ゴルフ場の予約電話にAIが24時間応答、米CourseRev.aiが管理システムTenForeの全顧客で利用可能に

米国のゴルフ場向けAIサービス会社CourseRev.ai(コースレブ・ドットエーアイ)が、ゴルフ場管理システムを手がけるTenFore Golf(テンフォア・ゴルフ)と提携した。ゴルフ業界ニュースサイトThe Golf Wireが2026年9月23日(米国時間)に報じ、25日にはプレスリリースも配信された[1][2]。CourseRevの「AI Voice Concierge(AI音声コンシェルジュ)」がゴルフ場にかかってきた電話に24時間応答し、よくある質問への回答、空き枠の確認、ティータイムの予約までを受け持つ[2]。同じ9月23日には、イタリアのピン位置管理サービスPin Vision(ピンビジョン)との提携も伝えられた[5]。

ゴルフをする側では、予約の電話のかけ方が変わる。導入したゴルフ場なら、フロントが閉まった夜でも電話で予約が取れ、話し相手は人ではなくAIになる。

ビジネス・ITの側では、AIを1コースずつ売り込むのではなく、ゴルフ場がすでに使う管理システムの機能として届ける点が要点だ。本稿は提携の中身を整理し、導入数や効果の数字がどこまで公表されているかを確かめる。

ゴルフ場の予約電話をAIが受ける仕組みはどうなっているのか

CourseRevのAI音声コンシェルジュは、ゴルフ場の電話を受けて予約を完結させるAIの電話係だ。リリースによると、ゴルフ場ではチェックイン対応やプロショップ(コース内の売店)の接客中に予約の電話が鳴ることが多く、繁忙時や営業時間外の取りこぼしが課題になっている[2]。

製品ページは、数秒以内に応答し、最大50件の会話を同時に処理できると説明する[3]。一方でトップページのFAQは「数百件の通話を同時に」と書いており、上限の表記はそろっていない[4]。2回目以降の利用者は名前で呼びかけ、好みを覚えておく機能もある[3]。

CourseRevの管理画面。タブレットに予約チャネルとしてAI VoiceとAI Chatの切り替え、スマートフォンに売上の分析画面が表示されている
CourseRevの管理画面の例。予約チャネルにAI VoiceとAI Chatが並ぶ(画像:CourseRev.ai公式サイトより)

FAQによれば、AIは会員・シニア・一般といったプレーヤー区分ごとの料金ルールを当てはめて予約を受ける[4]。希望の時間が埋まっていれば別の時間を提案し、キャンセルが出た枠はウェイトリスト(空き待ち名簿)から自動で埋める[4]。

ゴルファーの電話をAIが受け、よくある質問には回答し、予約の希望はTenForeのティーシートで空きを確認して予約完了、希望の時間が埋まっていれば別の時間を提案する流れ図
AI音声コンシェルジュが電話を受けてから予約が完了するまでの流れ

TenForeは、ティーシート(予約台帳)、POSレジ、決済、ネット予約、マーケティング、レポートを1つにまとめたクラウド型の管理システムで、単独コースにも複数コースの運営会社にも提供している[2]。提携により、AIが受けた電話はTenForeのティーシートと予約基盤に直接つながる[1][2]。TenForeのジョナサン・ライドCEOは、CourseRevがゴルファーへの24時間の対応を助けつつ、運営側が接客の主導権を保てる点を評価した[1][2]。

複数コースを持つ運営会社向けには、1つの電話番号で全コースの予約を受ける機能もある[4]。ゴルファーはコースを選ぶか、空きの多いコースをAIに探させることができる[4]。

電話窓口のどこまでを自動化し、どこから人が受けるかを設計の側から考えたい読者には、コンタクトセンターの作り方と運用をAI活用まで含めて図解したこの一冊がある。

なぜ管理システムと組んでAI予約を届けるのか

CourseRevは、AI予約を管理システムの提携網を通じてゴルフ場に届ける形をとっている。リリースは、TenForeとの連携が「すべての顧客」で利用可能になったと記す[2]。CourseRevのマナ・ジャスティンCEOは、2年以上の協議を経た提携で、TenFore上のゴルフ場にこれまでにない水準のAI接客を届けると述べた[1]。

