鈴木愛が勝ったピンの白いパター「アリーブルー オンセット」は誰に合う?

2026年10月18日に最終日を迎えた「富士通レディース」で、鈴木愛選手が今季初優勝したときのパターが、ピンの「SCOTTSDALE TEC ALLY BLUE ONSET(スコッツデール テック アリーブルー オンセット)」だ[3]。6月には米国のウィンダム・クラーク選手が、長尺版で全米オープンを制している[5]。見た目はゼロトルク型に似ているが、中身はシャフトをフェースより後ろに入れた「オンセット」という独自の構造のマレットだ[1]。ブレードのようにフェースを操りたいが、芯を外したときの助けもほしい人に合う。反対に、手を使わずにフェースの向きを保ちたいならゼロトルク型を比べたほうがよい。

白いマレット型パターのヘッドを斜め上から見た写真。中央に黒い長いサイトラインが1本あり、黒いシャフトがヘッドの中央付近に入っている
ALLY BLUE ONSETのヘッド。白いボディに長いサイトライン(画像:ピンゴルフジャパン公式サイトより)

アリーブルー オンセットとは?スペックと同シリーズ・他社との比較

ALLY BLUE ONSETは、2026年4月9日に発売された「SCOTTSDALE TEC」シリーズのマレット型の1本だ[1]。ヘッドは370gで、ロフト角3度、ライ角70度、標準の長さは34インチだ[1]。販売店の掲載価格は税込71,500円で[2]、価格.comの最安値は記事執筆時点で59,580円だった[10]。

比べる相手には、同じシリーズでオンセット構造の「KETSCH ONSET」、オンセット構造ではない「ALLY BLUE H」、長尺用の「ALLY BLUE ONSET CB」、そしてゼロトルク型として話題のPXG「Torpedo ZT」を選んだ[1][9]。

モデル(メーカー)構造ヘッド重量標準の長さ価格(税込)
ALLY BLUE ONSET(ピン)オンセット[1]370g[1]34インチ[1]71,500円[2]
ALLY BLUE ONSET CB(ピン)オンセット・カウンターバランス[1]370g[1]37インチ[1]—
ALLY BLUE H(ピン)オンセットではない[1]370g[1]34インチ[1]—
KETSCH ONSET(ピン)オンセット[1]350g[1]34インチ[1]—
Torpedo ZT(PXG)ゼロトルク[9]370g(357〜392gで調整可)[9]—81,400円[9]

※「—」は本稿で確認していない項目。価格はメーカー・販売店の掲載価格で、記事執筆時点のもの。

ピンの公式サイトによると、長さは31〜36インチ(CBは36〜37.5インチ)で注文でき、左用もある[1]。価格.comでは記事執筆時点で、このモデル(34インチ)がパターの人気順位の30位前後に入っている[10]。

白いパターヘッドを真上から見た写真。サイトラインの手前に黒い点があり、シャフトはフェースより後ろ、サイトラインの位置からヘッドに入っている
構えたときの見え方。シャフトがフェースより後ろから入る(画像:ピンゴルフジャパン公式サイトより)
PING/パター

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オンセットとゼロトルクは何が違う?構造を公式情報で整理

オンセットは、ネックとシャフトの軸をフェースより後ろに置く構造で、ピンはブレード型の操作性とマレット型のやさしさを両立させるためのものだと説明している[1]。構えたときにボール全体が見えることも利点に挙げている[1]。

見た目はゼロトルク型に似ているが、中身は違う。みんなのゴルフダイジェストのタイアップ記事で、クラブフィッターの小倉勇人氏は、このモデルはフェースバランスで、フェースがシャフトより左に出た「出っ歯なマレット」だと解説している[7]。ゼロトルク型のTorpedo ZTは、シャフトの軸をヘッドの重心のすぐ近くに通し、ストローク中にヘッドがねじれにくくすることでフェースの向きを保つ考え方だ[9]。

ピンの公式サイトは、オンセットは「押す」動きではなく「引く」動きを促し、フェースを操りやすくすると説明している[1]。つまり、フェースの向きをパターに任せるのではなく、自分で合わせにいく人のための作りと言える。

