ローンチモニターのソフトが会員制に Foresightでコースを回すには年494ドルから

米国のゴルフ計測機器メーカー、フォーサイトスポーツ(Foresight Sports)が、ローンチモニター(打球の初速や回転、クラブの動きを測る弾道計測器)向けソフトを会員制に切り替えた。親会社の米レベリスト(Revelyst、カリフォルニア州カールスバッド)が2026年9月21日(米国時間)、会員制サービス「Foresight+」と新しいPC用ソフト「Foresight Premier」を発表した[1]。これまでの「FSX」ソフトの後継で、仮想コースを回る「コースパス」は年295ドル(約4万6400円)、上位の「コースパス・プロ」は年595ドル(約9万3700円)だ[1][2]。

家庭や練習場でシミュレーターを使う人にとっては、機器を買えば使えたソフトの一部に、毎年の会費がかかるようになる。対象はフォーサイトとブッシュネル・ゴルフの現行ローンチモニターで、会員資格は機器ではなく利用者のアカウントにひもづく[1][4]。

ビジネス側の論点は、100万円を超える機器を売り切ってきたメーカーが、ソフトを年額の会員制に切り替えた点にある[5]。本稿は料金体系と永久ライセンスの扱いを整理し、他社と比べて収益モデルの変化を読み解く。金額は1ドル=約157.4円で換算した(auじぶん銀行の2026年9月28日7時6分時点の参考レート、預入157.51円・払戻157.27円の中間値)[13]。

Foresight+とは何か ローンチモニターのソフトはどう変わったのか

Foresight+は、PC用ソフトとスマートフォン用アプリをひとつの会員資格でまとめたサービスだ[1]。PC側のForesight Premierは、コースを回る「FSX Play」と、計測データを分析する「FSX Pro」を統合した後継ソフトで、画質や弾道の物理計算を刷新したという[1]。

大きな変更は、ライセンスの単位だ。従来は機器ごとにソフトを認証していたが、Foresight+は個人のアカウントに会員資格をひもづけ、ライセンスキーなしで対応機器をまたいで使える[1]。自宅に「Falcon」、練習場に「GC3」を置く人も、ひとつの会員資格で両方に使える[3]。

機器ごとに認証していたFSX PlayとFSX ProがForesight Premierに統合され、アカウント単位の会員資格Foresight+でPCソフトとアプリをまたいで使える仕組みを示す図
FSXからForesight+への移行(ソフトとライセンスの単位の変化)

公式サイトによると、Premierは同社のGC3、GC3S、GCQuad、QuadMAX、GCHawk、Falconと、同じレベリスト傘下のブッシュネル・ゴルフのLaunch Pro、LPiに対応する[4]。動かすにはWindows 10/11のPCが要り、最低構成でも映像メモリ8GBのGPUを求める[4]。

Foresight Premierに対応するローンチモニター5機種(天井設置型1台と床置き型4台)を並べた製品画像
Foresight Premierが対応するForesight Sports・Bushnell Golfのローンチモニター(画像:Foresight Sports公式サイトより)

機器の売り切りから会員制の継続課金へ移る企業が何を変えるのかを知りたい読者には、サブスクリプション事業の設計を扱うこの一冊が手がかりになる。

Foresight+の料金はいくらか コースを回すのに年いくらかかるのか

会員資格は無料・シルバー・ゴールドの3段階で、コースを回るにはシルバー以上に加えてコースパスが必要になる[1][3]。シルバーとゴールドの価格は発表文になく、公式サイトに年199ドル(約3万1300円)と年599ドル(約9万4300円)と載っている[3]。支払いは年額で、自動更新だ[3]。

区分年額主な内容
無料0ドル球とクラブのデータ、直近10回分の履歴[1][3]
シルバー199ドル(約3万1300円)履歴無制限、練習機能の追加、コースパスの購入資格[3]
ゴールド599ドル(約9万4300円)シルバーの内容に加え、スイング動画、複数プロフィール、クラブ比較、他社ソフト連携[3]
コースパス295ドル(約4万6400円)35コース。シルバー以上が必要[3][4]
コースパス・プロ595ドル(約9万3700円)全111コース。シルバー以上が必要[3][4]

発表文は2つのコースパスを合わせて「100を超えるコース」と説明している[1]。公式サイトの内訳では、295ドルのコースパスで回れるのは35コースで、111コースすべてはコースパス・プロの対象だ[4]。年295ドルのコースパスだけでは、コースの大半は開かない。

コースを回す4つの組み合わせの年額を、会員資格とコースパスの積み上げで示した横棒。シルバー199+コースパス295で計494ドル、シルバー+コースパス・プロで794ドル、ゴールド599+コースパスで894ドル、ゴールド+コースパス・プロで1,194ドル