CourseRevの連携先はTenForeが初めてではない。公式サイトの連携ページには、Lightspeed、Club Caddie、Golfmanager、QETI / OMNIといった予約・管理システムと、複数コースの運営会社のロゴが並ぶ[7]。2026年4月には、オハイオ州のsmbGOLFと組み、支配人がスマートフォンからテキストを1通送るだけで、サイト・AI電話・チャットボットの案内を同時に更新できるようにした[6]。

smbGOLFはテキスト1通でサイトとAI電話を更新、TenForeはティーシートと予約基盤、Pin Visionはピン位置と進行データをCourseRevにつなぎ、CourseRevが各ゴルフ場に提供する関係図
CourseRev.aiの主な提携先と、それぞれがつなぐもの

同じ日に報じられたPin Visionは、イタリア北部トリノ近郊に本拠を置くゴルフ場向けのIT企業だ[5]。イタリアと英国の100以上のクラブで、4万人を超えるゴルファーが利用している[5]。2023年のライダーカップ(米国と欧州の対抗戦)の会場、マルコ・シモーネ・ゴルフ&カントリークラブも顧客に含む[5]。今回の提携は同社の米国進出を兼ねる[5]。

CourseRevを使う米国のゴルフ場は、リアルタイムのピン位置やデジタルのヤーデージブック(コースの距離メモ)を使えるようになる[5]。プレーの進行速度の分析は、刷新された管理画面「Dashboard V2」に表示される予定だ[5]。

提携先本拠公表時期CourseRevにつなぐもの
TenFore Golf—2026年9月23日ティーシート・予約基盤[1][2]
Pin Visionイタリア2026年9月23日ピン位置・進行速度のデータ[5]
smbGOLF米オハイオ州2026年4月21日テキスト1通でサイト・AI電話の案内を更新[6]

※「—」は本稿で確認していない項目。

電話の声をデータとして扱い、接客や営業の改善につなげる考え方を知りたい読者向けの一冊。

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AI電話予約の導入数や効果は公表されているのか

今回の提携では、導入数も効果も数字は公表されていない。TenForeを使うゴルフ場の数、そのうちAI音声を契約したコースの数、料金は、リリースにも報道にも書かれていない[1][2]。Pin Visionとの連携も、提供の開始時期は明示されていない[5]。

効果の数字として公開されているのは、CourseRevのトップページに載る利用者の声だけだ[4]。Highland Creek Golf Clubの支配人は、ゴルフショップへの電話が50〜55%減ったと推計し、木曜・金曜の夜を中心に営業時間外の予約が複数入ったと述べている[4]。電話番号とメールアドレスを取れるようになり、無断キャンセルも大きく減ったという[4]。

CourseRevは、予約の確認とリマインダーを音声・SMS・メールで自動送信する機能も無断キャンセル対策として売り込んでいる[4]。同じ支配人は、電話口の相手がAIだと気づかない客もいたと書いている[4]。ただしこれは1コースの自己推計で、減った電話の件数や、AI経由の予約数・売上は示されていない。

項目公表の状況内容
24時間の電話応答公表製品ページ[3]
同時に受けられる会話の数公表製品ページは最大50件、FAQは「数百件」[3][4]
TenFore連携の提供範囲公表TenForeの全顧客で利用可能[2]
導入の効果1コースの推計のみ支配人の推計で電話50〜55%減[4]
TenFore経由の導入コース数非公表—
料金非公表—
予約数・売上への効果非公表—
Pin Vision連携の提供開始時期非公表—

※「—」は公表されていない項目。

筆者の見立てでは、ゴルフ場が導入を判断するときの論点は2つある。1つは電話が減った分がスタッフの接客に回るかどうか、もう1つは営業時間外の予約がどれだけ新たに増えるかだ。前者はこの支配人が挙げており、後者は件数が出ていない。

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日本のゴルフ場の予約電話にもAIは入っているのか

日本では、ゴルフ場予約のAI活用は予約サイト上のチャットが中心で、ゴルフ場の電話をAI音声が受ける公開事例は一次情報では確認できなかった。楽天の予約サイト「楽天GORA」は2026年5月12日、国内外約2,000コースから対話形式で候補を提案し、予約ページへ案内する「楽天GORA AIアシスタント」の本格提供を始めた[8]。ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)も9月18日、チャットで条件を入力すると候補を提案し、そのまま予約へ進める「ゴルフ場検索AIチャット」を始めた[9]。