ブレード型、一般的なマレット型、白いONSETモデルの3本のパターを上から並べ、シャフトの軸を示す赤い線から重心を示す赤い点までを矢印で結んだ図
シャフトの軸(赤線)から重心(赤丸)までの距離を3つの形で比べたメーカーの図(画像:ピンゴルフジャパン公式サイトより)

ほかの技術は2つある。1つは「EYE-Q」で、ヘッドの色・点・長いサイトラインで目線の行き先をはっきりさせ、打つ直前の視線を安定させる「クワイエット・アイ」をねらう[1]。ピンは自社のテストで、特にショートパットで効果が大きかったとしている[1]。もう1つはフェースのPEBAX(ペバックス)インサートで、やわらかい打感と転がりのよさをねらう[1]。ボディはアルミ、ソールはステンレスの組み合わせで、重さを外周に配って慣性モーメント(芯を外したときのブレにくさ)を高めている[1]。

EYE-Qのロゴと、白いパターヘッドのサイトラインと点を拡大した丸い図。ヘッド中央のサイトラインの周りが茶色く強調されている
目線を一点に集めるための「EYE-Q」の点と線(画像:ピンゴルフジャパン公式サイトより)
PING/パター

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アリーブルー オンセットの評判は?鈴木愛とクラークの使用実績

日米で2人の選手が、このモデルで優勝している[3][5][6]。

ピンのタイアップ記事によると、鈴木愛選手はオフにピンの米国アリゾナの施設でフィッティングを受け、開幕からこのモデルを使っている[4]。4月の「KKT杯バンテリンレディス」第2ラウンドでは63をマークし、ツアー最少記録となる18パットを記録した[4]。10月の富士通レディースでは通算15アンダーで優勝し、初日と最終日はともに26パットだった[3]。ふだんはブレード型を好むという鈴木選手は、このパターについて「フェースにしっかりボールが乗る感覚があり」と話している[3]。

ウィンダム・クラーク選手は、3月からこのシリーズを使い始め、ヒューストンオープンで米国仕様の35インチのALLY BLUE ONSETを投入し、その後カウンターバランス版に切り替えた[5]。全米オープンで使ったのは38インチ・ヘッド約400gの特注仕様だ[5]。5月の「CJカップ・バイロン・ネルソン」では、パットで1大会あたりのPGAツアー記録となる12.5打以上をフィールドから稼いで優勝している[6]。その後ピンは、クラーク選手とSCOTTSDALE TECパターだけを使う契約を結んだ[6]。

GOLF.comによると、クラーク選手のストロークゲインド・パッティング(パットでフィールド平均より1ラウンドあたり何打稼いだか)は、155位のマイナス0.725打から43位のプラス0.239打に上がった[5]。

海外メディアでは、英国のGolfalotがレビューを出している。打感はやわらかく「カチッ」という音がまったくしないと書き、ストロークのどの部分で打っても寛容に感じたと評価した[8]。一方で、白い仕上げの耐久性と価格を気になる点に挙げている[8]。

白と黒のパターヘッドを下から見た写真。ソールにPINGのロゴとALLY BLUE ONSETの文字、白い部分にSCOTTSDALE TECの文字がある
ソール側。黒いソールにモデル名が入る(画像:ピンゴルフジャパン公式サイトより)
パター/ピン

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アリーブルー オンセットは誰に合う?悩み別の選び方

選ぶ基準は、「フェースを自分で合わせたいか、パターに任せたいか」と「長さ」の2つだ。

悩み・好みおすすめ理由
ブレードの操作感が好きだが、芯を外したときの助けもほしいALLY BLUE ONSETオンセットでブレードの操作性とマレットのやさしさを両立[1]。ブレード派の鈴木愛選手が採用[3][4]
構えたときにフェースの向きが合わないALLY BLUE ONSET長いサイトラインと点で目線を一点に集めるEYE-Q[1]
左目が利き目で、マレットだとボールが見にくいALLY BLUE ONSET利き目が左の小倉氏は、構えるとボールが自然に利き目の下に来ると解説[7]
長尺やカウンターバランスで手首の動きを抑えたいALLY BLUE ONSET CB36〜37.5インチで注文できる[1]。クラーク選手が使うのもこの系統[5]
一般的なネックの位置がよいALLY BLUE H同じシリーズのオンセットではないマレット[1]
フェースの向きはパターに任せたいゼロトルク型(例:PXG Torpedo ZT)ヘッドのねじれを抑えて向きを保つ設計[9]
フェースを自分で合わせたいならオンセット、パターに任せたいならゼロトルク型、長尺で構えたいならCB
ストロークの好みからSCOTTSDALE TECの形を選ぶ流れ

