
オランダの自動車・旅行団体ANWBが運営するゴルフクラブ、ANWB Golf(エーエヌダブリュービー・ゴルフ)が、ゴルフ場の口コミ・予約サイトLeading Courses(リーディング・コーシズ)と提携した[1]。2026年9月14日から、会員は提携コースのティータイムを会員料金でネット予約できる[1][2]。ANWB Golfは会員が6.5万人を超え、自らをオランダ最大のゴルフクラブと名乗る[1][4]。
ANWB Golfは自前のコースを持たない会員組織だ。オランダではゴルファーにオランダゴルフ連盟(NGF)への登録が求められ、ANWB Golfはその登録とハンディキャップ管理を引き受ける[5]。いわばホームコースのない人の受け皿で、提携コースでのグリーンフィー優待も会員特典にしている[4][5]。
これまで会員は受付でパスを見せて割引を頼む必要があったが、今後は空き枠を画面で見て、会員料金が自動で付いた状態でその場で支払える[3]。予約の仕組みはANWB Golfが自前で作らず、技術、決済、顧客対応をLeading Coursesが担う[3]。
本稿は会員組織、予約サイト、ゴルフ場の3者がそれぞれ何を得るのかを整理し、日本の予約サイトと会員制度の関係と比べる。
ANWB Golfとはどんな会員組織で、Leading Coursesと何を始めたのか
ANWB Golfは2004年に始まった、ANWBの会員でなくても入れるゴルフクラブだ[5]。コースの会員権を持たない人でも、ここに入ればNGFの登録とハンディキャップの管理を受けられる[4][5]。毎年3,000人を超える人が、ここでハンディキャップ54の講習を通過している[5]。
年会費は2つの区分がある。ハンディキャップ登録付きは年77.5ユーロ(約1.4万円。1ユーロ=178円換算)、割引パスのみは年45ユーロ(約8,000円)だ[4]。割引パスは、すでに別のクラブでNGF登録をしている人向けの区分になる[4][5]。ANWBの会員なら年会費から10ユーロ(約1,800円)が引かれる[4]。

会員特典の柱はグリーンフィー優待で、提携コースは約100、Premium Partnersと呼ぶコースでは15%引きになる[4]。ANWBの総合サイトは、優待の対象をオランダ、ドイツ、ベルギーの90を超えるコースと書く[5]。15%は従来の優待の上限で、今回のネット予約での割引額ではない。
今回の提携でLeading Coursesが担うのは、予約の技術、予約処理、決済、顧客対応だ[3]。会員はANWB Golfのサイトで空き枠を見て、提携コースに直接予約を入れる[1][3]。
開始時点の対象は一部のコースに限られ、今後数か月で順に増やすという[1]。対象コースの数と会員料金の割引額は、どの一次情報にも書かれていない[1][2][3]。
会員組織、予約サイト、ゴルフ場の3者がどこで利益を分け合うのかを、場をつくる側の視点で整理したい読者向けの一冊。
会員料金のネット予約で、ゴルファーの予約手順はどう変わるのか
ネット予約の開始で、会員は割引を受けるために受付でやりとりする手間がなくなる。ANWB Golfの案内では、会員料金は自動で適用され、パスを見せたり割引を頼んだりする必要はない[3]。支払いもオンラインで済み、予約の確認はすぐに届く[3]。

従来の予約は、主に電話、メール、受付で受けていたとLeading Coursesのリック・ルッツCEOは話す[1]。ANWB Golfのイゴール・ホイング代表は、提携で予約がより簡単になると述べている[1]。
会員にとっての変化は、複数のコースの空き枠を1つの画面で比べられることにもある[1]。これまでは行きたいコースごとに問い合わせる必要があった。どのコースが会員料金で空いているかを先に見てから、日程と行き先を決められる。
| 項目 | 従来の優待 | 2026年9月14日以降のネット予約 |
|---|---|---|
| 予約の窓口 | 電話・メール・受付[1] | anwbgolf.nl[1][3] |
| 割引の受け方 | パスを見せて頼む[3] | 自動で適用[3] |
| 支払い | — | オンラインで決済[3] |
| キャンセル | — | 48時間前まで無料[3] |
| 割引額 | 最大15%(Premium Partners)[4] | 非公表 |
| 対象コース数 | 約100[4] | 非公表(段階的に拡大)[1] |
※「—」は本稿で確認していない項目、「非公表」は公開されていない項目。
キャンセルは予約の48時間前まで無料だ[3]。電話予約に比べて取り消しの条件が先に決まっている点は、プレー日が近づいてから予定を変える人ほど気にかかる部分だろう。