ゴルフ場単位では、宮崎のフェニックス・シーガイア・リゾートが2022年、予約まで完結できる多言語AIチャットボットを入れた[10]。電話そのものの比重はゴルフ場によって大きく違う。2022年のゴルフメディアの取材で、ゴルフ場関係者はネット予約の比率が9割を超えるコースもあれば1割に満たないコースもあり、来場者の過半数は60歳以上だと答えている[11]。

比較軸米国(CourseRev.ai×TenFore)日本
AIが受ける窓口ゴルフ場への電話(音声)[2]予約サイト上のチャット[8][9]
AIを入れる主体各ゴルフ場。管理システム経由で提供[2]予約サイトの運営会社[8][9]、一部はリゾート単体[10]
予約までの流れ通話の中で空き確認から予約まで[2]候補を提案し、予約ページへ進む[8][9]
ゴルフ場の電話へのAI音声導入TenForeの全顧客が利用可能になったと発表[2]公開事例は確認できなかった
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まとめ

CourseRev.aiとTenFore Golfの提携は、ゴルフ場の予約電話を受けるAIを、管理システムの機能として顧客のゴルフ場へ届ける動きだ。Pin VisionやsmbGOLFとの連携も含め、CourseRevは提携網を通じて提供先を増やそうとしている。ただし導入コース数、料金、予約や売上への効果は公表されておらず、効果の数字は1コースの支配人による電話50〜55%減という推計にとどまる。

ゴルフをする読者にとっては、夜でも電話で予約が取れる一方、電話口の相手がAIかどうかを意識する場面が増える。ビジネス読者にとっては、電話の減少と時間外予約の増加を分けて測れるかが、導入判断の材料になる。日本では同じAIが予約サイトのチャットから入っており、ゴルフ場の電話にどう届くかはこれからの論点だ。

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よくある質問(FAQ)

Q. AIが電話で予約を受けるとは、どういうことですか。
A. ゴルフ場にかけた電話にAIが音声で応答し、質問への回答、空き枠の確認、ティータイムの予約までを人を介さずに行う仕組みだ[2]。CourseRev.aiのサービスは24時間応答する[3]。

Q. 日本のゴルフ場でも電話にAIが出るのですか。
A. 日本では楽天GORAやGDOが予約サイト上のAIチャットを始めているが、ゴルフ場の電話をAI音声が受ける公開事例は確認できなかった[8][9]。

Q. プレー料金は変わりますか。
A. 今回の提携で料金への影響は公表されていない。AIは会員・シニア・一般といった区分ごとの料金ルールを当てはめて予約を受ける仕組みだ[4]。

出典

  1. CourseRev.ai and TenFore Golf Partner to Bring AI-Powered Booking Automation to More Golf Courses, The Golf Wire, 2026-09-23. https://thegolfwire.com/courserev-ai-and-tenfore-golf-ai-golf-courses/
  2. CourseRev.ai and TenFore Golf Partner to Bring AI-Powered Booking Automation to More Golf Courses, PRWeb(CourseRev.ai), 2026-09-25. https://www.prweb.com/releases/courserevai-and-tenfore-golf-partner-to-bring-ai-powered-booking-automation-to-more-golf-courses-302888923.html
  3. AI Voice Concierge, CourseRev.ai公式サイト. https://courserev.ai/voice-concierge
  4. Automate Tee Time Booking with AI Technology(トップページ・FAQ・利用者の声), CourseRev.ai公式サイト. https://courserev.ai/
  5. CourseRev.ai and Pin Vision partnership, The Golf Wire, 2026-09-23. https://thegolfwire.com/courserev-ai-pin-vision-partnership/
  6. CourseRev.ai and smb Golf Announce Strategic Partnership to Modernize Golf Course Communications, The Golf Wire, 2026-04-21. https://thegolfwire.com/courserev-ai-smb-golf
  7. Integrations, CourseRev.ai公式サイト. https://courserev.ai/integrations
  8. 「楽天GORA」、最適なゴルフ場を対話形式で提案するAIエージェント「楽天GORA AIアシスタント」を本格提供開始, 楽天グループ株式会社, 2026-05-12. https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2026/0512_01.html
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  11. ネットが主流の令和時代でもゴルフ場予約はまだまだ電話が多いって本当!?, ゴルフのニュース(egolf), 2022-02-03. https://egolf.jp/life/41152/