筆者の見立てでは、いまブレード型を使っていて、ショートパットだけマレットの安心感がほしい人が最初に試すべき1本だ。小倉氏も、形の好き嫌いは分かれると書いている[7]。フェースがシャフトより前に出た見た目に違和感がないかは、購入前に店頭で構えて確かめたい。

まとめ:ブレード派のためのマレット

ピンのSCOTTSDALE TEC ALLY BLUE ONSETは、シャフトをフェースより後ろに入れたオンセット構造のパターで、ピンはブレード型の操作性とマレット型のやさしさを両立させたと説明している[1]。ヘッドは370g、標準34インチで、販売店の掲載価格は税込71,500円だ[1][2]。ゼロトルク型とは考え方が違い、フェースの向きを自分で合わせたい人に向く[1][7][9]。

ブレード派の鈴木愛選手が富士通レディースで、クラーク選手が全米オープンで、それぞれこのモデルで勝っている[3][5]。迷ったら標準の長さで構えてみて、見た目と「引いて打つ」感覚がなじむかを確かめるのが失敗しにくい。

SCOTTSDALE TEC ALLY BLUE ONSET パター(ピン)の販売情報は以下から確認できる。

よくある質問(FAQ)

Q1. アリーブルー オンセットはゼロトルクパターですか?
A. いいえ。ピンはシャフトの軸をフェースより後ろに置く「オンセット」という構造だと説明しています[1]。フィッターの解説では、バランスはフェースバランスです[7]。

Q2. 鈴木愛選手が使っているパターはどれですか?
A. 2026年の富士通レディースで優勝したときに使っていたのは「SCOTTSDALE TEC ALLY BLUE ONSET」です[3]。開幕から使っていると報じられています[4]。

Q3. 価格と長さの選択肢は?
A. 標準仕様の販売店の掲載価格は税込71,500円、標準の長さは34インチです[1][2]。注文時に31〜36インチ、CBは36〜37.5インチから選べ、左用もあります[1]。

出典

[1] SCOTTSDALE TECパター|ピンゴルフジャパン公式サイト
[2] ピン(PING) スコッツデールTECパター アリーブルー オンセット|ゴルフショップ岡村
[3] 鈴木愛が「富士通レディース」で今季初優勝|ゴルフプレス
[4] 鈴木愛が使うピンの白いパター「SCOTTSDALE TEC ALLY BLUE ONSET」|みんなのゴルフダイジェスト(PR記事)
[5] Wyndham Clark’s Ping putter at the U.S. Open|GOLF.com
[6] PING signs Wyndham Clark to Scottsdale TEC putter agreement|Golf Business News
[7] 鈴木愛もメジャーチャンプも愛用のPINGの“白いパター”。『アリーブルーオンセット』はどこがいいのか、フィッターと考えてみた|みんなのゴルフダイジェスト(PR記事)
[8] Ping Scottsdale TEC Ally Blue Onset Putter Review|Golfalot
[9] PXGからゼロトルク設計でフェースのねじれを抑制した「Torpedo ZT」パター発表|ゴルフのニュース
[10] ピン SCOTTSDALE TEC ALLY BLUE ONSET(34インチ)|価格.com
[11] Jack Hirsh(@JR_HIRSHey)X投稿 https://x.com/JR_HIRSHey/status/2058305345899118778
[12] GDOニュース(@GDO_news)X投稿 https://x.com/GDO_news/status/2029313449210331334
[13] Jack Hirsh(@JR_HIRSHey)X投稿 https://x.com/JR_HIRSHey/status/2037595436727386232

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