減らして練習施設に回した例は、今回確認した範囲ではスウェーデンの2例が中心だった。

ノルウェーは2012年を最後に新しいコースが建たず、屋内に投資が向かう

ノルウェー・ゴルフ連盟は2026年3月、国のスポーツ施設助成の補助単価の見直しに対する意見書を出した[20]。意見書によると、2012年に完成したフレドリクスタのKong Fredrik II Golfbaneを最後に、国内では新しいゴルフコースが建設されていない[20]。一方で会員は5年で75%増え、175クラブで約16万7,000になった[20]。子どもと若者に限ると増加率は275%だという[20]。

同連盟の別の資料では、北欧で1ホールあたりの会員数が最も多いのはノルウェーの72人で、最も少ないアイスランドは31人だ[21]。大都市の周辺では、すでに満杯のコースが多いとしている[21]。

意見書は、冬も練習できる屋内施設への投資を望むクラブが増えていると述べる[20]。シミュレーター1台の投資額は50万〜80万クローネ(約830万〜1,330万円。1ノルウェー・クローネ=16.6円換算)で、クラブは2〜6台の導入を考えている[20]。連盟は、シミュレーター1台につき最大20万クローネ(約330万円)を助成の対象に加えるよう求めた[20]。シミュレーターゴルフを連盟の正式な種目にする手続きも、国のスポーツ連盟と進めている[20]。冬のゴルフコースは、ほとんどがスキー場として使われているという[20]。

大きなアーチ屋根の白い建物の正面に、緑の文字でFORNEBU INDOOR GOLF CENTERと掲げられた屋内ゴルフ施設の外観
ノルウェーの首都オスロに近いフォルネブの屋内ゴルフ施設(2009年撮影)(画像:Kjetil Ree/Wikimedia Commons、CC BY-SA 3.0)

フィンランドはハンディキャップ用ラウンドの4分の1が9〜17ホール

フィンランド・ゴルフ連盟の2025年の年次報告によると、会員は16万1,635人で過去最多、前年比3.1%増だった[22]。国内のコースは187、年間のラウンドは約390万だ[22]。

ハンディキャップ用に提出されたラウンドのうち23.5%は、9〜17ホールの短いラウンドだった[22]。報告は、18ホールを好む人が多い一方で、短いラウンドの利用が増えていると書いている[22]。外国で提出されたラウンドは全体の6.2%で、その半分以上の54.0%はスペインで回ったものだった[22]。

米国は北部と中西部のシミュレーター導入率が南部の約2倍

米国のゴルフ産業の調査機関National Golf Foundation(全米ゴルフ財団)の2025年の白書によると、米国のゴルフ施設のうちシミュレーターを置いているのは6.5%だ[23]。地域別では中西部が8.4%、北部が7.9%で、通年でプレーできる南部の4%を上回る[23]。白書はこの差を、屋外のシーズンの短さで説明している[23]。

導入済みの施設の平均投資額は、1打席あたり4.5万ドル(約710万円。1ドル=158.5円換算)だった[23]。シミュレーターの利用者は2015年の380万人から2024年に810万人に増え、その51%は過去12か月にコースでプレーしていない人だという[23]。

米国のゴルフ施設のシミュレーター導入率は中西部8.4%、北部7.9%、全体6.5%、南部4.0%。ホール数別では9ホール3.0%、18ホール7.5%、27ホール以上9.9%
米国のゴルフ施設のシミュレーター導入率(地域別・規模別)

カナダは連盟のアプリでシミュレーターのラウンドを記録できるようにした

カナダのゴルフ連盟Golf Canadaは2025年12月、公式アプリで加盟シミュレーター施設での9ホール・18ホールのラウンドや練習を記録できるようにした[24]。発表は、多くの屋外コースが閉まる寒い時期に、屋内シミュレーターの人気が高まっていると説明している[24]。

自治体の動きもある。トロント市は2025年4月、市営5コースのひとつTam O’Shanterに、通年で使えるシミュレーター2台を設けた[25]。市営コースのラウンドは2024年に約24.8万で過去最多だった[25]。

スコットランドは9ホールのスコア提出が全体を上回って伸びた

英国のゴルフ業界誌が伝えたスコットランドのゴルフ統括団体Scottish Golfの集計では、2025年にハンディキャップ用に提出されたスコアは203万9,119件で、前年比14%増だった[26]。このうち9ホールのスコアは16万133件で、24%増と全体を上回った[26]。同団体の最高経営責任者は、9ホールのゴルフの伸びを、ゴルフがより柔軟で参加しやすくなっている表れだと述べている[26]。