最も安くコースを回す組み合わせでも、シルバーとコースパスで年494ドル(約7万7800円)かかる。全111コースと分析機能をそろえるゴールドとコースパス・プロでは年1,194ドル(約18万7900円)だ[3]。新品の機器には30日間の無料試用が付く[3]。

ゴルフテック/海外展開

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既存のFSX利用者の永久ライセンスはどうなるのか

すでにFSXの永久ライセンスを持つ利用者は、そのままFSXを使い続けられる[1]。発表文は、既存顧客がローンチモニターの所有権と永久ライセンスを保ったまま、新機能へ移るかどうかを選べるとしている[1]。公式サイトのFAQも、FSX Play、FSX Pro、FSX 2020のライセンスは引き続き動作すると明記している[3]。FSX Playで買ったコースは、シルバー以上なら新しいPremierでも使える(対応するコースに限る)[1]。

既存のFSX利用者はFSXをそのまま使い続けるか、Foresight+に入ってPremierへ移るかを選べ、シルバー以上なら購入済みコースを持ち込め、他社ソフトGSProとの連携はゴールドのみで別途GSProの契約が必要なことを示す図
既存のFSX利用者の選択肢

見落としやすいのは他社ソフトとの連携だ。他社のシミュレーターソフト「GSPro」との連携はゴールドだけの機能で、GSPro自体の契約も別に要る[3]。シルバーと無料会員はGSProを使えない[3]。

練習場などの事業者向けには、ゴールド相当の機能とコースを含む法人アカウントがあり、打席(ベイ)ごとにライセンスを付与する[3]。会費の払い戻しには応じないと公式サイトは定めている[3]。

ゴルフテック/海外展開

ゴルフチャンネルを運営するVersant Media Group(米ケーブルテレビ大手。CNBCやGolf Channelを傘下に持つメディア持株会社)が2026年7月、ゴルフ・野球用シミュレーターを手がけるFull Swing(PGAツ[…]

他社のローンチモニターのソフト課金と比べて高いのか

家庭用で先に会員制を採った他社と比べると、Foresight+でコースを回す費用は高い。米ラプソード(Rapsodo)は「MLM2PRO」向けのプレミアム会員が年199.99ドル(約3万1500円)で、3万超の仮想コースとGSProなど他社ソフトとの連携を含む[6]。米ガーミン(Garmin)はシミュレーター機能「Home Tee Hero」の利用に有料会員を求め、会費は年99.99ドル(約1万5700円)、4万3000超のコースを回れる[7][8]。

コースを回せる最安の年会費はForesight+がガーミンの約5倍
項目Foresight+ラプソードガーミン
コースを回せる最安の年額494ドル(約7万7800円)[3]199.99ドル(約3万1500円)[6]99.99ドル(約1万5700円)[7]
回れるコース数35(全111はプロ)[4]3万超[6]4万3000超[8]
GSPro連携ゴールドのみ[3]会員に含む[6]—
買い切り型の選択肢既存FSXのみ継続[1]生涯会員599.99ドル(期間限定)[6]—

※「—」は本稿で確認していない項目。

ただし対象の機器の価格帯も違う。フォーサイトはGC3が6,999ドル(約110万円)から、QuadMAXが19,999ドル(約315万円)からだ[5]。

レベリストのゴルフ部門を率いるジェフ・フォスター氏は、ソフトが計測機器の水準に届いていなかったと認め、会員制で機能を足し続けると述べた[1]。筆者の見立てでは、機器の販売台数に左右されない継続収入をつくり、ソフトの改善に投資を回す狙いがある。既存の永久ライセンスを残したのは、高額な機器を買った顧客の反発を抑えるためとも読める。

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日本のローンチモニターのソフトは会員制になっているのか

日本でフォーサイト製品のソフトが会員制へ移ったとは、記事執筆時点では確認できなかった。国内正規代理店の有限会社アンプラス(横浜市)は、GC3のレンタルプランにPC用ソフトFSX2020(標準10コース)を同梱すると2023年2月に発表した[10]。同社のニュース一覧にもForesight+の告知はない[11]。

月額化は別の形で進んでいる。アンプラスは2023年2月、法人と個人事業主向けにGC3セット(FSX2020搭載)の月額5万6700円のレンタルを始めた[10]。ガーミン日本の公式サイトも、Approach R50で約4万3000コースを回るには有料サブスクリプションが必要と明記する[9]。