NGFのパス情報を見るにはログインが要る[3]。予約画面と会員情報がつながるので、受付での確認がいらなくなると考えられる。
自前でシステムを作らず既存の予約基盤に乗る判断を、プラットフォーム時代の競争の考え方から確かめたい読者向け。
ゴルフ場と予約サイトにとって、会員組織と組む利点は何か
ゴルフ場側の利点として、両社は予約の増加、無断キャンセルの減少、事務の時間の節約を挙げる[1]。いずれも両社の見込みで、提携後の実績はまだ公表されていない。
Golf Business Monitorは、オンライン予約が一般に無断キャンセルを減らすと書く[2]。今回の方式では、事前の決済と48時間前までのキャンセル期限が組み合わさる[3]。この2つが無断キャンセルを抑えることにつながると考えられる。

予約の仕組みを担うLeading Coursesは2013年創業の口コミ・予約サイトだ[7]。2023年11月時点で、世界の2万5,000を超えるコースの情報を載せ、20か国を超える地域の3,000超のクラブでティータイムを扱っていた[7]。サイトの訪問者は月40万人を超えていた[7]。
ANWB Golfにとっては、予約の基盤を一から作らずに済む。業界メディアのGolf Business Monitorは、自前の予約インフラを作るのではなく、確立した基盤に乗る判断だと評した[2]。

母数も見ておく。NGFの統計では、2026年4月1日時点のオランダの登録ゴルファーは44万5,009人で、前年から3.3%増えた[6]。同じ統計で会員の増加数が最も多かったクラブがANWB Golfだと報じられている[6]。
時点が違うため目安だが、筆者の計算ではANWB Golfの会員は登録ゴルファーの7人に1人程度になる。予約サイトから見れば、この規模の会員にまとめて届く窓口を得たことになる[2]。
参加するコースは今後も増やす方針で、加わりたいクラブにはANWB Golfの担当者が窓口になっている[2]。
米国中南部オクラホマ州ブロークンアロー(州第2の都市タルサの郊外)にあるゴルフクラブ、ザ・クラブ・アット・フォレストリッジ(The Club at Forest Ridge)が、2026年11月1日付で完全会員制に移る[2]。これまでは会[…]
日本でクラブに所属しないゴルファーの予約と会員制度はどう違うのか
日本でも予約サイトとハンディキャップの仕組みは結びついているが、役割の分け方が違う。日本ゴルフ協会(JGA)は、楽天GORAやゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)を、ハンディキャップインデックスを発行できる査定倶楽部として認めている[9]。オランダでは会員組織が予約サイトと組んだのに対し、日本では予約サイト自体がホームコースのない人の所属先になれる。
JGAの案内では、ハンディキャップインデックスは所属する倶楽部や団体を通じて取得し、所定のコースのスコアを3枚以上登録すると発行される[8]。所属先がない人向けには、入会金なし・年会費2,400円(税別)のJGAグリーンクラブ会員もある[9]。
オンラインで先に払う予約も日本で広がっている。GDOは2025年12月期第1四半期に、事前決済サービスHOT PRICEのチケット販売数が前年同期の約1.9倍になったと報告した[10]。
| 比較軸 | オランダ(ANWB Golf) | 日本 |
|---|---|---|
| 協会への登録 | NGFへの登録が求められる[5] | — |
| ホームコースのない人の所属先 | ANWB Golfなどのクラブ[5] | JGA個人会員、楽天GORA・GDOなど[8][9] |
| 所属先の年会費 | 年77.5ユーロ(約1.4万円)[4] | JGAグリーンクラブ年2,400円(税別)[9] |
| 予約の担い手 | 会員組織が予約サイトと提携[1] | 予約サイトが所属先も兼ねる[9] |
| 事前決済 | 会員料金でオンライン決済[3] | GDOのHOT PRICEが前年同期の約1.9倍[10] |
※「—」は本稿で確認していない項目。
2026年5月、Googleは予約という行為を変える機能を静かに発表した[1]。 「Search Agents(サーチエージェント)」と呼ぶAIエージェントが、ゴルフ場のティータイムを探し、空き枠を評価し、設定した決済上限の範囲で予約を完[…]
よくある質問(FAQ)
ANWB Golfの会員料金はいくら安くなるのか
今回のネット予約での割引額は公表されていない。従来の優待では、Premium Partnersと呼ぶコースで最大15%引きだった。
日本のゴルファーもこの予約を使えるのか