国・地域主な数字資金や制度が向かう先
ノルウェー新コースは2012年が最後、会員は5年で75%増[20]屋内シミュレーターへの助成を要望[20]
フィンランド会員16万1,635人で過去最多[22]9〜17ホールのラウンドが23.5%[22]
米国シミュレーター導入率は北部7.9%・中西部8.4%、南部4%[23]シーズンが短い地域ほど屋内に投資[23]
カナダ連盟アプリがシミュレーターのラウンドに対応[24]トロント市営コースに通年のシミュレーター2台[25]
スコットランド9ホールのスコアが24%増[26]9ホールのラウンドもハンディキャップ用に提出できる[26]

どの国でも、コースを広げるより、季節と時間に縛られない打ち方に資金や制度が向かっている。これは5つの国・地域の統計と方針から読める筆者の見立てで、各団体が同じ理由を挙げているわけではない。

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日本のゴルフ場もホールを減らして練習場に投資しているのか

打席への投資は日本でも進んでいるが、ホールを減らしてその分を打席に回した例は、公開情報では見つからなかった。アコーディア・ゴルフの例では、データ付きの打席を広げているのはコースとは別に運営される練習場の側だ。

アコーディア・ゴルフは2026年7月、関東の練習場5か所にTrackMan Rangeを入れ、導入済みは10か所になった[17]。理由には、楽しく練習したい、データで効率よく上達したいという利用者の声を挙げている[17]。

同社は172のゴルフ場と26の練習場を運営する[17]。大手の中でコースと練習場が別の事業として並んでいる点が、コースの一部を練習施設に変えるスウェーデンの2例との違いだ。公的な助成で練習施設を整えた日本のクラブの例も、公開情報では確認できなかった。

北海道のゴルフ場は1月と2月の利用者が0人

北海道のゴルフ場の冬は、スウェーデンよりさらに止まっている。日本ゴルフ場経営者協会の月別の速報値(ゴルフ場利用税の納付をもとにした集計)では、北海道のゴルフ場利用者は2026年1月も2月も0人だった[28]。2025年12月も4,945人にとどまる[28]。

2025年4月から2026年3月までの12か月を足すと、北海道の利用者は約342万人で、12〜3月の4か月は年間の1.0%だった(筆者計算)[28]。同じ計算で日本全国は27.5%、スウェーデンのラウンドは2.5%になる[18][28]。

ほかの雪国の県も冬は細る。2026年1月の利用者は、秋田が0人、青森が106人、山形が111人、新潟が1,225人だった[28]。同じ月の千葉は60万653人だ[28]。

月ごとの利用割合の比較。スウェーデンは7月が年間の約2割、北海道は1月と2月が0人。12〜3月の4か月の割合はスウェーデン2.5%、北海道1.0%、日本全国27.5%
スウェーデンのラウンドと北海道・日本全国のゴルフ場利用者の月別の割合

1ゴルフ場あたりで見ても差がある。全国の2024年度の利用者は8,750万人で、1ゴルフ場あたり4万286人だった[27]。北海道は、月別速報値に載る140場で約342万人を割ると1場あたり約2.4万人になる(筆者計算。期間は2025年4月〜2026年3月)[28]。4〜11月の8か月で1年分のほぼすべてを稼ぐ構造は、スウェーデンのクラブと似ている。

美唄のゴルフ場は冬を雪遊びの場に変えた

冬の収益策では、北海道美唄市のアルペンの例がある。同社は、夏に27ホールのゴルフ場として使う125万平方メートルの敷地を、冬は「Alpen SNOWLAND 美唄」として営業している[31]。スノーモービル、スノーラフティング、子どもが運転できるミニスノーモービルなど、10種類以上の雪遊びを用意する[31]。

北海道新聞によると、スノーランドは毎年12月から翌年3月まで開かれ、2025〜26年の冬は前の期の倍近い3万5,000人を集める勢いだった[30]。もともとはゴルフ場の冬の活用策として始まったという[30]。

アルペンは2026年9月、東南アジアを中心に訪日客約3.5万人を呼んだ取り組みとして、ジャパン・ツーリズム・アワードの国土交通大臣賞を受けたと発表した[29]。受賞コメントでは、出発点は「冬は閉鎖せざるを得ないゴルフ場の経営をどうにかしたい」という課題だったと述べている[29]。2026〜27年の冬は、12月10日から翌年3月22日までの営業を予定する[29]。

雪に覆われた平らなゴルフ場の敷地に整備されたコースを、2台のスノーモービルが走っている
Alpen SNOWLAND 美唄。夏はゴルフ場として使う敷地を、冬はスノーモービルなどが走る(画像:株式会社アルペンのプレスリリースより)