矢野経済研究所は2024年の国内ゴルフ用品市場を2,933億3,000万円と推計したが、ローンチモニター単独の数字は出していない[12]。

比較軸米国(Foresight+)日本
フォーサイトのソフト提供年額の会員制。既存FSXは継続[1][3]GC3のレンタルにFSX2020(標準10コース)を同梱(2023年2月発表)[10]
会員制の告知2026年9月に発表[1]代理店のニュース一覧では確認できず[11]
事業者向けの月額法人アカウントで打席ごとにライセンス[3]GC3セットの月額レンタル5万6700円(2023年2月開始)[10]
ガーミンのシミュレーター有料会員が必要[8]有料サブスクが必要[9]
ローンチモニター単独の市場規模—非公表[12]

※「—」は本稿で確認していない項目、「非公表」は公開されていない項目。

まとめ

フォーサイトはFSXの後継ソフトを会員制とし、ライセンスを機器からアカウントへ移した。年295ドルのコースパスで回れるのは35コースで、最も安くコースを回す組み合わせでも年494ドル、全111コースと分析機能をそろえると年1,194ドルになる。ゴルフをする読者には、機器の値段に加えて毎年のソフト代を含めた総額で機種を比べる必要が出てきた。ビジネス読者には、既存の永久ライセンスを残しつつ新機能を会員側に置く移行の手順が、売り切り型の機器メーカーが継続課金へ移るときの判断材料になる。日本で公表されているのはFSX2020を同梱したレンタルの形で、国内正規代理店がForesight+をどう扱うかが次の注目点になる。

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よくある質問(FAQ)

Q. Foresight+とは何ですか。
A. 米フォーサイトスポーツのローンチモニター向けソフトの会員制サービスで、無料・シルバー(年199ドル)・ゴールド(年599ドル)の3段階がある[3]。コースを回るには別に年295ドルか595ドルのコースパスが要る[3]。

Q. 今持っているFSXは使えなくなるのですか。
A. 使えなくなることはなく、FSX Play、FSX Pro、FSX 2020の永久ライセンスは引き続き動作する[3]。新しいPremierの機能を使いたい場合だけ会員に入ればよい[1]。

Q. 日本で買ったフォーサイトの機器にも会費がかかりますか。
A. 国内正規代理店の告知では、記事執筆時点で会員制の国内展開は確認できなかった[11]。国内では2023年2月に、GC3のレンタルプランにFSX2020を同梱する形が発表されている[10]。

出典

  1. Foresight Sports Unveils Next Generation Software and Membership Platforms; Connecting Practice, Play and Competition, Business Wire(Revelyst), 2026-09-21. https://www.businesswire.com/news/home/20260921424853/en/Foresight-Sports-Unveils-Next-Generation-Software-and-Membership-Platforms-Connecting-Practice-Play-and-Competition
  2. Foresight Sports: Launches Foresight+, an all-in-one digital ecosystem, First Call Golf, 2026-09-20. https://www.firstcallgolf.com/industry-news/release/2026-09-20/foresight-sports-unveils-next-generation-software-and-membership-platforms-connecting-practice-play-and-competition
  3. Foresight+ — One membership, every way to play, Foresight Sports. https://plus.foresightsports.com/
  4. Foresight Premier — Play more golf, Foresight Sports. https://premier.foresightsports.com/
  5. Foresight Sports 公式サイト(ローンチモニター価格), Foresight Sports. https://www.foresightsports.com/
  6. Rapsodo Golf MLM2PRO Premium Membership, Rapsodo. https://rapsodo.com/pages/rapsodo-golf-mlm2pro-premium-membership
  7. Garmin Golf Membership, Garmin. https://www.garmin.com/en-US/p/850633/
  8. Garmin elevates the golf simulator experience with Home Tee Hero upgrades, Garmin, 2026-01-20. https://www.garmin.com/en-US/newsroom/press-release/outdoor/garmin-elevates-the-golf-simulator-experience-with-home-tee-hero-upgrades/
  9. Approach R50, Garmin 日本. https://www.garmin.co.jp/products/intosports/approach-r50/
  10. 世界最高峰のゴルフシミュレーター、初のレンタルプラン、日本導入開始。「GCQuad、GC3」をレンタルで!, 有限会社アンプラス(PR TIMES), 2023-02-03. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000114712.html
  11. 新着情報, 有限会社アンプラス. https://www.amplus.jp/news/
  12. ゴルフ用品市場に関する調査を実施(2025年), 矢野経済研究所, 2025-10-10. https://www.yano.co.jp/press/press.php/003926
  13. 為替レート&チャート「米ドル / 円」, auじぶん銀行, 2026-09-28参照. https://www.jibunbank.co.jp/products/foreign_deposit/chart/usd/