使うにはANWB Golfの会員になる必要があり、対象はオランダを中心とした提携コースだ。日本のコースの予約や料金には直接の影響はない。
予約したあとにキャンセルはできるのか
できる。ティータイムの48時間前までなら無料で取り消せる。
デンマーク(北欧の国、人口約593万人)発のゴルフ場向けソフトウェア企業Players 1st(プレイヤーズ・ファースト)が2026年7月、会員・ゲスト・イベント・飲食・従業員調査など複数のデータを横断的に分析するAIアシスタントを世界展[…]
まとめ
会員6.5万人超のANWB Golfは、Leading Coursesの予約基盤に乗り、2026年9月14日から提携コースを会員料金でネット予約できるようにした。予約の技術、決済、顧客対応は予約サイトが担い、会員組織は会員を予約画面に送る役に回った。
会員の側で確かめられる変化は2つある。受付で割引を頼む手間がなくなることと、48時間前までなら無料で取り消せる条件が予約の時点で示されることだ[3]。
対象コースの数と割引額はまだ公表されていない。提携コースが数か月でどこまで増えるかが、会員にとっての価値を決める。日本では予約サイトが所属先を兼ねる形が先にあり、会員組織と予約サイトが組むオランダの形とは出発点が違う。
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出典
- Golfers Magazine「ANWB Golf en Leading Courses slaan handen ineen voor het online boeken van starttijden」(2026年9月18日) https://golfersmagazine.nl/artikel/695786/anwb-golf-en-leading-courses-slaan-handen-ineen-voor-het-online-boeken-van-starttijden
- Golf Business Monitor「ANWB Golf x Leading Courses: A Partnership Worth Watching for Every Club Marketer」(2026年9月18日) https://golfbusinessmonitor.com/golf-club-marketing/2026/09/anwb-golf-leading-courses-partnership-details-and-benefits.html
- ANWB Golf公式サイト「Boek nu online je starttijd met ANWB Golf-voordeel」 https://www.anwbgolf.nl/club/boek-nu-online-je-starttijd-met-anwb-golf-voordeel
- ANWB Golf公式サイト「Lidmaatschap」 https://www.anwbgolf.nl/lidmaatschap
- ANWB公式サイト「Golf」 https://www.anwb.nl/vrije-tijd/golf
- Greeninside(NGF統計 golfers 2025、2026年4月1日時点) https://greeninside.eu/article/53978/leeg.asp
- Golf Business News「Leading Courses appoints new CEO」(2023年11月17日) https://golfbusinessnews.com/news/corporate/leading-courses-appoints-new-ceo/
- 日本ゴルフ協会「ハンディキャップ取得について」 https://www.jga.or.jp/handicap/getting_handicap/
- 日本ゴルフ協会「JGA個人会員」 https://www.jga.or.jp/about_jga/members_kojin/
- ゴルフダイジェスト・オンライン「2025年12月期 第1四半期 決算説明資料」(2025年5月15日) https://www2.jpx.co.jp/disc/33190/140120250515554996.pdf
- 欧州中央銀行「Euro foreign exchange reference rates: Japanese yen」(2026年10月16日の値を参照) https://www.ecb.europa.eu/stats/policy_and_exchange_rates/euro_reference_exchange_rates/html/eurofxref-graph-jpy.en.html