スウェーデンの2例が冬も使える打席に投資したのに対し、美唄はゴルフ以外の雪遊びで冬を埋めた。雪国のゴルフ場がホール数を減らして練習施設に回した例や、ゴルフ場自身が冬の屋内練習施設に投資した例は、公開情報では確認できなかった。

比較軸スウェーデン(2例)日本
打席に投資する主体コースを持つクラブ[1][3]練習場を運営する事業者(アコーディア・ガーデンなど)[17]
ホール数の削減Fors Golfが18→12ホール[1]確認できず
TrackMan付き打席Fors Golfは新レンジの全打席[1]アコーディアの練習場26か所のうち10か所[17]
公的な助成Landskrona GKに相続基金から280万クローナ強[3]確認できず
冬の稼ぎ方屋根付き打席とシミュレーター[3]北海道美唄のゴルフ場を雪遊びの場に(Alpen SNOWLAND 美唄)[29][31]
12〜3月の利用の割合スウェーデン全体のラウンドの2.5%[18]北海道の利用者の1.0%(筆者計算)[28]

まとめ

Fors Golfは18ホールを12ホールに減らし、全打席TrackMan付きのレンジとスタジオを2027年春に開く。Landskrona GKは助成と自己資金で、屋根付きの打席20と屋上テラスの打席20を設ける。Svensk Golfによると、レンジ全体の練習打席は17増える[3]。どちらも、一年を通して使える打席に投資する。

ゴルフをする人にとっては、ホール数が少ないクラブが練習環境で選ばれる側に回りうる、という見方の変化がある。経営の判断材料としては、営業利益率の中央値が2.6%の業界で(非営利の協会を含むため慎重に読む必要がある)、季節に縛られる資産と通年で稼働する資産をどう配分するかが問われている。

スウェーデンの外でも、ノルウェーの連盟はシミュレーターへの助成を求め、米国では北部と中西部のゴルフ場が南部の約2倍の割合でシミュレーターを置く[20][23]。日本の雪国では、北海道の利用者が1月と2月に0人になる一方、美唄のゴルフ場は冬を雪遊びで埋めた[28][29]。冬の埋め方は国ごとに違うが、夏だけの施設のまま置かない点は共通していると筆者は見ている。

2027年春に新施設が開いたあと、会員数と打席の稼働がどう動くかが次に見る点だ。Strängnäs GKの臨時総会の結論も、同じ選択の行方を占う材料になる。

よくある質問(FAQ)

Q. 12ホールになるとプレー料金は下がるのか。
A. Fors Golfは2027年の料金を記事執筆時点で公表していない。2027年は会員数に上限を設けると案内している[9]。

Q. 日本のゴルフ場でもホールを減らす動きはあるのか。
A. ホールを減らして打席に回した日本の例は、公開情報では見つからなかった。データ付きの打席への投資は、アコーディア・ゴルフなどが練習場の側で進めている[17]。

Q. 北海道のゴルフ場は冬に何をしているのか。
A. 北海道のゴルフ場利用者は、2026年1月と2月がどちらも0人だった[28]。美唄市では、アルペンが27ホールのゴルフ場の敷地を冬に雪遊びの施設として営業している[29][31]。

Q. スウェーデン以外の寒い国でも同じ動きはあるのか。
A. ノルウェーの連盟はシミュレーターへの助成を求め、フィンランドではハンディキャップ用ラウンドの23.5%が9〜17ホールだった[20][22]。米国では北部と中西部のゴルフ場のシミュレーター導入率が南部の約2倍だ[23]。

Q. TrackMan付きの打席では何がわかるのか。
A. Fors Golfのスタジオに入るTrackMan 4は、クラブとボールの40以上の項目を測る[2]。ボール速度、キャリー、スピン量、打ち出し角などがその場でわかる[2]。

出典

  1. Går från 18 till 12 hål – siktar på 18 igen, Svensk Golf, 2026-10-06. https://www.svenskgolf.se/nyheter/gar-fran-18-till-12-hal-siktar-pa-18-igen/
  2. Trackman Range, Fors Golf公式サイト. https://forsgolf.se/spela/trackman-range/
  3. Miljonsatsning för Landskrona GK, Svensk Golf, 2026-10-08. https://www.svenskgolf.se/nyheter/miljonsatsning-for-landskrona-gk/
  4. Banan 2027, Fors Golf公式サイト. https://forsgolf.se/spela/banan-2027/
  5. Fors Golf公式サイト トップページ. https://forsgolf.se/
  6. Vår historia, Fors Golf公式サイト. https://forsgolf.se/om-fors-golf/var-historia/
  7. Information om nya anläggningen, Fors Golf公式サイト, 2026-09-14. https://forsgolf.se/2026/09/14/information-om-nya-anlaggningen/
  8. Range, Fors Golf公式サイト. https://forsgolf.se/spela/range/
  9. Medlemskap, Fors Golf公式サイト. https://forsgolf.se/medlemskap/
  10. Landskrona GK公式サイト トップページ. https://landskronagk.se/
  11. Trackman Range, Landskrona GK公式サイト. https://landskronagk.se/trana-golf/trackman-range/
  12. Byggnationen på driving rangen startar 5:e okt, Landskrona GK公式サイト, 2026-09-10. https://landskronagk.se/byggnationen-pa-driving-rangen-startar-5e-okt/
  13. Hur kommer pengar in till Allmänna arvsfonden?, Allmänna arvsfonden公式サイト. https://www.arvsfonden.se/om-allmanna-arvsfonden/arv-som-utvecklar-sverige/hur-kommer-pengar-in-till-allmanna-arvsfonden
  14. Branschfakta – Golf, Gröna arbetsgivare. https://www.grona.org/filer/lista/q1piao7m59ye68et2v0qfv6h/Branschfakta_-_Golf.pdf
  15. Ut med padel – in med golf, Svensk Golf, 2026-09-30. https://www.svenskgolf.se/nyheter/ut-med-padel-in-med-golf/
  16. Golfklubb överväger att sälja nio hål – 400 bostäder, Svensk Golf, 2026-10-06. https://www.svenskgolf.se/nyheter/golfklubb-overvager-att-salja-nio-hal-400-bostader/
  17. ゴルフ練習場「アコーディア・ガーデン」関東5カ所に弾道測定器「トラックマンレンジ」を新規導入, 株式会社アコーディア・ゴルフ, 2026-08-18. https://digitalpr.jp/r/140276
  18. 2025 Slutrapport golfspelet(Golfen i Sverige 2025), Svenska Golfförbundet, 2026-01-16. https://golf.se/statistik
  19. SGF medlemsutveckling 1904–2025, Svenska Golfförbundet. https://golf.se/statistik
  20. Høringssvar – endring av tilskuddssatsene, Norges Golfforbund, 2026-03-01. https://www.golfforbundet.no/files/files/placeholders/norges-golfforbund-horingssvar-spillemiddelsatser-2026.pdf
  21. Golftinget 2025: Status Golf-Norge, Norges Golfforbund. https://www.golfforbundet.no/files/documents/golftinget-2025-status-golf-norge-tor-anders-hanssen.pdf
  22. Suomen Golfliiton vuosikertomus 2025, Suomen Golfliitto. https://golf.fi/wp-content/uploads/2025/03/golfliitto-vuosikertomus-2025_260309.pdf
  23. The Golf Simulator Opportunity 2025 Edition, National Golf Foundation, 2025-04. https://ngf.org/wp-content/uploads/2025/04/2025-NGF-White-Paper-The-Golf-Simulator-Opportunity.pdf
  24. New indoor simulator integration feature gives golfers a comprehensive view of their game, Golf Canada, 2025-12-15. https://www.golfcanada.ca/articles/new-indoor-simulator-integration-feature-gives-golfers-a-comprehensive-view-of-their-game/
  25. City of Toronto tees off 2025 golf season with new indoor golf simulators and special programming, City of Toronto, 2025-04-10. https://www.toronto.ca/news/city-of-toronto-tees-off-2025-golf-season-with-new-indoor-golf-simulators-and-special-programming/
  26. Golf participation booms as Scottish WHS scores hit record high, The Golf Business, 2026-01-15. https://thegolfbusiness.co.uk/2026/01/golf-participation-booms-as-scottish-whs-scores-hit-rrecord-high/
  27. 「2024年度ゴルフ場利用者数」・「2025年2月末ゴルフ場数」について, 一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会. https://www.golf-ngk.or.jp/news/2025/riyouzei/2024comment.pdf
  28. 月別ゴルフ場利用者数(速報値)実行月2025年4月〜2026年3月分, 一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会. https://www.golf-ngk.or.jp/news/index.html
  29. Alpen SNOWLAND美唄が「国土交通大臣賞」を受賞, 株式会社アルペン, 2026-09-28. https://digitalpr.jp/r/143998
  30. 美唄の真っ平らな雪原に訪日客殺到、雪遊びに3万5千人 アルペン・スノーランド美唄, 北海道新聞, 2026-03-09. https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1284717/
  31. 北海道美唄の雪遊び場、名称を「Alpen SNOWLAND 美唄」へ一新!, 株式会社アルペン, 2025-12-03. https://digitalpr.jp/r/123977